【アウディ A4アバント 新型試乗】限りなく『A6』に近づいたなめらかさ…島崎七生人

アウディA4 Avant 35 TFSI advanced
アウディA4 Avant 35 TFSI advanced全 14 枚

『A4』にアバントが登場したのは1992年のことで、それは前身にあたる『80』時代の「B4」と呼ぶ最終世代の時だった。最新モデルは「B9」だから、実に6世代にわたって変わらず設定され続けてきたことになる。

日本車ではワゴンというと、一時期の盛り上がりが嘘のように、今ではすっかり希少なボディタイプとなってしまった。けれど欧州車の場合、日本に未導入のブランド、モデルを含め、数多くのワゴンが用意される。ワゴンを愛用するユーザーから見れば羨ましい限り、だろう。

「ベストセラーモデルを大幅にアップグレード」

アウディA4 Avant 35 TFSI advancedアウディA4 Avant 35 TFSI advanced
さて、新型プレスリリースのタイトルには「ベストセラーモデルを大幅にアップグレード」とあった。ボディサイズは従来型に対し、10mm長く、5mm幅広い。アバントでは全高の数値は20mm低くなっているが、これはルーフレールの形状の差によるものだろう。2825mmのホイールベースは変わらない。

外観ではグリル、ランプ、バンパーまわりのデザインが新しくなったほか、ボディパネルでは前後フェンダー、ドアのプレスラインの入り方がまったく新しい。とはいえいずれも印象としての差異は小さく、従来型を横に並べてじっくりと見れば違いがわかる……そんなレベルだ。

アウディA4 Avant 35 TFSI advancedアウディA4 Avant 35 TFSI advanced
インテリアは基本的に従来型を踏襲した印象。インストルメントクラスターはフルHDの12.3インチディスプレイを用いたものだが、スピード/タコメーターはオーソドックスなアナログメーターの描写ができ、見やすくホッとする。

居住空間は相変わらず快適なもので、とくに後席は背筋を伸ばしたキレイな姿勢で着座でき、アバントのボディ形状のメリットでルーフがセダンより後方に伸びているため、頭上空間にゆとりがあり、ドアガラスも大きく乗車中の視界が広く、乗り降りの際の頭の出し入れもスムースだ。

『A6』に限りなく近づいたなめらかな走り

アウディA4 Avant 35 TFSI advancedアウディA4 Avant 35 TFSI advanced
そして、見た目以上に進化したのが走り。試乗車は「35 TFSI advanced」で、搭載エンジンはこれまでの1.4リットルのダウンサイジングターボから、2リットルのターボに12VのMHEV(マイルドハイブリッド)を組み合わせたものとなった。これにより低速、加速、高速走行と、いずれの場面でも常に余裕のあるパワーフィールが味わえる。

さらに乗り味がよりしっとりと上質になったのは、走り出してスグに実感できる従来型との違い。アウディ車のラインアップでは今や少数派のFFモデルながら、そのなめらかな走りっぷりは『A6』に限りなく近づいたといっていい。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
インテリア/居住性:★★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★★★

島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト
1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。

《島崎七生人》

島崎七生人

島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト 1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。

+ 続きを読む

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

アクセスランキング

  1. マツダ、電動セダン『EZ-6』世界初公開、24年発売へ SUVコンセプトも…北京モーターショー2024
  2. 【ホンダ ヴェゼル 改良新型】開発責任者に聞いた、改良に求められた「バリュー」と「世界観」とは
  3. 多胡運輸が破産、首都高のローリー火災事故で損害賠償32億円
  4. Sズキが電動マッサージ器を「魔改造」、25mドラッグレースに挑戦!!
  5. 見逃せない! ホイールのブレーキダスト除去術 ~Weeklyメンテナンス~
  6. 郵便局の集配車が「赤く蘇る」、KeePerが8000台を施工
  7. トヨタが新型BEVの『bZ3C』と『bZ3X』を世界初公開…北京モーターショー2024
  8. ホンダ『ヴェゼル』マイナーチェンジで3グレードに集約、納期改善へ…「HuNT」「PLaY」新設定で個性強調
  9. ノンジャンル220台のマニアック車が集合…第15回自美研ミーティング
  10. メルセデスベンツ『Gクラス』にEV誕生、4モーターで587馬力…北京モーターショー2024
ランキングをもっと見る