あおり運転対策にも効果的、進化した「リアカメラdeあんしんプラス3」を新型 N-ONE で体験

「リアカメラdeあんしんプラス3」では新たに「後方車両お知らせ」機能を追加した(出典:ホンダHPより)
「リアカメラdeあんしんプラス3」では新たに「後方車両お知らせ」機能を追加した(出典:ホンダHPより)全 14 枚

ホンダアクセスが開発した安全運転支援システム「リアカメラdeあんしんプラス3」が人気だ。これはリアワイドカメラで撮影した映像を純正カーナビ上で活用することで実現するホンダ純正アクセサリーで、昨年秋に3世代目へと進化を遂げた。その進化のポイントを体験した。

車間距離を詰め続ける行為に対して注意喚起する「後方車両お知らせ」

「後方車両お知らせ」機能では一定時間、後続車両が近い距離にいると注意喚起する(出典:ホンダHPより)「後方車両お知らせ」機能では一定時間、後続車両が近い距離にいると注意喚起する(出典:ホンダHPより)

「リアカメラdeあんしんプラス3」は、リアカメラから取得する画像を利用した運転支援システム。本システムはその3世代めとなり、従来から備えられていた「後退駐車サポート」「後退出庫サポート」、「後方死角サポート」に加え、新たに「後方車両お知らせ」機能を追加したものとなっている。ホンダアクセス「ギャザズ」の純正カーナビとリアワイドカメラを組み合わせたシステムに、ノートPCのACアダプターほどの大きさの専用ユニットを割り込ませることで可能となる。

中でも注目なのが新機能として追加された「後方車両お知らせ」機能だ。接近してくる後続車との車間距離が近い状態が続くと、音とナビ画面のインジケーターで注意を喚起してくれる。昨今、“あおり運転”対策としてドラレコを装着する人が増えたが、多くのドラレコでは映像を記録するものの警告まではしてくれない。そもそも後続車が近づいていることは気付くべきであるが、話に夢中になっている時などついうっかり見過ごしてしまうこともあり得る。そんな時でもこの警告によって気付かせてくれるってわけだ。

「後方車両お知らせ」機能では、後続車がこのぐらいの距離で着いていると注意喚起対象となる「後方車両お知らせ」機能では、後続車がこのぐらいの距離で着いていると注意喚起対象となる

この機能のポイントはバックカメラで撮影した映像内に検知エリアを設定したことにある。その範囲内(後方3mを隔てた約10m~15mの範囲)に入る車両を検知し、それを継続している場合に注意喚起をする。実際にどう働くのか、今回はあらかじめ後続車を仕立て、そのクルマに近づいてもらって体験することにした。試乗車は新型「N-ONE」で、ホンダの軽自動車であるN-ONEやN-WGN、N-BOX向けに開発したギャザズの純正カーナビ「VXU-217NBi」を搭載していた。

ナビを起動させると画面右上には2つの機能アイコンが表示される。右側が「後方死角サポート」で、左側が注目の新機能「後方車両お知らせ」のアイコンだ。タッチすることで、それぞれの機能のON/OFFが行える。機能をONにして後方車が近づき、少し経つ(2秒程度)とまずアイコンがオレンジ色に変化して状況を告知。さらに一定時間(3~5秒程度)を過ぎるとアラームと共に音声で「後ろに車が接近しています」とのメッセージが流れた。これならたとえドライバーがこの状況に気付かなくても、後続車が迫って来ている状況をいち早く察知できそうだ。

「後方車両お知らせ」機能で後続車を検知するとナビ画面上でそれを知らせる「後方車両お知らせ」機能で後続車を検知するとナビ画面上でそれを知らせる

高速道路での車線移動に大きな安心を生む「後方視角サポート」

次に試したのが、高速道路などの走行中に役立つ「後方死角サポート」だ。この機能は、旧バージョン「リアカメラ de あんしんプラス2」から引き継がれている機能で、走行中に斜め後ろを走っている車両の存在をカメラで検知してナビゲーション上で知らせてくれる。上級車であればドアミラーなどで「ブラインドスポット・インフォメーション(BSI)」として警告してくれるが、軽自動車には未だに搭載された例がない。これがあると特に車線変更時の安心感はグッと高まるのだ。これも高速道路で体験してみた。

