佐賀県が環境アセスの手続き入りを最終的に拒否…2023年度中着工が厳しくなった九州新幹線西九州ルート新鳥栖-武雄温泉間

6月に九州新幹線西九州ルートの武雄温泉駅を訪れ説明を受ける赤羽大臣(手前)。この時は山口知事との面談が実現しなかったが、知事は7月15日の会見で「協議の場を大切にしたい」と述べ、1対1の面談に応じないことを示唆している。
6月に九州新幹線西九州ルートの武雄温泉駅を訪れ説明を受ける赤羽大臣(手前)。この時は山口知事との面談が実現しなかったが、知事は7月15日の会見で「協議の場を大切にしたい」と述べ、1対1の面談に応じないことを示唆している。全 1 枚

赤羽一嘉国土交通大臣は8月4日に開かれた定例会見で、九州新幹線西九州ルート新鳥栖~武雄温泉間について、佐賀県が7月末に改めて環境影響評価(環境アセス)の手続き入りを拒否したことについて記者の質問に答えた。

国土交通省では、佐賀県が協議入りを了承したことを受けて6月16日、同県が求める、フル規格ありきではない対面乗換えやスーパー特急方式、フリーゲージトレイン、ミニ新幹線も視野に入れた「幅広い協議」に基づき、いずれの整備方式にも対応した環境アセスの手続き入りを提案したが、佐賀県は即日で拒否。7月15日にも再度回答を求めたがこれも拒否され、7月末を期限に再考を促していた。

3度に及ぶ佐賀県の拒否により、新鳥栖~武雄温泉間の2023年度中着工は厳しくなり、整備新幹線の予算折衝にも影響が及びかねない状況になっている。

これについて赤羽大臣は、佐賀県が提案の趣旨を理解していないことに「大変残念」と述べ、引き続き幅広く協議を進めていく考えを示した。

一方、佐賀県の山口祥義知事は7月15日の会見で、JR九州と長崎県が与党の検討委員会で突然フル規格を主張し出した点、フリーゲージトレイン導入の断念が「初めからわかっていたこと」を理由にしている点など、これまでの合意を反故にするような動きに対して「そういったことの歴史の繰り返し」だとして不信感を吐露。

「直ちに言われたことについて一つ一つ着実に合意したことを守るという佐賀県の思いからすると、そういったものに乗るわけにはいかないと思っています」と述べ、拒否の姿勢を鮮明にしていた。

《佐藤正樹(キハユニ工房)》

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