【WRC 第4戦】再開初戦のエストニアでヒュンダイ1-2、王者タナクが母国優勝を飾る…トヨタは最高3位

WRCがエストニアで“シーズン再開”を迎えた。同国の英雄、#8 タナク(ヒュンダイ)が優勝を飾る。
WRCがエストニアで“シーズン再開”を迎えた。同国の英雄、#8 タナク(ヒュンダイ)が優勝を飾る。全 8 枚

世界ラリー選手権(WRC)の2020年シーズン再開初戦、ラリーエストニアが現地6日に決着し、ヒュンダイに移籍して今季を戦っている昨季王者オット・タナクが母国優勝を成し遂げた。ヒュンダイが1-2フィニッシュ、トヨタ勢は3-4-5位。

3月の第3戦メキシコを最後に、コロナ禍で半年近くの実戦空白期を挟むこととなった今季WRCがいよいよ再開。その初戦(第4戦)はWRCとしては初開催になるラリーエストニアである。ハイスピードなグラベル(非舗装路)が戦いの主舞台で、スペシャルステージ(SS=競技区間)は現地4~6日(金曜~日曜)に実施された。

金曜にはSS1があったのみで、土曜から戦いが本格化。ヒュンダイi20クーペWRC勢とトヨタ・ヤリスWRC勢のトップバトルは今回、ヒュンダイ優位な流れで展開されていく。土曜を終えた段階で、ヒュンダイ1-2、トヨタは3-4-5-6という順位状況に(トヨタ勢はTOYOTA GAZOO Racing WRTのレギュラー3台が3、4、6位。若手育成プログラムの#18 勝田貴元が5位)。

最終日の日曜はトヨタ勢が残された6つのSS(SS12~17)ですべてトップタイムを獲るが、ラリー全体の流れを覆すには至らず、ヒュンダイが#8 オット・タナク、#42 クレイグ・ブリーンの順で1-2フィニッシュを達成。トヨタ勢は#17 セバスチャン・オジェが3位、#33 エルフィン・エバンスが4位、#69 カッレ・ロバンペラが5位という結果になった(#18 勝田はSS13で横転クラッシュ、完走ならず)。

優勝したヒュンダイのO.タナク(右。左はコ・ドライバーのM.ヤルヴェオヤ)。優勝したヒュンダイのO.タナク(右。左はコ・ドライバーのM.ヤルヴェオヤ)。

エストニアといえば、日本では大相撲の元大関・把瑠都が有名だが、WRCではかつてマルコ・マルティンという強豪が第一線で活躍し、現在はタナクがいるという少数精鋭の“ラリー大国”。昨季トヨタで自身初のドライバーズチャンピオンとなり、今季はヒュンダイに移籍して戦っている#8 タナクが母国での記念すべき初WRC戦で今季初優勝=移籍後初優勝を飾った。

2勝した者がまだいない今季、ドライバーズポイントランキングでは#17 オジェが79点(1勝)で首位、#33 エバンスが70点(1勝)で続きトヨタ勢が1-2。ランキング3位は66点(1勝)の#8 タナクで、4位には未勝利ながら#69 ロバンペラが55点でつける。5位はヒュンダイ勢の#11 ティエリー・ヌービル(1勝)で42点(今回無得点)。

優勝の#8 タナク(ヒュンダイ)。優勝の#8 タナク(ヒュンダイ)。

マニュファクチャラー部門の王座争いは一昨年の王者トヨタが137点で首位、昨季王者のヒュンダイが132点で追っている。トヨタは今季、2017年のワークス復帰以降では初となるタイトル独占を目指し戦っている。

結果こそ残せなかったが、速さを見せた日本期待の#18 勝田は「土曜はかなり自信をもってドライブすることができましたし、いくつかのステージでは、世界最高のドライバーであるトヨタのチームメイトに近いタイムを刻むことができました。アクシデントが起こるまでは走りを楽しんでいました。この週末に得た多くのポジティブな学びが将来、自分をより強くしてくれると確信しています」とコメントしている。

2位の#42 ブリーン(ヒュンダイ)。2位の#42 ブリーン(ヒュンダイ)。

WRCの次戦、第5戦はトルコが舞台で、9月18~20日の開催予定。なお、その後の日程は8月19日にラリージャパンの開催見送りが決まった時点のもの(既報)からさらに変化しており、ドイツの開催が消え、イタリアの日程が動いている。現段階における第5戦以降の開催予定は以下の通り(さらなる変更の可能性あり)。

第5戦 9月18~20日 トルコ
第6戦 10月8~11日 イタリア
第7戦 11月19~22日 ベルギー

3位の#17 オジェ(トヨタ)。3位の#17 オジェ(トヨタ)。

(*勝田がヤリスWRCで次にWRCへと参戦するのはイタリア戦の予定)

《遠藤俊幸》

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