【SUPER GT 第6戦】最後尾スタートのMOTUL AUTECH GT-Rが大逆転勝利…GT300はHitotsuyama Audi R8 LMSが4年ぶりの優勝

GT500クラス優勝のMOTUL AUTECH GT-R
GT500クラス優勝のMOTUL AUTECH GT-R全 10 枚

鈴鹿サーキットで25日、SUPER GT第6戦の決勝レースが行われ、GT500クラスは#23 MOTUL AUTECH GT-R(松田次生/ロニー・クインタレッリ)が、GT300クラスは#21 Hitotsuyama Audi R8 LMS(川端伸太朗/近藤翼)が優勝した。

新型コロナウイルス感染症拡大防止の観点から、今シーズンの第4戦までは無観客レースが続いたが、第5戦は観客を入れて開催され、10月24・25日の日程で鈴鹿サーキットを舞台に開催された第6戦も、観客を入れての開催となった。

全席指定でソーシャルディスタンスを保った座席配置に加え、入場時の検温や手指の消毒、関係者と観客の完全分離など様々な感染防止対策が施された中、25日の決勝日には1万9000人のファンが鈴鹿サーキットに訪れた。

13時にフォーメーションラップが始まり、1周の後にローリングスタートで52周、約300kmの決勝レースの幕が切って落とされた。GT500クラスはポールポジションの#8 ARTA NSX-GT野尻智紀がスタートを決めて後続を引き離す展開に。2番手スタートの#64 Modulo NSX-GT伊沢拓也は序盤、トップに迫る勢いを見せたが徐々に引き離され、12周目には#12 カルソニック IMPUL GT-R佐々木大樹に2位の座を明け渡す結果となった。

S字を駆け抜けるMOTUL AUTECH GT-RS字を駆け抜けるMOTUL AUTECH GT-R

18周目には#38 ZENT GR Supra立川祐路が3位に浮上し、#64 Modulo NSX-GTは4位に転落。このタイミングでピットインが始まり、上位ではトップの#8 ARTA NSX-GTが19周目にピットインして野尻から福住仁嶺にドライバーを交代。2位の#12 カルソニック IMPUL GT-Rは翌周にピットインして佐々木から平峰一貴にドライバーを交代し#8 ARTA NSX-GTの前に復帰した。1周走ってタイヤに熱が入った#8 ARTA NSX-GT福住はどこからでも抜く勢いを見せたが、#12 カルソニック IMPUL GT-Rの平峰は巧みなドライビングで順位を守り、これで実質トップに立った。

22周目、GT300クラスのマシンがコースアウトしセフティーカーが導入された。このタイミングで最後尾の15番手スタートから12位まで順位を上げていた#23 MOTUL AUTECH GT-R松田次生がピットイン。コース上のマシンが速度を落として走行する中、確実にピット作業を決め、ドライバーをロニー・クインタレッリに交代してコースに戻ると、なんと#12 カルソニック IMPUL GT-Rの前に復帰し、前の周にピットインしたマシンを含めて一気に11台抜きを決めてトップに浮上した。

GT500クラス表彰式GT500クラス表彰式

リスタート後は2位の#12 カルソニック IMPUL GT-Rがトップに迫る場面もあったが、終盤は徐々に#23 MOTUL AUTECH GT-Rが逃げる展開に。予選Q1でクラッシュし最後尾スタートとなった#23 MOTUL AUTECH GT-Rが、最終的に2位に4.6秒の差をつけて今季2勝目、鈴鹿2連覇となる大逆転勝利を飾った。

#23 MOTUL AUTECH GT-Rの後ろではレース終盤に4台による激しい2位争いが繰り広げられたが、最終的に2位は#12 カルソニック IMPUL GT-R。以下#8 ARTA NSX-GT、#3 CRAFTSPORTS MOTUL GT-R(平手晃平/千代勝正)、#38 ZENT GR Supraの順でチェッカーを受けた。

GT500クラス2位のカルソニック IMPUL GT-RGT500クラス2位のカルソニック IMPUL GT-R

GT300クラスの上位は順位変動なく1周目を終えた。7周目には#61 SUBARU BRZ R&D SPORT(井口卓人/山内英輝)が#96 K-tunes RC F GT3(新田守男/阪口晴南)を捉えてトップに浮上。その後#96 K-tunes RC F GT3はペースが上がらず次々と交わされ順位を落としていった。

