スズキは11月18日、環境問題に対する長期視点の方向性、2050年に同社がありたい姿を示す「スズキ環境ビジョン2050」と、その実現に向けた道標「マイルストーン2030」を発表した。
スズキは、環境に対する理念や基本方針を定めた「スズキ地球環境憲章」のもと、「スズキ環境計画2020」を定め、「社会に貢献し、世界中で愛され、信頼されるスズキを目指して」グループ一丸となって環境保全の取組みを進めてきた。気候変動などの長期を見据えた環境への取組みが一段と求められる中、今年創立100周年を迎えたスズキは、次の100年も社会に貢献し続け、持続可能な企業であるために、2050年に向けた羅針盤となる「スズキ環境ビジョン2050」を定めた。
環境ビジョン2050では、気候変動への取り組みとして、2050年までに、Well to Wheel(自動車の走行時にテールパイプから直接排出されるCO2に、燃料の採掘・精製、電気の発電段階で排出されるCO2を加えたもの)で、新車四輪車が排出するCO2「2010年度比90%減」(2030年までに40%減)を目指す。事業活動から排出するCO2については、2050年までに、販売台数あたり原単位で「2016年度比80%減」(2030年までに45%減)を目指す。
大気保全については、2030年までに、事業活動における化石燃料の使用を削減して再生可能エネルギーの利用を拡大していくほか、クリーンな製品の開発を推進。生産や製品から生じる揮発性有機化合物(VOC)の削減を図る。そして、2050年までに、事業活動や製品から排出される大気汚染物質を最少化する。
製品水資源については、2030年までに、スズキを取り巻く水リスクを特定し、全生産拠点で取水削減と排水浄化を実施。2050年までに、水環境への負荷を最小化し、持続可能な水資源利用を実現する。
資源循環については、2030年までに、自動車リサイクルシステムのグローバル展開を目指し、電動車の駆動用二次バッテリーのリサイクル、リビルド、リユースを推進する。また、グローバル生産拠点で廃棄物発生量を低減し、プラスチック梱包材を削減。そして2050年までに、日本で培ったリサイクル技術やシステムをグローバル展開し、生産活動および製品から生じる廃棄物の削減と再生利用、適正処理を推進する。
環境性能比較