WHILL株式会社は、同社がリリースする電動車いす『WHILL Model C2』のレンタルサービスを4月8日より、同社ホームページ及び電話にて受け付け開始すると発表した。このレンタルサービスは、介護保険の有無にかかわらずだれでも電動車いすをレンタルできるということと、DtoCのサービスということが特徴になっている。
サービス発表に伴い、オンライン発表会が開催され、WHILL株式会社代表取締役CEO・杉江理氏が今回のサービスについて説明を行った。まず杉江氏は、同社のミッションや、電動車いす市場などについて解説した。
「弊社は、『すべての人の移動を楽しくスマートにする』というミッションのもと、近距離移動のプラットフォームを作っている。電車やバスを利用するまでもない程度の移動だが、歩いていくには少し遠いといった場合や、歩きづらさを感じているシニアの方に向けてサービスを展開している」
誰もが気軽に使えるサービス
WHILL株式会社代表取締役CEO・杉江理氏が解説。「特に、歩きづらさを感じているシニアの方は非常に多く、3600万人の65歳以上の高齢者に対し、1000万人が歩きづらさを感じているというデータがある。経済産業省の『多様なモビリティ導入』を目指す実証実験を行ったところ、高齢者のQOL向上、外出の自信向上に寄与するという結果も出ている」
しかしながら「電動車いす市場は2万5000台程度とかなり小さい。介護保険レンタルか購入が主流で、誰もが気軽に使えるサービスとは言えないのも問題だ」と杉江氏は語る。
電動車いす市場は25000台程度と、1000万人の潜在規模に対して小さすぎる。これまでにも、「長期間使ってから購入したい」、「いつまで使うかわからない」、「メーカーで修理や返却をサポートしてほしい」、「専門スタッフに操作説明を受けて安心して使いたい」といった意見をお客様から頂いていたようで、これらの望みをかなえるサービスが今回のレンタルサービスに繋がったようだ。
レンタルサービスについて杉江氏は以下のように説明した。
今回のサービスにはこのような4つの特徴がある。「お客様の声を参考に、介護保険の有無にかかわらずだれでもレンタルできる、DtoC(Direct to Consumer)のレンタルサービス『WHILLレンタル』を本日より開始する。このサービスは、月々1万4800円でその日から簡単に使い始められるというのがポイントで、4つの特徴がある」
「まずひとつ目は、ずっと定額であるということ。ふたつ目は、専門スタッフがお届けするのでその日から運転できるということ。3つ目は、修理も返却も電話一本で可能ということ。4つ目は、電話でサポートが受けられ、WHILLだけの保険サービスもあるということ」
中間業者がいないのでコストも下げられる。流通スキームはDtoC
流通スキームについても「介護保険制度を利用した場合、メーカー→卸→貸与業者→ケアマネージャー→利用者といった流れとなるが、WHILLのレンタルサービスの場合、メーカーから直接利用者へというスキームになる。これによって、電動車いすがもっと身近になり、高齢者にいたっては、外出しやすく、健康の維持とQOL維持に役立つのではないかと考えた」とのこと。
ユーザーの意見を取り入れたサービスでもある。質疑応答の中で、コロナ禍であるが、こういったサービスを開始するに当たり、どのような影響があるかという質問には、「公共機関を利用しないサービスのため、密を避けるという意味でも注目されるのではないかと考えている。また実際に利用者の中には密を避けたいという声もたくさんあった」といった返答が得られた。
同社が考える利用者のイメージは、自転車の運転が不安な人、短い距離でもタクシーを利用していた人、買い物ではつい重い物を買い控えてしまう人、免許返納(検討中の方も含む)した人、外出に家族の手を煩わせたくない人、コミュニティ、ボランティアなど活動範囲を広げたい人などを挙げている。
このような方々にはぴったりなサービス。