貧すれば鈍する曙ブレーキ、20年間11万件のデータ改ざん[新聞ウォッチ]

曙ブレーキ
曙ブレーキ全 1 枚

貧すれば鈍する---。自動車部品大手の曙ブレーキ工業が、子会社の国内4工場で20年近くにわたって、ブレーキ部品の検査データを書き換える不正が行われていたという。

同社が発表したもので、その数は11万4271件もあったそうだ。しかも、このうち4931件は完成車メーカーが求める品質基準を満たしていなかったという。

きょうの各紙も「曙ブレーキ、データ改ざん、6割で不正20年間11万件」などと、経済面などのトップ記事で報じている。それによると、不正行為があったのは、曙ブレーキ山形製造、曙ブレーキ福島製造、曙ブレーキ岩槻製造、曙ブレーキ山陽製造の4工場で、完成車メーカーの要請に応じてサンプル調査する「定期検査」で不正が発覚。

2001年1月~20年5月の間に、ブレーキパッドの強度や摩擦係数などの検査データを従来の数値に近くなるよう書き換えたり、過去のデータを流用したりしていたそうで、完成車メーカーに報告した19万2213件のうち、約6割で不正が行われたという。また、検査業務は、限られた従業員が担当し、他部署など外部のチェック機能が働かなかったという。

宮地康弘社長は記者会見で「ブレーキという安全に関わる製品を提供する会社としてあってはならない行為だった。深くおわび申し上げる」と謝罪。トヨタ自動車や日産自動車など国内の完成車メーカー10社に納入していたというが、「製品の性能に問題はなく、リコール(無料の回収・修理)に発展しない」としている。

曙ブレーキといえば、創業一族ではない「信元親子」が長期にわたり君臨していたが、米国事業の不振から資金繰りが悪化し、事業再生ADR(裁判以外の紛争解決)を申請。18年には信元久隆会長氏らが経営不振の責任を取って辞任し、日本電産で常務執行役員を務めた宮地康弘氏を外部から受け入れて経営再建中だが、信頼の回復が図れるかが今後の焦点となる。

2021年2月17日付

●トヨタ9工場稼働停止、最長4日間、地震で部品供給滞る(読売・2面}

●曙ブレーキ検査不正11万件、20年前から、車10社に納入(読売・10面}

●出光、超小型EVを量産化へ、給油所を拠点、定額制やカーシェア(朝日・8面}

●ブリヂストン赤字、69年ぶり12月期233億円(毎日・6面}

●新会長きょう候補案、五輪組織委、検討会、資質5項目(産経・1面}

●日航乗務員年収3割減、20年大幅減便で手当や一時金縮小(東京・3面}

●水素供給網整備進む、規制緩和FCV後押し(日経・1面}

●常磐道きょう復旧、福島・宮城地震、ルネサス生産再開(日経・5面}

●タタ自動車に新CEO、独ダイムラー出身、リストセーヤ氏(日経・10面}

《福田俊之》

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