【ルノー ルーテシア 新型試乗】一見「新型?」だけど中身は大幅グレードアップ…島崎七生人

キープコンセプトぶりはトップクラス

インテリアは大幅グレードアップ

性能、装備、走りのよさと価格設定は魅力

ルノー ルーテシア 新型
ルノー ルーテシア 新型全 24 枚

「新型?」が、率直な第一印象。とはいえ聞けば欧州Bセグメントの販売台数1位(2019年)、初代から1500万台が売られ、フランス国内はもとより、世界中で最多販売台数を誇るルノー車でもあるという『ルーテシア』。イメチェンの必要がなかったというより、そうそう変える訳にはいかなかったのだろう。

キープコンセプトぶりはトップクラス

ルノー ルーテシア 新型ルノー ルーテシア 新型
広報資料には「ひとつとして先代モデルと同じパーツが使われていないにもかかわらず、ひと目でルノールーテシアであることがわかる精緻に作り込まれたエクステリア」ともある。まさしく、である。魂が宿っているというか、近年の新型車のなかでも、キープコンセプトぶりにかけてトップクラスだと思う。

とはいえディテールでいうと進化のポイントはしっかりあり、Aピラー付け根まわりの見切り線がスッキリしていたり、リヤドアのハンドルが正真正銘の「隠しハンドル」になっていたりする。

ボディサイズは、先代最初の資料で新旧を見較べると、全長と全幅はともにー25mm、全高は(ポール式アンテナが標準なのでどういう計測になっているか未確認だが)+25mm、ホイールベースはー15mmという数値。「CMF-B」と呼ぶプラットフォームは初出の新規で、今後、日産、三菱の同クラスのモデルに展開されるというもので、プラットフォーム自体はー50kgの軽量化を達成しているという。

インテリアは大幅アップグレード

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インテリアはデザイン、質感ともに大幅なグレードアップを実感する。インパネのアッパーフェイシアやドアトリムなどは、もはや硬い樹脂成形ではなく指で強く押せば弾力を感じ、このあたりはVW『ポロ』を追い越した。スイッチ類の感触も向上、近年のトレンドである7インチタッチスクリーンは備わるし、試乗車はレザーシート(前席シートヒーター付き)が標準となるほか、ステアリングヒーター、電動パーキングブレーキなど装備面での充実度には目を見張る。

ラゲッジスペースは、間口がシンプルな形状で大きく、391リットルの容量はライバル車を凌ぐ。床板が2段になっており下に落とせば深さが稼げ、後席を起こしたままでも実用性が高まる。ラゲッジトリムにコンパクトなサブウーファーを内蔵したBOSEのオーディオは、試しにライブ音源で試聴してみたが、低音も豊かで、ゆったりと音楽を楽しませてくれるチューニングになっていた。

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後席は足元、頭上、肩口の余裕は十分。シートは座面が割と低めで傾斜も少なく、背もたれは角度をとっている(寝ている)、そんなポジション。とはいえ最近のBカテゴリーのクルマらしく、実用になるスペースとなっている。

性能、装備、走りのよさと価格設定は魅力

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走りは街中、高速、山道を通して、いつものルノー車どおりの「自動車らしい気持ちよい走りと快適性」が実感できる仕上がり。乗り味はピッチングが少なく煽られ感のない快適なもので、操舵感が一定でなめらかなステアリングを切り込みながら、山道も安心して楽しめる。

高速走行も快適で、こうした場面では、レーンセンタリングアシストなど日産由来の支援システムも活きてくる。

搭載エンジンは4気筒の1333cc直噴ターボで、これに7速DCTの組み合わせだが、自然体の足回りのセッティングとバランスして、あらゆる場面で期待どおりの仕事をこなしてくれる……そんな印象。100km/hは7速で2000rpmを切っており、余裕、快適性は十分。

性能、充実した装備内容、走りのよさを考えると価格設定(試乗車で276.9万円)は、かなり魅力的だと思う。

ルノー ルーテシア 新型ルノー ルーテシア 新型

■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
インテリア/居住性:★★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★★★

島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト
1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。

《島崎七生人》

島崎七生人

島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト 1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。

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