大宮駅前の再開発にさいたま市スマートシティプロジェクトを活かす…さいたま市 都市局 都市総務課 政策係長 中島宏之氏[インタビュー]

大宮駅前の再開発にさいたま市スマートシティプロジェクトを活かす…さいたま市 都市局 都市総務課 政策係長 中島宏之氏[インタビュー]
大宮駅前の再開発にさいたま市スマートシティプロジェクトを活かす…さいたま市 都市局 都市総務課 政策係長 中島宏之氏[インタビュー]全 1 枚

国土交通省のスマートシティプロジェクトに選定された、さいたま市スマートシティについて、さいたま市都市局都市総務課政策係長の中島宏之氏に聞いた。

中島氏は、9月30日に開催するオンラインセミナースマートシティ・先行モデル4市の実像~いよいよ社会実装へ~に登壇し詳説する予定だ。

人口は132万人、全国9位の人口規模

---:さいたま市はどのような街ですか?

中島氏:さいたま市は平成13年5月に浦和市、大宮市、与野市の3市が合併して誕生した市で、平成15年4月に政令指定都市となりました。平成17年には岩槻市が合併し、現在は人口132万人、全国で9位の人口規模です。

市では、大宮駅周辺・さいたま新都心駅周辺地区と、浦和駅周辺地区を2つの「都心」、日新・宮原地区、武蔵浦和地区、美園地区及び岩槻駅周辺地区の4地区を「副都心」と位置づけ、都市機能の集積と豊かな自然環境の共生による都市構造の実現を目指しています。

スマートシティの取組は、美園地区と大宮地区の2地区をモデルとして推進していますが、2020年度の国交省の先行モデルプロジェクトに選定された「さいたま市スマートシティ推進事業」は、大宮地区、中でも大宮駅・さいたま新都心の周辺を主な対象としています。

JR大宮駅の大宮GCS化構想

---:大宮はどんな街ですか?

中島氏:国が今後の首都圏が果たす役割と目指すべき方向を定めた「首都圏広域地方計画」において、「大宮」が東日本からの多種多様なヒト、モノが集結して交流する対流拠点として位置付けられています。

またJR大宮駅は東京と北関東、東北、信越、北陸地方を結ぶ6路線の新幹線が集結する交通結節点で、駅周辺街区のまちづくり、交通基盤整備及び駅機能の高度化を三位一体で進めるため、大宮駅グランドセントラルステーション化構想(大宮GCS化構想)を策定し、構想の実現に向け、市民・事業者等と連携しながら様々な取組を推進しています。

一方、大宮は、まちの回遊性の向上や慢性的な交通渋滞などの課題があり、大宮GCS化構想やスマートシティの取組でこうした課題を解決していきたいと考えています。

人流データ等を用いて複数モードのモビリティポートを最適設置

---:さいたま市スマートシティ推進事業について教えてください。

中島氏:大宮の来訪者の回遊範囲を広げたり、シェアサイクルなどのサービスの更なる利便性を向上するため、「シェア型マルチモビリティ」を充実させます。また歩行者、公共交通、道路幅員、交通混雑といった人流データや都市のデータ等を共通プラットフォームに集約して、大宮GCS化構想などのインフラ整備に活かしていきたいと考えています。

さいたま市では、新たな都市の交通システムとしてシェアサイクルの普及に取り組んできましたが、今回は、OpenStreet株式会社やENEOSホールディングス株式会社などの協力を得て、都市部の公有地に複数のモードのモビリティポートを集約して設置したいと考えています。

設置するモビリティサービスは、シェア型の電動アシスト自転車、スクーター、超小型EVです。今後は、カーシェアリング、電動車いすのシェアリング、電動キックボードのシェアリングなどのモビリティの展開も検討していきたいと考えています。さらに、こうしたシェア型マルチモビリティの実証実験と同時期に、自動運転の実証実験についても関係機関と共に検討を進めているところです。

データプラットフォームを構築し駅前再開発に活かす

---:さいたま市のスマートシティ推進事業の特徴を教えてください

中島氏:先ほどお話した人流データを用いたポートの最適設置と複数モードのサービス提供により得たデータは、美園地区で先行して構築した共通プラットフォームに集約し、大宮GCS化構想といったインフラ整備に活用する予定です。大規模な駅前の再開発でスマートインフラ整備に向けた計画手法「スマートプランニング」を活用している点は日本では珍しく、さいたま市の特徴と言えると思います。都市インフラのデータに加えて、徒歩や自転車に乗ることで貯まる健康マイレージアプリから得られるデータとも連動させて、行動変容も促していきたいと考えています。

---:どのような企業に参画して欲しいと思いますか?

中島氏:シェア型マルチモビリティでは複数モードのモビリティサービスを展開していきたいと考えています。自転車、スクーター、超小型EV以外のモードでも、連携して設置できるモビリティサービスを提供してくださる企業に参画頂きたいと思っています。

中島氏が登壇するオンラインセミナースマートシティ・先行モデル4市の実像~いよいよ社会実装へ~は9月30日開催。

《楠田悦子》

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