マクラーレンのGT4レーサーに公道版、『620R』…受注開始

レーシングカー譲りの足回りとエアロダイナミクス

エアコンやオーディオは未装備

V8ツインターボは最大出力620ps

マクラーレン 620R
マクラーレン 620R全 11 枚

英国のマクラーレンオートモーティブは8月19日、『マクラーレン 620R』(McLaren 620R)の受注を開始した、と発表した。

マクラーレン620Rは、レーシングカーのマクラーレン『570S GT4』の公道バージョンとして開発された。クーペボディのみを設定し、サーキットと公道の両方で、レーシングカーのエクスペリエンスを提供することを目指している。

レーシングカー譲りの足回りとエアロダイナミクス

620Rのサスペンションは、ドライバーが運転スタイルとサーキットの特性に合わせて、減衰力を調整できる。ダンパーは、通常のスポーツシリーズよりも6kg軽量とした。マクラーレンの最新の軽量ブレーキシステムを装備しており、カーボンセラミックディスクは、フロントが直径390mm、リアが直径380mmだ。鍛造アルミ製ブレーキキャリパーを組み合わせ、ペダルのレスポンス、サーキットでの耐フェード性を高めている。

マクラーレン 620Rマクラーレン 620R

620Rには、ピレリ「Pゼロ・トロフェオR」のセミスリックタイヤを標準装備する。オプションで、フルスリックモータースポーツタイヤが選択できる。ピレリのモータースポーツチームによって、マクラーレン向けに特別開発されたスリックタイヤは、620Rのブレーキとサスペンションを補完するように設計されており、横方向のGフォースを増加させ、ラップタイムを短縮させる。サイズは、フロントが19インチ、リアが20インチを履く。

エアロダイナミクスに関しては、570S GT4と同じ角度調整可能なカーボンファイバー製リアウィングを装着する。抗力を最小限に抑えながらダウンフォースを増加させるという。角度は3段階に調整できる。フロントバンパー、リップスポイラー、ボンネットは、620R用に再設計された。エアロブレードと専用デザインのリップスポイラーが装備される。カーボンファイバー製ボンネットには、ダウンフォースを引き上げ、車の上部の空気の流れを最適化する2つのダクトが設けられた。

マクラーレン 620Rマクラーレン 620R

エアコンやオーディオは未装備

インテリアは、フロアカーペットやグローブボックスを未装備とした。エアコン、「IRIS」ナビゲーション、オーディオシステムも付かないが、無償オプションで装備することができる。軽量な「Bowers&Wilkins」オーディオシステムは、オプションで選択できる。

マクラーレン 620Rマクラーレン 620R

シートは、超軽量カーボンファイバー製レーシングシートで、6ポイントレーシングハーネスを標準装備した。ステアリングホイールには12時の位置に赤いマークが施される。バケットシートに体を固定した状態で、ドアを閉めるのに役立つドアプルストラップが採用された。パドルシフト、ステアリングホイールスポーク、センターコンソールなどには、カーボンファイバー製トリムが装着される。

標準設定のボディカラー3色は、GT4のレーシングカーにインスパイアされたものだ。マクラーレンオレンジに白いストライプ、シリカホワイトにオレンジストライプ、オニキスブラックにオレンジストライプの組み合わせとなる。ゼッケンナンバーのデカールはオプションだ。マクラーレン『セナGTR』にインスパイアされたカラーリングも選択できる。

マクラーレン 620Rマクラーレン 620R

V8ツインターボは最大出力620ps

570S GT4と同じく、620Rにはカーボンファイバー製の「モノセル2」シャシーを使用する。このモノセル2が、車両の剛性と軽量化の基盤になるという。620Rの乾燥重量は1282kgに抑えられる。

マクラーレン 620Rマクラーレン 620R

620Rには、570S GT4と同じ「M838TE」型3.8リットルV型8気筒ガソリンツインターボエンジンが搭載される。620Rでは、レースのレギュレーションが適用されないため、エンジンECUとターボチャージャーのチューニングを変更することにより、最大出力620psを獲得する。歴代のスポーツシリーズ車で、最もパワフルという。

また、このエンジンは、最大トルク63.2kgmを発生する。トランスミッションは7速「SSG」(シームレス・シフト・ギアボックス)だ。0~100km/h加速は2.9秒、0~200km/h加速は8.1秒。最高速は322km/hに到達する

マクラーレン 620Rマクラーレン 620R

なお、620Rは英国サリー州ウォキングのマクラーレンプロダクションセンターにおいて、手作業で225台を組み立てる計画だ。

《森脇稔》

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