ドゥカティ、ムルティストラーダV4 新型を発表…新V4エンジンは170馬力

新V4エンジンは従来のV2エンジンと比較して1.2kg軽量

「MotoGP」から得られた逆回転のクランクシャフト

スマホとバイクを接続するコネクトシステム

前後にレーダーシステムを搭載した世界初のモーターサイクル

ドゥカティ・ムルティストラーダ V4 新型
ドゥカティ・ムルティストラーダ V4 新型全 9 枚

ドゥカティ(Ducati)は、11月5日に開幕した「ドゥカティワールドプレミア」において、新型『ムルティストラーダV4』を初公開した。

ドゥカティワールドプレミアは、毎年恒例の新車発表イベントだ。今年は新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の感染拡大に配慮して、デジタル形式で行われる。

ドゥカティワールドプレミアは、5回に分けて開催され、11月5日に最初にデビューしたのが新型ムルティストラーダV4だ。『ムルティストラーダ』の第4世代は、これまで以上に多用途で、乗りやすさを目指した。新型ムルティストラーダV4は、スポーツ、トラベル、エンデューロ、アーバンという4つのエレメントを融合し、あらゆるライディングコンディションで楽しい走りを実現しているという。

新V4エンジンは従来のV2エンジンと比較して1.2kg軽量

ドゥカティは、スポーティでエモーショナルな走りを犠牲にすることなく、「アドベンツーリング(冒険の旅)」のニーズを満たすように設計された軽量でコンパクトな新しいV4エンジンを開発した。新しいV4エンジンは、従来型のV2エンジンと比較して1.2kg軽量化されるとともに、サイズもコンパクトに仕上げられ、効率的で信頼性の高いパフォーマンスが追求された。

最大出力170psを発生するパワフルなエンジンは、「ツインパルス」と呼ばれる点火順序を採用した。低回転域では滑らかでスムーズに作動し、中回転域ではプログレッシブで力強いトルクを発生する。最大トルクは約13kgmだ。高速域ではスポーティな走りを実現するなど、ライダーのあらゆる要求に応える滑らかでスムーズな走行性能を発揮するという。

ギアボックスは、ムルティストラーダの多用途なキャラクターに合わせて、専用レシオとした。「デスモセディチ・ストラダーレ」エンジンよりも低い1速ギアと高い6速ギアレシオにより、オフロードにおける低速走行から、高速走行まで、幅広いコンディションで最適な走りを追求している。ドゥカティ・ムルティストラーダ V4 新型ドゥカティ・ムルティストラーダ V4 新型

「MotoGP」から得られた逆回転のクランクシャフト

「MotoGP」からフィードバックされた「カウンター・ローテーティング(逆回転)クランクシャフト」を採用することで、ホイールのジャイロスコープ効果を相殺し、ハンドリングと敏捷性を高め、加速やブレーキング時のピッチングを低減した。これにより、日常ユースやツーリングにおける乗り心地と快適性を向上させている。

バルブ・クリアランスの調整は6万km毎とした。この長いインターバルは、新しいエンジンの優れた堅牢性と耐久性を証明するものだ。ライダーは、メンテナンスのことを気にすることなく、長距離ツーリングを楽しむことができる。

「デスモドロミック」システムで開発されたノウハウを、スプリング駆動式のバルブ開閉システムに適用した。これにより、バルブ・クリアランスの点検・調整の間隔を、業界平均の2万5000kmと比較して、2倍以上の6万kmに延長することが可能になったという。

スマホとバイクを接続するコネクトシステム

新型ムルティストラーダV4は、高い最低地上高、電子制御式サスペンション、滑らかなパワーデリバリー、スタンディングポジション用に最適化されたエルゴノミクスにより、アスファルトが途切れても、安心して走り続けられることを目指した。

また、4つのライディングモード、4つの積載モード、400を超えるパラメーターの組み合わせを可能にするセミアクティブサスペンションは、ライダーの好みに合わせてモーターサイクルの設定を変化させることができる。

新しい「ドゥカティ・コネクト・システム」を活用すれば、スマートフォンとモーターサイクルを接続して、ハンドルバーのジョイスティック経由でさまざまな機能を操作することができる。高度なコネクテッド機能により、スマートフォンとバイクを接続する新世代の「ミラーリングファンクション」を備える。メーターパネルには、ナビゲーションマップを表示することもできる。

前後にレーダーシステムを搭載した世界初のモーターサイクル

新型ムルティストラーダV4は、「アダプティブ・クルーズ・コントロール(ACC)」やブラインド・スポット検知など、ライダーをサポートする前方と後方用レーダーシステムを搭載した世界初のモーターサイクルだ。

各レーダーセンサーは、コンパクトなサイズ(70×60×28mm)が特長だ。重量は190gで、モーターサイクルデザインと完全に一体化されている。

前方に配置されたレーダーセンサーは、アダプティブ・クルーズ・コントロール(ACC)の作動を制御する。ACCは、30~160km/hの速度で走行中に、前方車両との車間距離(4つのレベルで選択可能)を一定に保つように、アクセルとブレーキを自動的にコントロールする。自動車から派生したこのシステムは、モーターサイクルの挙動や人間工学を考慮に入れて、開発された。

ライダーがどのような状況でも、車両を常にコントロールできるように、減速と加速に関するシステムの介入は、一定のレベルを超えないように制限されている。このシステムは、とくに高速道路を利用したロングツーリングにおいて、より快適なライディングを可能にするという。

一方、後方用レーダーセンサーは、リアビューミラーに映らないライダーの死角に入った車両を検知して、ライダーに警告することができる。この「ブラインド・スポット・ディテクション(BSD)」(死角検知システム)は、後方から高速で接近してくる車両の存在を、ライダーに通知することも可能、としている。ドゥカティ・ムルティストラーダ V4 新型ドゥカティ・ムルティストラーダ V4 新型

《森脇稔》

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