【F1 サクヒールGP】18位からのオーバーテイクショー、セルジオ・ペレスが初優勝

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バーレーン国際サーキットで6日、F1第16戦サクヒールGPの決勝レースが行われ、1周目に接触して18位に後退したセルジオ・ペレス(レーシングポイント)が、64周目にトップに浮上。そのままチェッカーを受け自身初優勝を飾った。

バーレーン国際サーキットの「アウターコース」と呼ばれる1周3.543kmのコースを用いて開催されたF1第16戦サクヒールGP。5日に行われた公式予選ではバルテリ・ボッタス(メルセデス)がポールポジションを獲得。新型コロナウイルスに感染し欠場したルイス・ハミルトンに代わって、メルセデスをドライブすることになったジョージ・ラッセルが2番手となり、メルセデスがフロントローを独占した。

セカンドローにはメルセデスの優勝阻止を狙う、マックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)とシャルル・ルクレール(フェラーリ)が並び、以下セルジオ・ペレス(レーシングポイント)、ダニール・クビアト(アルファタウリ・ホンダ)と続いた。

決勝レースは87周。スタートでラッセルがトップに浮上し、ボッタスは第2ターンでコントロールを失いややスライドしながら立ち上がっていった。そこにフェルスタッペン、ペレス、ルクレールが襲いかかったが、ペレスとルクレールが接触。ルクレールはサスペンションが破損し、それを避けようとしたフェルスタッペンがウォールにヒットし、2台がリタイヤとなった。

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ペレスはスピンして最後尾に落ちたものの、コースに復帰してピットイン。タイヤを交換してレースに戻った。

このアクシデントでセフティーカーが導入され、7周目にリスタート。その後はラッセル、ボッタスのメルセデス勢がレースをリードし、後続に30秒以上の差をつけて46周目にラッセルが、50周目にボッタスがピットインしてタイヤを交換した。2人はそのままの順位でコースに復帰。その後、ラッセルはボッタスに5秒以上の差をつけて初優勝に向けてトップを快走した。

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62周目、今回がデビューレースのジャック・エイトケン(ウイリアムズ)が最終コーナーでウォールにヒット。エイトケンはそのままピットに戻ったが、脱落したフロントウイングがコース上に残ったためセフティーカーが導入された。3位以下に30秒以上の差をつけていたメルセデスの2人は安全を見てタイヤ交換を行ったが、先にピットインしたラッセルは間違えた組み合わせのタイヤを履いてピットアウト。続いてタイヤ交換を行ったボッタスにも正しいタイヤが用意されておらず、タイヤ交換に27秒もの時間がかかり4位に後退した。ラッセルは翌周に再度ピットインして正しいタイヤに履き替え、ボッタスの後ろ、5位に転落。ここまで盤石の走りでワンツー体制を築いていたメルセデス勢のドタバタ劇で、レースが大きく動いた。

これでトップに立ったのは、1周目のアクシデントで18位まで後退していたペレスだった。7周目のセフティーカーランからのリスタート後、1周で15位まで浮上。その後も数々のオーバーテイクを決めて30周目には5位まで挽回していた。前車のピットインで43周目には3位に上がり、自身は48周目にタイヤ交換を行った。これで一旦9位まで後退したがフレッシュなタイヤで再びオーバーテイクショーを繰り広げ、58周目には再び3位に浮上。そしてメルセデス勢の脱落により、64周目にトップに立った。

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レースは69周目にリスタート。この時点のトップ6はペレス、エステバン・オコン(ルノー)、ランス・ストロール(レーシングポイント)、ボッタス、ラッセル、カルロス・サインツ(マクラーレン)の順。ラッセルはすぐにボッタスを抜いてストロール、オコンもかわし74周目には2位に復帰した。逆にボッタスはペースが上がらずどんどん順位が落ちていく。2位のラッセルとトップのペレスは約3秒の差。残り10周、ファステストラップを刻みながらトップを狙うラッセルに対し、ペレスも渾身の走りで逃げる展開となった。

ところが79周目、ラッセルのタイヤの空気が抜けているとチームから無線が入りピットイン。これで15位まで順位を下げた。

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ラッセルの脱落で楽になったペレスは、2位オコンとの差を広げながらトップを快走し、そのままチェッカー。ペレスはデビュー10年目で初優勝を飾ったとともに、チームにとっても前身のフォースインディア時代も含めて初めての優勝となった。

2位は11番手スタートからレース中盤にペレスとともに順位を上げてきたオコン。3位には10番手スタートからペレス、オコンとバトルを続け、最後はサインツの激しいプッシュに耐え抜いたストロールが入り、レーシングポイントの2人が表彰台に登った。

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ボッタスは最終的に8位まで順位を落としてチェッカー。ラッセルは残り9周で15位から9位まで挽回して自身初入賞を飾った。ホンダ勢はフェルスタッペンが1周目にリタイヤしたが、アレクサンダー・アルボン(レッドブル・ホンダ)は6位、クビアトは7位で2台が入賞。ガスリーは11位でチェッカーを受けた。

F1、2020年シーズンの最終戦となるアブダビGPは12月11日から13日の日程で開催される。

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■サクヒールGP 決勝レース結果
1. セルジオ・ペレス(レーシングポイント)
2. エステバン・オコン(ルノー)
3. ランス・ストロール(レーシングポイント)
4. カルロス・サインツ(マクラーレン)
5. ダニエル・リカルド(ルノー)
6. アレクサンダー・アルボン(レッドブル・ホンダ)
7. ダニール・クビアト(アルファタウリ・ホンダ)
8. バルテリ・ボッタス(メルセデス)
9. ジョージ・ラッセル(メルセデス)
10. ランド・ノリス(マクラーレン)
11. ピエール・ガスリー(アルファタウリ・ホンダ)
12. セバスチャン・ベッテル(フェラーリ)
13. アントニオ・ジョビナッツィ(アルファロメオ)
14. キミ・ライコネン(アルファロメオ)
15. ケビン・マグヌッセン(ハース)
16. ジャック・エイトケン(ウイリアムズ)
17. ピエトロ・フィッティパルディ(ハース)
以上完走

--. ニコラス・ラティフィ(ウィリアムズ)
--. マックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)
--. シャルル・ルクレール(フェラーリ)

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《藤木充啓》

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