BMW、新世代EVの走行サウンドを作曲家と共同開発… iX と i4 に搭載へ

EVにも内燃エンジン車のようなスポーティな音を求める顧客向けに開発

クロスオーバーEVの『iX』と4ドアグランクーペEVの『i4』 に採用

負荷と速度が増すにつれて走行サウンドが変化

i4に追加されるMモデル向けサウンドも開発

BMW iX
BMW iX全 28 枚

BMWグループ(BMW Group)は5月11日、新世代EVの『iX』と『i4』の走行サウンドを、作曲家のハンス・ジマー氏と共同開発していると発表した。

EVにも内燃エンジン車のようなスポーティな音を求める顧客向けに開発

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ハンス・ジマー氏は、ドイツ生まれの作曲家だ。映画音楽の制作も手がけており、1994年の映画『ライオン・キング』では、アカデミー作曲賞とゴールデングローブ賞を受賞している。

BMWグループはすでに、将来の市販電動パワートレイン車の走行サウンドを共同開発するために、ハンス・ジマー氏と提携を結んだ。この提携の成果として、新世代EVのiXとi4の走行サウンドを、ハンス・ジマー氏と共同開発している。

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EVの室内の静粛性は、多くの場合、利点となる。しかし、EVの選択肢が増えると、一部のドライバーは、EVにも内燃エンジン車のようなスポーティなサウンドを求める可能性が出てくる。BMWは純粋なドライビングの喜びを新しいレベルに引き上げるために、EV向けの走行サウンドをハンス・ジマー氏と共同開発している。

クロスオーバーEVの『iX』と4ドアグランクーペEVの『i4』 に採用

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iXはクロスオーバーEVで、第5世代の「BMW eDrive」テクノロジーが採用される。モーターは、フロントアクスルとリアアクスルに搭載された。まずは、「xDrive50」と「xDrive40」の2グレードが設定される。xDrive50の場合、最大出力は500hpで、0~100km/h加速は5秒で駆け抜ける。xDrive40の場合、最大出力は300hpとなり、0~100km/h加速6秒の性能を発揮する。

バッテリーの蓄電容量は、xDrive50が100kWh、xDrive40が70kWh。1回の充電での航続(WLTPサイクル)は、xDrive50が最大約600km、xDrive40が最大約400kmとなる。

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iXでは新しい充電技術により、高い充電出力でDC(直流)急速充電できる。xDrive50は最大出力200kW、xDrive40は最大出力150kWで急速充電できる。どちらのモデルも、40分以内にバッテリー容量の80%を充電することが可能だ。10分の急速充電で、xDrive50は120km走行分、xDrive40は90km走行分のバッテリー容量を充電できる。

一方、i4はフルEVの4ドアグランクーペだ。BMW「Mパフォーマンス」モデルを含めて、2021年内に発売される。BMWならではのスポーティさ、快適さ、持続可能なパフォーマンスをバランスさせているという。

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BMW i4のEVパワートレインは、モーターが最大出力530hpを発生する。0~100km/h加速は、およそ4秒だ。1回の充電での航続は590km(WLTPサイクル)に到達する。

負荷と速度が増すにつれて走行サウンドが変化

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BMWの新世代EV向けの走行サウンドは、「BMW IconicSounds Electric」と命名された。EVでも内燃エンジン車のようなドライビングプレジャーを体験したいという顧客に向けて開発を進めている。

将来的には、アクセルを操作するたびに、ハウリング音が鳴り、電気走行の楽しさが増すような仕組みを想定する。ボタンを押して選択する走行モードと同様に、走行サウンドも、運転状況やドライバーの好みに応じて、切り替えられるようにする。

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基本的な設定では、BMW IconicSounds Electricは、BMWブランドのEVの基本的な特長を伝えるために、クリアな音色を採用している。しかし、ドライバーがアクセルを踏むと、負荷と速度が増すにつれて、走行サウンドが変化する。とくにスポーツモードでは、スポーティなサウンドに変わる。「ECOPROモード」で走行している場合にのみ、音響フィードバックはゼロとなる。

i4に追加されるMモデル向けサウンドも開発

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i4に追加される予定のMモデル向けには、特別に開発されたBMW IconicSounds Electricを採用する。BMW i4のドライブサウンドに、さらなるエネルギーがチャージされるという。また、「COMFORTモード」と「SPORTモード」の違いを明確化し、全体として、刺激的なサウンドを目指している。サウンドデザイナーのレンツォ・ヴィターレ氏は、「電動Mカーのアクセルペダルを踏むと、突然全身に鳥肌が立つ」と語っている。

ハンス・ジマー氏とのコラボレーションで開発される新しい走行サウンドは、2022年内にi4とiXに搭載される予定。IconicSoundsElectricはiXに標準装備され、i4にオプションとなる、としている。

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《森脇稔》

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