「後方死角サポート」では、左右の車線にいる車両を検知して注意喚起。その状態でウインカーを出すとアラーム音が鳴る(出典:ホンダHPより)「後方死角サポート」では、左右の車線にいる車両を検知して注意喚起。その状態でウインカーを出すとアラーム音が鳴る(出典:ホンダHPより)

この機能は約30km/hを超えると機能する。左右の斜め後ろにクルマが近づいて来るとアイコンがグリーン→オレンジに変わり、その中にはそれがどちら側なのかを示す矢印も表示される。また、左右両方から来ている場合はそれも矢印で知らされる。この時にウインカーを動作させようとすると、アラーム音とナビ画面上にそのまま車線移動すると危険であることが警告されるのだ。もちろん、この機能があるとはいえ、車線変更前にドライバーは目視して安全確認する必要はある。しかし、これがあることでその安心感はグンと高まるってわけだ。

駐車で安心安全をもたらす「後退駐車サポート」「後退出庫サポート」

「後方死角サポート」ではナビ画面の右上のアイコンで告知。写真は左側の車線に車両がいることを知らせている状態「後方死角サポート」ではナビ画面の右上のアイコンで告知。写真は左側の車線に車両がいることを知らせている状態

目的地に着いて役立つ機能が「後退駐車サポート」「後退出庫サポート」だ。これはステアリングの動きに応じて動くガイドラインによって駐車枠へスムーズに入れられるようアシストする機能。とかく駐車を苦手とする人は多く、特に初めての場所だと目印もわからず思うように駐められなくなってしまいがちだ。「リアカメラdeあんしんプラス3」では、この機能にも手を加えてよりわかりやすい方法へと進化させている。

そのポイントは、従来のからあったルマと駐車位置に対する角度のズレを示すガイドラインに加え、「コの字」のアシストアイコンを加えたことにある。これによって駐車枠に対して自車がどのぐらい傾いているかが把握しやすくなったのだ。もちろん、バックカメラと俯瞰して全体を見せる「ダブルビュー表示」も備えているし、フロントタイヤが左右どちらにどのくらい切れているかを示す機能もある。

「後方死角サポート」で、左右の車線に車両がいるにも関わらずウインカーを出すとアラート共にこの子の表示が出る「後方死角サポート」で、左右の車線に車両がいるにも関わらずウインカーを出すとアラート共にこの子の表示が出る

個人的に高く評価したいのは、もう一つの「後退出庫サポート」だ。一言で言えばリアカメラで把握できた後方周辺の動きを検知し、その存在を知らせてくれる機能なのだが、特に突っ込みで駐車場に入れた時は大いに役立つ。ギアをリバースに入れて、人やクルマが近づいている時は音とナビ画面上でそれを知らせてくれるのだ。多少過敏かと思う時もあるが、その状況を把握しながら安全を確認できるのはありがたい。

なお、従来の「リアカメラdeあんしんプラス2」に装備されていた、「車線キープサポート」はホンダセンシングの機能とかぶるため、あえて機能を省いたとのこと。

新型N-ONEで「後退駐車サポート」を体験している様子新型N-ONEで「後退駐車サポート」を体験している様子

うっかりミスによる事故が後を絶たない中、より安全にクルマをコントロールするのにありがたいサポートをしてくれるのが「リアカメラdeあんしんプラス3」。特に登録車でこの機能を体験していた人が軽自動車に乗り換えた時、いきなりこれらのアシストがなくなると不安に思うこともあるはずだ。カーナビゲーションとリアカメラは組み合わせて使うことが多いだけに、費用負担が大きくなることもない。機能に頼り過ぎない運転も必要だが、安心を高める機能として有効性を実感した次第だ。

《会田肇》

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