【日産 ノート 新型試乗】「静かですよ」という謳い文句にひっかかる…岩貞るみこ

日産 ノート 新型
日産 ノート 新型全 8 枚

コンパクトカーの日産『ノート』。このクルマの評価のポイントは、ノート自身が売りにしている「静粛性」である。

ライバル車がモーター走行とエンジン走行のハイブリッドを展開するなか、日産独自の「e-POWER」で迎え撃つノート。エンジンは発電するだけで、作った電気でモーターを動かして走る。走る部分だけをいえば、電気自動車というシステムである。

電気自動車はエンジン車に比べて静かだけれど、しかし、ノートにはエンジンが載っている。発電のためにエンジンがかかっているときは当然、エンジン音がするのだ。もっとも、発電の必要がないときは、静かな電気自動車状態だけれど。

エンジン音がかなり抑えられた故に…

日産 ノート 新型日産 ノート 新型
ただ、新型になったノートはそのエンジン音がかなり抑えられている。先代は、発電のためにエンジンがいきなり始動するとびっくりするくらい大きな音がしたけれど、今回は、ロードノイズとエンジン音をうまく相殺する新機能を搭載したこともあり、かなり抑えられている。

とはいえ、クルマが走るときに車内に入ってくる音は、エンジン音だけではない。ロードノイズ(タイヤがアスファルトの路面を走るときにする音)や、風切り音(高速走行時、サイドミラーあたりで風が渦を巻く)など、あれやこれやのいろんな音がする。

そして今回、高速道路で渋滞にはまったとき、私は予想外な音に気付いた。それは、車両接近通報装置の音。ハイブリッドや電気自動車など、エンジンがかかっていないときは静かすぎるため、周囲の人に気づいてもらいやすくするための人工的に作ったあの音である。

車両接近通報音がとにかく耳につく

日産 ノート 新型日産 ノート 新型
高速道路でゆるゆると25km/h以下で走るあいだ、エンジンはほとんど止まっている。しかし、車両接近通報音がずーっと鳴りっぱなしなので、この音がとにかく耳につくのである。高級車などになると、遮音性に力を入れることができる。さまざまな音が車内に入り込まないようにする手当だ。しかし、ノートの場合……うむむ。

あまりに渋滞が長く、その間、この音を聞かされ続けてイラついた私は思った。高速道路に人は歩いていないのに、なぜずーっとこの音を聞かされなければならないのだと。

自動運転技術を支えるためのデジタルマップは、日本の高速道路をすべて網羅している。ハイブリッドや電気自動車はこの機能を入れて、高速道路上にいるときは、車両接近通報音を鳴らさないようにできないものかと、本気で考えてしまう。

e-POWERならではの、なめらかな加速や、ワンペダルで下り坂もエンジンブレーキがかかったように安定して走れるところとかしみじみいいと思う。でも「静かですよ」という謳い文句には、やはりちょっとひっかかるんだよね。

日産 ノート 新型日産 ノート 新型

■5つ星評価
パッケージング:★★★★
インテリア/居住性:★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★
オススメ度:★★★

岩貞るみこ|モータージャーナリスト/作家
イタリア在住経験があり、グローバルなユーザー視点から行政に対し積極的に発言を行っている。主にコンパクトカーを中心に取材するほか、ノンフィクション作家として子どもたちに命の尊さを伝える活動を行っている。レスポンスでは、アラフィー女性ユーザー視点でのインプレを執筆。コラム『岩貞るみこの人道車医』を連載中。

《岩貞るみこ》

岩貞るみこ

岩貞るみこ|モータージャーナリスト/作家 イタリア在住経験があり、グローバルなユーザー視点から行政に対し積極的に発言を行っている。レスポンスでは、女性ユーザーの本音で語るインプレを執筆するほか、コラム『岩貞るみこの人道車医』を連載中。著書に「ハチ公物語」「しっぽをなくしたイルカ」「命をつなげ!ドクターヘリ」ほか多数。最新刊は「法律がわかる!桃太郎こども裁判」(すべて講談社)。

+ 続きを読む

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

アクセスランキング

  1. 40アルファードの静粛性が一変!調音施工で快適性が飛躍的に向上
  2. トヨタ カムリ 新型、全車ハイブリッドに…今春米国発売
  3. 【ホンダ N-BOX 新型試乗】アイデアの詰まった使い勝手はまさに「ニッポンの国民車」だ…中村孝仁
  4. レゴ ブロック初心者再び! セナが愛用した「マクラーレン MP4/4」を組み立ててみたら感激した
  5. シトロエンの新デザイン採用、『C3エアクロス』新型を欧州発表
  6. トヨタ堤工場、2週間生産停止の真相、『プリウス』後席ドア不具合で13万台超リコール[新聞ウォッチ]
  7. [15秒でわかる]トヨタ『4ランナー』新型…オフロード仕様のTRDプロを設定
  8. ジムニー愛好者必見! ベルサスVV25MXが切り拓く新たなカスタムトレンドPR
  9. トヨタ『ランドクルーザー250』発売、520万円から…特別仕様車も
  10. レクサス『GX』通常販売は今秋に、先行して100台を抽選販売へ 価格は1235万円
ランキングをもっと見る