862馬力のスバル WRX STI、新型 BRZ とドーナツターンで競演…『ジムカーナ2020』

ケン・ブロックの後を受け継いだトラビス・パストラーナ

フルカーボンのボディをまとうワイルドすぎるWRX STI

2.3リットルに拡大されたボクサーは最大トルク91.8kgm

車両重量は1190kgでパワーウェイトレシオは1.38kg/hp

『ジムカーナ2020』に起用されたスバル WRX STI のワンオフモデルと新型 BRZ
『ジムカーナ2020』に起用されたスバル WRX STI のワンオフモデルと新型 BRZ全 15 枚

SUBARU(スバル)の米国部門のスバルオブアメリカは12月8日、同日公開された『ジムカーナ』ビデオシリーズの最新作『ジムカーナ2020』のために、『WRX STI』のワンオフモデルを製作した、と発表した。

ケン・ブロックの後を受け継いだトラビス・パストラーナ

『ジムカーナ2020』に起用されたスバル WRX STI のワンオフモデル『ジムカーナ2020』に起用されたスバル WRX STI のワンオフモデル

「フーニガン」(Hoonigan)が制作する『ジムカーナ』ビデオシリーズはこれまで、ラリードライバーのケン・ブロック選手を起用し、神業ともいえるドライビングテクニックを披露してきた。スバルとフーニガンは2020年5月、スバルモータースポーツUSAのドライバー、トラビス・パストラーナ選手が今後、『ジムカーナ』シリーズを引き継ぐと発表していた。

トラビス・パストラーナ選手は1983年、米国で生まれた。もともと、2輪のフリースタイルモトクロスの選手だったが、1999年に米国の人気スポーツ番組『X-GAMES』で金メダルを獲得し、一躍有名になった。

『ジムカーナ2020』に起用されたスバル WRX STI のワンオフモデル『ジムカーナ2020』に起用されたスバル WRX STI のワンオフモデル

2003年から4輪ラリー活動をスタートさせ、2006年にスバルラリーチームUSAに加入した。2008年には、ラリーアメリカで3度目のドライバーズタイトルを決めるなど、現在もスバルモータースポーツUSAで活躍中。命知らずのチャレンジャーとしても知られ、2輪による宙返りなど、さまざまなギネス記録を持つ。

フルカーボンのボディをまとうワイルドすぎるWRX STI

『ジムカーナ2020』に起用されたスバル WRX STI のワンオフモデル『ジムカーナ2020』に起用されたスバル WRX STI のワンオフモデル

スバルは、トラビス・パストラーナ選手の『ジムカーナ』シリーズへの起用に合わせて、『WRX STI』のワンオフモデルを製作した。スバルモータースポーツUSAとテクニカルパートナーのバーモントスポーツカーによって、ラリー、ラリークロス、ヒルクライム、長距離ジャンプでの経験を生かしながら開発は行われた。その目的は、従来の『ジムカーナ』シリーズとは異なるスタントを実行することにあったという。

WRX STIのワンオフモデルでは、車体をフルカーボンに変更した。ワイルドに見えるカーボンファイバー製のボディパネルは、風洞実験で検証された。これは、『ジムカーナ』シリーズ向け車両としては初めての取り組み。空中での安定性を確保するとともに、地上で最大のダウンフォースを獲得するのが狙いだ。大型のアクティブリアウィングも、空中ジャンプスタントのシーンで、車両の姿勢を保つことに貢献したという。

『ジムカーナ2020』に起用されたスバル WRX STI のワンオフモデルと新型 BRZ『ジムカーナ2020』に起用されたスバル WRX STI のワンオフモデルと新型 BRZ

2.3リットルに拡大されたボクサーは最大トルク91.8kgm

スバルの水平対向エンジンはカスタムメイドされており、エンジンの真上のボンネットから、エグゾーストパイプが顔を出す。このエンジンは、競技仕様となっており、排気量は2.3リットルに拡大された。スバルモータースポーツUSAチームのラリークロスプログラム向けをベースにカスタムビルトされたブロックとヘッドが使用され、最大出力は862hp、最大トルクは91.8kgmを引き出す。このエンジンは8000rpmまで許容する。

『ジムカーナ2020』に起用されたスバル WRX STI のワンオフモデル『ジムカーナ2020』に起用されたスバル WRX STI のワンオフモデル

高速ジャンプでの離着陸や、mm単位のドリフトコントロールを可能にする幅広い調整機能を備えたロングストロークサスペンションは、数十年に渡るスバルのラリーでのノウハウが生かされているという。

車両重量は1190kgでパワーウェイトレシオは1.38kg/hp

『ジムカーナ2020』に起用されたスバル WRX STI のワンオフモデル『ジムカーナ2020』に起用されたスバル WRX STI のワンオフモデル

車両は、ホワイトボディにロールケージを組み込む手法で組み上げられ、車両重量は1190kgに抑えられた。市販モデルのWRX STIに対して、360kg以上の軽量化を果たした。この結果、パワーウェイトレシオは1.38kg/hpを実現している。

『ジムカーナ2020』は、トラビス・パストラーナ選手の故郷であるメリーランド州アナポリスを舞台に撮影された。なお、映像の2分40秒付近では、このワイルドすぎるWRX STIが、新型『BRZ』とドーナツターンで競演を果たしている。

『ジムカーナ2020』に起用されたスバル WRX STI のワンオフモデル『ジムカーナ2020』に起用されたスバル WRX STI のワンオフモデル

《森脇稔》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

アクセスランキング

  1. 今スズキの250ccスポーツが面白い!快適ツアラーな『GSX250R』に俊足エクスプレスの『ジクサーSF250 / 250』もPR
  2. 東京E-Prix 市街地コースは臨海都心に準備…フォーミュラE[写真32枚]
  3. 【スバル レヴォーグレイバック 新型試乗】「アウトバック」以来、30年にわたる挑戦の成果…諸星陽一
  4. ヤマハ発動機、EVレース「フォーミュラE」に2025年より参入へ 四輪レースはF1以来
  5. 日産『エルグランド』一部仕様変更、安全装備を強化
  6. マットブラックのカスタムハイエース、限定20台で発売決定
  7. ドライブ中の突然の曇り問題にサヨナラ! DIYでウインドウ曇り防止 ~Weeklyメンテナンス~
  8. かつての『ハイラックスサーフ』、15年ぶりのモデルチェンジへ…トヨタが予告
  9. シトロエンが新型SUVクーペ『バサルト・ビジョン』を発表 南米で2024年内に発売へ
  10. メルセデスベンツ、新型パワートレイン搭載の「GLA180」発売…高性能モデルAMG「GLA45S」も追加
ランキングをもっと見る