日産 内田社長「まず日本市場で日産の価値を理解してもらう活動に力を入れる」

日産ノート
日産ノート全 3 枚

日産自動車は2月9日、2020年度第3四半期累計(4~12月)連結決算を発表した。その会見で内田誠社長は、ホームマーケットの日本市場について、過去の反省から最初に新型車投入など新たな戦略を展開していくことを明らかにした。

「残念ながら過去の経営の中でホームマーケットの日本市場で投資ができていなかったし、力を入れていなかった事実もあった」と内田社長が話すように、カルロス・ゴーン時代は市場の大きい中国や米国に力を入れて台数を伸ばす戦略を行い、縮小する日本市場は後回しにされていた。

その結果、日本市場でのシェアをどんどん下げて、ホンダ、スズキ、ダイハツ工業にも抜かれて2010年代前半には5位にまで転落した。今もその状況から脱することができず、4位の背中は遠のくばかりだ。

しかし、内田社長によると、これからは違うそうだ。「今年度、『ノート』を発表し、そのノートには日産の電動化の技術が詰まっている。今後はこういった新しい戦略を日本から展開していきたいと思っているし、みなさんが日産らしいと思えるクルマを日本で投入していく。まず日本市場で日産の価値を理解してもらう活動に力を入れていく」

また、アシュワニ・グプタCOOも「日本市場の63%が日本固有のニーズで、そのお客さまの期待に応えていく」と話し、軽自動車など日本専用車の開発を進め、最新のADAS(先進運転支援システム)を搭載していく考えを示した。

日産が復活するためには、ホームマーケットの日本市場で存在感を示す必要があるわけだが、もう一つの懸案である米国市場の収益改善も重要だ。かつては稼ぎ頭だったが、台数を追う戦略で安売りを進めた結果、経営の足を引っ張るまでに収益が悪化した。

「昨年の第3四半期の発表時に、アメリカについては思った以上に業績の回復には時間がかかると言っていたが、今回アメリカの業績は回復に向かっていると自信を持って言える」と内田社長は説明。米国を含めた北米は20年度第3四半期(10~12月)の営業損益が145億円の黒字となっている。

また、グプタCOOは「今年度の第3四半期は小売台数が毎月のように伸びている。1月は新型『ローグ』の効果が出て、セグメントシェアが5.8%にまで伸びた」と話しており、米国の販売は着実に回復しているようだ。

「今回の決算を見ると、収益改善は進んでいる。新型コロナや半導体の不足と当面の厳しい状況はあるが、来年は着実に利益を生めると思っている」と内田社長は自信を示していた。
日産自動車の内田誠社長日産自動車の内田誠社長

《山田清志》

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