【BMW 2シリーズ グランクーペ 新型試乗】3シリーズより軽快でピュアな走り…島崎七生人

BMW 2シリーズグランクーペ(M235i xDrive Gran Coupe)
BMW 2シリーズグランクーペ(M235i xDrive Gran Coupe)全 12 枚

第一印象は「なんて爽快なクルマなのだろう」だった。試乗グレードはシリーズきっての高性能モデル「M235i xDrive グランクーペ」。トップモデルということで車両本体価格は税込み665万円と張るが、こと走りのレベルにかけては、不満はまずないはずだ。

3シリーズより軽快で若々しいピュアな振るまい

BMW 2シリーズグランクーペ(M235i xDrive Gran Coupe)BMW 2シリーズグランクーペ(M235i xDrive Gran Coupe)
搭載エンジンは直列4気筒の2リットルターボで306ps/45.9kgmの性能を発揮、これが『1シリーズ』などFFモデルと共通で横置きで搭載される。ただしモデル名に「xDrive」とあるとおり、駆動力は適宜4輪に分散される。しかも「M」ということだから、さぞTo muchなパワフルさに手を焼くのでは……と予測していたのだが、実際には呆気ないほどサラリとした走りを見せた。

もちろん然るべき場所で、気合いを入れて走らせれば手応えはひとしおだろうが、一般道を走らせている限り「普通の乗用車感覚」でのドライブが可能。ただしコンパクトな部類のボディと、緻密にコントロールされているであろうトラクション、シュアーなハンドリングにより、コーナーをひとつ抜けるだけでも、シャープだけれど意のままの感覚の身のこなしが味わえる。

BMW 2シリーズグランクーペ(M235i xDrive Gran Coupe)BMW 2シリーズグランクーペ(M235i xDrive Gran Coupe)
ハンドリングはBMWの十八番でもあるが、たとえば上級の『3シリーズ』はしっとりとしたコクを感じるのに対し、このクルマは、ヒタッと路面にクルマを安定させながらも、軽快でより若々しいピュアな振るまいが特徴といったところか。

後席は外観から想像するよりも余裕の空間

BMW 2シリーズグランクーペ(M235i xDrive Gran Coupe)BMW 2シリーズグランクーペ(M235i xDrive Gran Coupe)
乗り心地はごく低速で硬さはあるものの、走り出してしまえばスムースに感じる。乗用車としてもちろん実用になる。後席は外観から想像するよりスペースがあり、足元は十分で、天井も巧みに頭上を窪ますなど形状が工夫され、空間を稼いでいる。

ドライバーズシートはバケット風で、座ると、決して束縛感を感じることなく、1度決めた姿勢をしっかり保持し続けてくれるタイプ。メーターは最新のBMWの慣わしどおりのデジタル式だが、シフトまわり(パドルシフトも付く)やモード切り替え、空調関係などの物理スイッチが案外と残されており、初対面でも操作にまごつかないのがいい。

トランクは独立式で、床部分を見ると床板を1枚置けそうな形状にも思えるが、高さ、幅、奥行きとも十分に実用的な大きさが確保されている。より手ごろな他グレードの走りっぷりも気になるところ。

BMW 2シリーズグランクーペ(M235i xDrive Gran Coupe)BMW 2シリーズグランクーペ(M235i xDrive Gran Coupe)

■5つ星評価
パッケージング:★★★★
インテリア/居住性:★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★★★

島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト
1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。

《島崎七生人》

島崎七生人

島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト 1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。

+ 続きを読む

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

アクセスランキング

  1. 郵便局の集配車が「赤く蘇る」、KeePerが8000台を施工
  2. 「ホンモノのGT」が日常を小冒険に変える…マセラティの新型『グラントゥーリズモ』が誘う世界とはPR
  3. Sズキが電動マッサージ器を「魔改造」、25mドラッグレースに挑戦!!
  4. ノンジャンル220台のマニアック車が集合…第15回自美研ミーティング
  5. メルセデスベンツ『Gクラス』にEV誕生、4モーターで587馬力…北京モーターショー2024
  6. 多胡運輸が破産、首都高のローリー火災事故で損害賠償32億円
  7. 『N-BOXカスタム』用パーツが一挙発売、ブリッツからエアクリーナーシリーズ4種類・5製品が発売
  8. 【トヨタ GRカローラ 新型試乗】「GRヤリス」とはスタンスが明確に違う理由…河村康彦
  9. [音響機材・チョイスの勘どころ]サブウーファー「小型・薄型モデル」の選択のキモは、“サイズ”と“音”と“価格”!
  10. トヨタ『ハリアー』が今夏ビッグマイチェン!? 「ハンマーヘッド」デザイン採用か
ランキングをもっと見る