【長さへの挑戦】国道より長いトイレットペーパー…200m以上の超長巻き 丸富製紙が特許出願

長尺の芯なしトイレットペーパー
長尺の芯なしトイレットペーパー全 3 枚

日本で一番長い国道は国道4号で、東京都中央区~青森県青森市の742.5kmだ。日本で一番長い道路橋は「東京湾アクアブリッジ」で4425m、日本で一番長い道路トンネルは、東京の首都高速にある「山手トンネル」で約18.6kmになる。(以上2019年4月1日現在、国土交通省調べ)

トイレットペーパーは300mという製品がすでに流通している。一般的な芯有りシングルが50mなので、その5倍だ。丸富製紙(本社:静岡県富士市)は、かねてより製造・販売していた超長尺(1ロールの長さ200m以上)トイレットペーパーに関する製法特許を出願した。3日、同社が発表した。

長尺の芯なしトイレットペーパーの人気が高まっている。丸富製紙によると、多くの人が利用する娯楽・公共施設で重宝されており、インバウンド需要もあって近年の生産・販売は堅調だという。また災害備蓄としての用途もある。長尺ロールの利点は、収納スペースや取り替え頻度を減らせることだ。包装資材の削減、輸送中のCO2削減、芯なしなら芯ゴミが発生しない、など環境負荷の軽減にもなる。

しかし、長尺ロールを通常の製法で製造するとロール径が大きくなってしまう。JIS規格では120mm以下と定められており、大きくなると家庭用のホルダーに収まらない。ロール径を小さくするためには紙を薄くすればいいが、薄くても強度は必要だ。規定の幅に断裁、スリットする際にはロールが硬くなり、巻き上げ時の高テンションで、工程不良や商品不良が多発する。従来の超長尺ロールは、通常の有芯ラインの製品よりも、紙が薄く、かつ硬い風合いだった。

長尺トイレットペーパーは場所を取らない。長尺トイレットペーパーは場所を取らない。

丸富製紙はこうしたロール径、工程・商品不良の課題を解決し、使用感(肌触りや吸水性など)の課題についても、満足できるレベルになったという。

丸富製紙は1982年に芯なしトイレットペーパーの製造を開始し、130~170m巻きの製品を販売していた。2015年11月に、家庭用ホルダーにおさまるトイレットペーパーとしては史上初の長さ(同社調べ)である、超長尺250mのトイレットペーパーを発売した。超長尺トイレットペーパーはテーマパーク、ホテル、公共施設など様々な施設で採用され、2016年3月には一般家庭向けにも発売した。現在は家庭用として国内最長級の300m製品も販売しており、超長尺は同社製品の主力カテゴリのひとつになっている。

丸富製紙が2016年に発売した250mトイレットペーパー。丸富製紙が2016年に発売した250mトイレットペーパー。

日本で一番短い国道は神戸市の国道174号で、長さは187mだから、それより長い。

《高木啓》

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