[スピーカー交換からのバージョンアップ]ストリーミングで聴ける楽曲を増やす

“モービルサウンドテクノロジー(東京都)”製作のデモカー。
“モービルサウンドテクノロジー(東京都)”製作のデモカー。全 2 枚

「ドライブと音楽はセット!」、そう考えているドライバーがその音楽をより良い音で楽しもうとするとき、「スピーカー交換」が実行されることが多い。さて、その次には何をするとそのスピーカーの実力をより引き出せるのか…。当特集ではそこのところを深掘りしている。

今回は、スピーカー交換をした“良さ”を満喫するためのアプローチとして、「聴ける楽曲を増やす」ことを提案してみたい。それを可能とするのが“ストリーミング”だ。この利点や楽しさを、改めて考察していこうと思う。

なお当特集は毎回、全国の有力カーオーディオ・プロショップに講師役をお願いし記事を作成している。今回は東京都日の出町にて店舗を構える“モービルサウンドテクノロジー”の小川さんに話を訊いた。じっくりとお読みいただきたい。

“ストリーミング”ではさまざまな楽しみ方が可能!?

“モービルサウンドテクノロジー(東京都)”製作のデモカー。“モービルサウンドテクノロジー(東京都)”製作のデモカー。

“モービルサウンドテクノロジー”の小川さんは、日頃からユーザーに“ストリーミング”の利用を推奨しているとのことだ。さて、活用を薦めるその心とは…。

「すでに楽しまれている方も多く、そういった方々はご存知だと思うのですが、“ストリーミング”を利用すると音楽生活が確実に充実します。新しい音楽(自分が所有していない楽曲)を次々に体験できるようになるからです。スピーカーを交換してシステムのポテンシャルが上がったのならなおさら、音楽との触れ合い方を変えても良いと思うんです。最近は高音質をウリとするサービスも現れて、音にこだわる方々にもお薦めできるようにもなってきましたし。

“ストリーミング”の利点はさまざまあります。まずは、新譜でも旧譜でもアルバムが聴き放題になるのはすごく大きなメリットです。CDを買っていた時代には、月に手に入れられる枚数には限度があったと思います。聴きたくても、その気持ちをある程度はセーブするしかなかったわけですが、“ストリーミング”ならもうセーブする必要はなくなります。

そして、いろいろな楽しみ方ができるところもメリットです。Wi-Fi環境のある場所では、いわばラジオのようにも使えます。しかも、かかる曲の方向性は自分で決められます。自分好みのラジオ番組が作れるというイメージです。アーティストくくりで曲を流してもいいですし、例えば“夏の曲”というように配信サービス側が設定しているプレイリストを聴いても楽しめます。

また、好きな曲やアルバムをダウンロードして貯めておくこともできます。それらがあれば、オフラインでも存分に楽しめます。そして、ダウンロードしておいた楽曲で“プレイリスト”を作るのも面白いです。かつてカセットテープやMDで特別な1本を作ってドライブに出かけた方も多いと思うのですが、それと同じようなワクワク感も味わえます。“ストリーミング”なら、プレイリスト作りの素材が不足することもありませんし」

興味を持ちつつも買うには至らなかった楽曲も、気軽に次々聴ける!

“ストリーミング”の魅力について、さらに詳しく教えてもらった。

「楽曲をたくさん手に入れられる環境が作れると、カーオーディオシステムのブラッシュアップにも役立ちます。というのも、これまでは興味がありつつも購入には至らなかったジャンルの曲も気軽に聴けるようになるわけですが、異なるジャンルの音楽を聴くと、カーオーディオシステムに対して新しい発見があったりするんですよ。良いところや足りないところが見えてきたり。

また、雑誌等でオーディオ評論家の方が紹介していた楽曲や、サウンドコンテストの課題曲とかも簡単に探し出せます。そういった曲って“ここがこう聴こえると良い”というように解説されていたりするので、自分のシステムではどうなのか気になっていた方は少なくないと思います。“ストリーミング”を利用すると、そういった曲の取得にも事欠きません。

そして冒頭でお話ししたように、最近は高音質の“ストリーミング”サービスもいくつか始まっています。そのようなサービスを利用すれば、ハイレゾクオリティの楽曲データも豊富にストックしておけます。

あと、お客様の中には懐かしい曲がたくさん手に入ることが利点だとおっしゃる方も多いです。しかも、ハイレゾ音源では販売されていない曲が“ストリーミング”では高音質バージョンで手に入ったりもします。逆に、“ストリーミング”で好きな曲を探して、気に入ったものだけを改めてハイレゾ音源で購入する、という楽しみ方も有り得ています。

音楽がお好きなら、“ストリーミング”にはメリットしかありません。これを利用しない手はないと思います」

“ストリーミング”を車内で高音質に楽しむ方法とは?

今度は、“ストリーミング”を車内で楽しむ上でのコツを訊いてみた。

「“ストリーミング”サービスを楽しむためのアプリをインストールしたスマホやDAPを車内に持ち込むことになるのですが、それらをカーオーディオシステムに接続する方法は大きく2とおりあります。1つはBluetoothでワイヤレス接続する方法で、もう1つはケーブルで接続する方法です。

なおもっとも手軽なのは、スマホまたはDAPのヘッドフォン端子とカーオーディオメインユニットのAUX端子とをピンケーブルで繋ぐという方法です。手段がこれしかなかったとしても、“ストリーミング”の利点は十二分に味わえます。

しかし利便性が高いのはやはり、Bluetooth接続です。ナビ等の車載機とスマホまたはDAPのそれぞれがBluetoothに対応していれば、ワイヤレス化が果たせます。基本的には曲送り等の操作を車載機側で実行できるようになりますので、車内で快適に“ストリーミング”を楽しめます。

なお、高音質な“ストリーミング”サービスを利用する場合には、高音質なBluetoothコーデックが使える機器を用いると良いですね。例えば“LDAC(エルダック)”に対応した機器を使えば、ハイレゾクオリティで楽曲データを転送できます。スマホやDAPには“LDAC”に対応した機種が増えています。カーオーディオメインユニットでも、徐々に対応が広がりつつあります。

有線で繋ぐ場合は、システムにデジタル入力端子の備わったDSPを導入すると音的に有利です。外部機器をデジタル接続できますので、もろもろがスムーズです。

“ストリーミング”は確実に、カーオーディオライフを一層楽しいものに変えてくれるはずです。試す価値は高いと思います。お薦めです」

“ストリーミング”を活用すると、音楽との触れ合い方が一変する。スピーカー交換をしてあるなら特に、ぜひお試しを♪

「スピーカー交換」からの「バージョンアップ大作戦」公開! Part6 「“ストリーミング”で聴ける楽曲を増やす!」

《太田祥三》

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