【F1 イタリアGP】ホンダ今季2勝目…アルファタウリ・ホンダのピエール・ガスリーが初優勝

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モンツァサーキットで6日、F1第8戦イタリアGPの決勝レースが行われ、クラッシュ、赤旗中断、上位のペナルティと、荒れたレースをピエール・ガスリー(アルファタウリ・ホンダ)が制した。

公式予選はルイス・ハミルトン(メルセデス)、バルテリ・ボッタス(メルセデス)がワンツーで、今回もメルセデスの独壇場かと思われたが、決勝レースには歴史に残るドラマが待っていた。

53周の決勝レース、スタートでは、ポールポジションのハミルトンがトップを守ったが、2番グリッドのボッタスは6位まで順位を落としてしまった。予選から好調だったマクラーレン勢は3番グリッドのカルロス・サインツ(マクラーレン)が2位へ、6番グリッドのランド・ノリス(マクラーレン)が3位へ浮上。

以下セルジオ・ペレス(レーシングポイント)、ダニエル・リカルド(ルノー)、ボッタスと続き、優勝候補のマックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)は7番グリッドからひとつ順位を落として8位で1周目を終えた。

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フェルスタッペンはすぐに順位を取り戻したが、前を走るボッタスの攻略に手間取り抜くには至らず。この時、3位のノリスを先頭に12位のキミ・ライコネン(アルファロメオ)までが、数珠つなぎになる状態でレースは進んでいった。その間、トップのハミルトンは2位カルロス・サインツ(マクラーレン)との差を徐々に広げ、19周目には13秒もの差をつけて独走していた。

19周目終わりで10位を走行していたピエール・ガスリー(アルファタウリ・ホンダ)が、ピットインしてタイヤをソフトからハードに交換。それと時を同じくして、ケビン・マグヌッセン(ハース)がトラブルからピットロードの入り口付近でマシンを止め、セフティーカーが導入された。止めた位置が悪くピットロードがクローズされたが、トップのハミルトンと15位を走行していたアントニオ・ジョビナッツィ(アルファロメオ)がピットインしてタイヤを交換。これは後に10秒のピットストップペナルティを受けることになった。

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ピットロードがオープンされると、タイヤ交換を済ませていないマシンが一斉にピットインしたが、ランス・ストロール(レーシングポイント)だけステイアウトし、8位から一気に2位に浮上した。前にいるのはペナルティが確定しているハミルトンだけ。しかし自身はこのあとタイヤ交換が待っている。その状況でマクラーレンとストロールは究極の賭けに出た。

24周目からレースが再開されたが、直後にシャルル・ルクレール(フェラーリ)が最終コーナーでクラッシュ。ドライバーは無事だったがタイヤウォールの修復が必要なため、26周目に赤旗中断となった。ここでルールに助けられたのはタイヤ交換を行っていないストロールだった。赤旗中断中はタイヤ交換を行ってもいいルールになっているため、ストロールはピットストップのタイムをロスすることなくタイヤ交換を実施。2位のまま後半のレースを戦えることになったのだ。

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グリッドについてスタンディングスタートで27周目からレースが再開。ストロールはコースアウトで順位を落とし、ガスリーが2位へ浮上した。ハミルトンは再開直後にペナルティをこなして17位に後退。この時点でトップはガスリー、以下ライコネン、サインツ、ストロール、ボッタスと続いていた。

ライコネンはペースが上がらず徐々に順位を落とし、残り10周の時点でトップのガスリーと2位に上がったサインツとの差は2.5秒。ここから2人による優勝争いがヒートアップした。どちらも優勝経験がなく、今回勝てば初優勝。サインツはチームの「大事に走れ」との指示に対し「優勝するんだ!」と無線でこたえ、その差を徐々に詰めていった。

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ファイナルラップ、2人の差は0.7秒。サインツは最後まで諦めずに前を追ったが届かず、ガスリーの初優勝でイタリアGPは締めくくられた。チームは前身のトロロッソ時代の2008年に、今回と同じくイタリア・モンツァサーキットで優勝して以来12年ぶりの優勝。そして第5戦70周年記念GPでのレッドブル・ホンダのフェルスタッペンによる優勝に続き、ホンダ勢今季2勝目となった。

サインツも自身初となる2位表彰台をゲット。セフティーカー時にタイヤ交換を行わず順位を上げたストロールが、運も味方して3位。赤旗中断後のレース再開時は7位だったノリスがボッタスらとのバトルを制して4位。スタートで順位を落としたボッタスはその後もペースが上がらず5位がやっとだった。

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ペナルティで最後尾まで落ちたハミルトンは、ほかより2秒近く速いペースで追い上げ7位。ホンダ勢はダニール・クビアト(アルファタウリ・ホンダ)が9位、ペースが上がらなかったアルボンが15位、フェルスタッペンはトラブルからリタイヤとなった。

■イタリアGP 決勝レース結果
1. ピエール・ガスリー(アルファタウリ・ホンダ)
2. カルロス・サインツ(マクラーレン)
3. ランス・ストロール(レーシングポイント)
4. ランド・ノリス(マクラーレン)
5. バルテリ・ボッタス(メルセデス)
6. ダニエル・リカルド(ルノー)
7. ルイス・ハミルトン(メルセデス)
8. エステバン・オコン(ルノー)
9. ダニール・クビアト(アルファタウリ・ホンダ)
10. セルジオ・ペレス(レーシングポイント)
11. ニコラス・ラティフィ(ウィリアムズ)
12. ロマン・グロージャン(ハース)
13. キミ・ライコネン(アルファロメオ)
14. ジョージ・ラッセル(ウィリアムズ)
15. アレクサンダー・アルボン(レッドブル・ホンダ)
16. アントニオ・ジョビナッツィ(アルファロメオ)
以上完走

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--. マックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)
--. シャルル・ルクレール(フェラーリ)
--. ケビン・マグヌッセン(ハース)
--. セバスチャン・ベッテル(フェラーリ)

《藤木充啓》

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