「スペシャルティカー」全盛だったあの頃のスターたち【懐かしのカーカタログ】

懐かしのスペシャルティカーたち
懐かしのスペシャルティカーたち全 17 枚

『プレリュード』『ソアラ』とくれば、やはりどうしても忘れられない国産スペシャルティカーがまだある。そこで今回、登場させるのは個性が光った『コスモ』『ラムダ』『レパード』の3車だ。

マツダ・コスモ(2代目・1975年)

マツダ・コスモAP(2代目・1975年)マツダ・コスモAP(2代目・1975年)
初代がロータリーエンジン搭載のスポーツカーだったのに対し、アメリカナイズされたスペシャルティクーペとして登場した2代目。車名『コスモAP』の“AP”は“Anti Pollution”の意味があった。

全幅は1685mmだったから、今の感覚からすればコンパクトだが、フロントまわりのダイナミックな造形は存在感があった。クロームで縁取りされたセンターピラー部の“小窓”は昇降式。

マツダ・コスモL(2代目・1975年)マツダ・コスモL(2代目・1975年)
1977年に追加された『コスモL』は、馬車の形式に由来する“ランドウ”を車名とし、ルーフ後半のいわゆるレザートップ部のオペラウインドゥ(これも昇降開閉式だった)としたモデル。

搭載するのは2機種のロータリーエンジン(13Bと12A)のほか、2リットル、1.8リットルのレシプロエンジンも用意があった。13Bといわずとも12Aでも十分に速かったが、実際のオーナーが筆者の友人にもいたが、学生の身分だったこともあり「燃料計の針が減っていくのが肉眼でもわかる」などと仲間内で冗談半分に言っていたのを思い出す。

マツダ・コスモL(2代目・1975年)マツダ・コスモL(2代目・1975年)

三菱ギャラン・ラムダ(初代・1976年)

三菱ギャラン・ラムダ(初代・1976年)三菱ギャラン・ラムダ(初代・1976年)
セダンの『ギャラン・シグマ』をベースに仕立てられた2ドアハードトップのスペシャルティモデル。北米市場でも人気を博した(『プリムス・サッポロ』などとして販売された)。

SAE規格の角型4灯ヘッドランプを上手く取り入れたフロントマスク、再度まで回り込ませたリヤウインドゥが外観上の特徴で、途中から北米仕様と共通の“ロールバーガーニッシュ”や大型バンパー(5マイルバンパー)採用したデザインも設定。

三菱ギャラン・ラムダ(初代・1976年)三菱ギャラン・ラムダ(初代・1976年)
インテリアでは何といっても1本スポークのステアリングホイール(当時、“シトロエン風の……”と紹介した記事がどれだけあっただろう?)が特徴。オーディオには木製エンクロージャー(スピーカーボックス)が奢られたDAIATONE製も設定。搭載エンジンは53年排出ガス規制に適合させたMCA-JETの2リットルほか、1.6リットル、上級仕様の2.6リットルなど。

三菱ギャラン・ラムダ(初代・1976年)三菱ギャラン・ラムダ(初代・1976年)

日産レパード(初代・1980年)

日産レパード(初代・1980年)日産レパード(初代・1980年)
『レパード』は最終型(4代目)で“セド/グロ”の兄弟車に甘んじて消えてしまったが、やはりセンセーショナルだったのはこの初代だったろう。サッシュレスの4ドアおよび2ドアの2つのハードトップボディを設定。6角形をモチーフにしたホイールのデザインを始め、他車と一線を画す未来的なスタイリングが実に新鮮だった。

日産レパード(初代・1980年)日産レパード(初代・1980年)
ガラスプリント式のオーナメントの採用ほかフラッシュサーフェスも意識され、Cd値=0.37を達成。インテリアも液晶セグメント表示式のマルチ電子メーターを始めメカニカルで先進的なムード。ドライブコンピューター、ワイパー付き電動リモコン式フェンダーミラー等も採用した。

主力はL28型とL20型の当時の直列6気筒エンジン搭載車。

日産レパードTR-X日産レパードTR-X

《島崎七生人》

島崎七生人

島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト 1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。

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