ピットインが始まった17周目時点でトップは#61 SUBARU BRZ R&D SPORT、以下#6 ADVICS muta MC86(阪口良平/小高一斗)、#11 GAINER TANAX GT-R(平中克幸/安田裕信)、#21 Hitotsuyama Audi R8 LMS(川端伸太朗/近藤翼)と続いていた。#6 ADVICS muta MC86と#21 Hitotsuyama Audi R8 LMSは早目にピットインして一旦10位以降に後退。ところが21周目にセフティーカーが導入され、ピットインを済ませていないマシンたちはタイミングを逃すこととなった。

GT500クラス3位のARTA NSX-GTGT500クラス3位のARTA NSX-GT

25周目にリスタートし、その直後に続々とピットイン。全車のピットインが終わった30周目には先にピットインを済ませた#21 Hitotsuyama Audi R8 LMSがトップ、同じく先に済ませた#6 ADVICS muta MC86が2番手、以下も先にピットインを済ませた#5 マッハ車検 GTNET MC86 マッハ号(坂口夏月/平木湧也)、#4 グッドスマイル 初音ミク AMG(谷口信輝/片岡龍也)、#87 T-DASH ランボルギーニ GT3(高橋翼/山田真之亮)が続き、ポールポジションから一時は15位まで順位を落としていた#96 K-tunes RC F GT3が6位まで挽回していた。

逆にトップを走行していた#61 SUBARU BRZ R&D SPORTは16位に後退。3位を走行していた#11 GAINER TANAX GT-Rも18位まで後退するなど、セフティーカーラン後にピットインしたマシンは大きく順位を落とす結果になった。

決勝レーススタートシーン決勝レーススタートシーン

ここから#21 Hitotsuyama Audi R8 LMSは後続との差が縮まる場面もあったが何とかトップをキープ。後方では4位#4 グッドスマイル 初音ミク AMGが徐々に前に迫り36周目に3位浮上。その後7秒あった2位との差を詰めて一気にテールトゥノーズまで持ち込んだ。

最終的に#21 Hitotsuyama Audi R8 LMSが逃げ切り、2016年以来4年ぶりの優勝を飾った。

GT300クラス優勝のHitotsuyama Audi R8 LMSGT300クラス優勝のHitotsuyama Audi R8 LMS

2位はファイナルラップまで続いたバトルを制した#6 ADVICS muta MC86。3位には素晴らしい追い上げをみせた#4 グッドスマイル 初音ミク AMGが入った。

次戦、SUPER GT 第7戦は、ツインリンクもてぎを舞台に11月7・8日の日程で開催される。

GT300クラス表彰式GT300クラス表彰式

■SUPER GT 第6戦鈴鹿 決勝レースGT500クラス結果(トップ10)
1. #23 MOTUL AUTECH GT-R(松田次生/ロニー・クインタレッリ)
2. #12 カルソニック IMPUL GT-R(佐々木大樹/平峰一貴)
3. #8 ARTA NSX-GT(野尻智紀/福住仁嶺)
4. #3 CRAFTSPORTS MOTUL GT-R(平手晃平/千代勝正)
5. #38 ZENT GR Supra(立川祐路/石浦宏明)
6. #64 Modulo NSX-GT(伊沢拓也/大津弘樹)
7. #36 au TOM'S GR Supra(関口雄飛/サッシャ・フェネストラズ)
8. #24 リアライズコーポレーション ADVAN GT-R(高星明誠/ヤン・マーデンボロー)
9. #19 WedsSport ADVAN GR Supra(国本雄資/宮田莉朋)
10. #17 KEIHIN NSX-GT(塚越広大/ベルトラン・バゲット)

■SUPER GT 第6戦鈴鹿 決勝レースGT300クラス結果(トップ10)
1. #21 Hitotsuyama Audi R8 LMS(川端伸太朗/近藤翼)
2. #6 ADVICS muta MC86(阪口良平/小高一斗)
3. #4 グッドスマイル 初音ミク AMG(谷口信輝/片岡龍也)
4. #5 マッハ車検 GTNET MC86 マッハ号(坂口夏月/平木湧也)
5. #96 K-tunes RC F GT3(新田守男/阪口晴南)
6. #87 T-DASH ランボルギーニ GT3(高橋翼/山田真之亮)
7. #55 ARTA NSX GT3(高木真一/大湯都史樹)
8. #7 Studie BMW M6(荒聖治/山口智英)
9. #25 HOPPY Porsche(松井孝允/佐藤公哉)
10. #65 LEON PYRAMID AMG(蒲生尚弥/菅波冬悟)

GT300クラス2位のADVICS muta MC86GT300クラス2位のADVICS muta MC86

《藤木充啓》

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