日産 キャシュカイ 新型、2種類の電動パワートレイン設定…欧州初の「e-POWER」も

e-POWERのモーターは最大出力190ps

走行モードは「エコ」など3種類

ワンペダル運転を可能にする「e-ペダル」

12Vのマイルドハイブリッドシステム搭載車も設定

日産 キャシュカイ 新型
日産 キャシュカイ 新型全 17 枚

日産自動車の欧州部門は6月1日、新型『キャシュカイ』(Nissan Qashqai)に、2種類の電動パワートレインを設定すると発表した。

従来型キャシュカイは、日本では一時期『デュアリス』として販売されていたSUVのモデルチェンジ版だ。日本市場では、デュアリスは『エクストレイル』に統合されたため、従来型キャシュカイは日本市場には導入されていない。

e-POWERのモーターは最大出力190ps

このキャシュカイの新型には、欧州初のe-POWERが設定され、2022年に発売される予定だ。新型キャシュカイのe-POWERシステムは、高出力バッテリーとパワートレインで構成される。

e-POWERの特長は、ガソリンエンジンが発電のためだけに使用され、駆動は電気モーターによって行う点にある。これによって、エンジンは常に最適な範囲内で作動し、従来の内燃エンジンと比較して優れた燃費と低いCO2排出量を実現しているという。

新型キャシュカイの場合、e-POWERシステムのモーターは、最大出力190psを発生する。発電専用のガソリンエンジンには、可変圧縮比テクノロジーが導入され、最大出力157psを引き出す。e-POWERシステムには、ガソリンエンジン、発電機、インバーター、電気モーターが一体設計されている。充電は必要ない。日産 キャシュカイ 新型日産 キャシュカイ 新型

走行モードは「エコ」など3種類

新型キャシュカイのe-POWERには、「スタンダード」、「スポーツ」、「エコ」の3種類の走行モードがある。スタンダードでは、優れた加速を生み出し、回生ブレーキが従来のガソリン車のエンジンブレーキのように作動する。スポーツモードでは、エンジンが休止する時間を少なくして、加速のレスポンスを高める。エコモードでは、バッテリーマネジメントを最適化し、高速道路など低負荷走行時には惰性走行することで、燃料を節約する。

すべてのモードで、「Bモード」が選択できる。これにより、アクセルオフ時のエネルギー回収量が増加し、ブレーキペダルを使用せずに効率的に減速することができる。

e-POWERを搭載した新型キャシュカイは、ライバルハイブリッド車よりも速く加速するだけでなく、より低いエンジン回転数で加速する、と自負する。このシステムは、フルEVのように静かに作動し、エンジン回転数と速度がリンクすることに重点を置いているため、加速時でも高いレベルの静粛性が得られるという。日産 キャシュカイ 新型日産 キャシュカイ 新型

ワンペダル運転を可能にする「e-ペダル」

EVの『リーフ』と同様に、新型キャシュカイのe-POWER搭載車では、「e-ペダル」モードと呼ばれる新しい「ワンペダル」運転を可能にしている。ドライバーはアクセルペダルのみを使用して始動、加速、減速することができる。走行シーンの最大90%をカバーすることが可能という。

ストップ&ゴーが多い都市部の運転条件では、e-ペダルモードは、アクセルペダルから足を離すと、最大0.2Gの減速Gが得られる。アクセルペダルとブレーキペダルを踏み替える必要性を大幅に減らし、運転がより簡単でリラックスできるようになるという。

駐車時にはeペダルを最適化するために、クリープ現象が得られるようになっており、ブレーキペダルを使用して、車両を停止する必要がある。ワインディングロードでは、コーナリング中にブレーキを踏む機会を減らしてくれる。ドライバーは、ダッシュボードの12インチTFTメーターで、e-POWERのエネルギーフローをモニターし、システムの状態を確認できる。日産 キャシュカイ 新型日産 キャシュカイ 新型

12Vのマイルドハイブリッドシステム搭載車も設定

また、今夏の欧州発売当初から、新型キャシュカイには、新開発の12Vマイルドハイブリッドシステム、「12V ALiS」を組み合わせたダウンサイズの1.3リットル直噴ターボエンジン搭載車が用意される。「ALiS」は、アドバンスト・リチウム・イオンバッテリー・システムの略だ。最大出力は6速MTが138hp、CVTの「エクストロニック」が156hpを引き出す。

リチウムイオンバッテリーには、減速時のエネルギーが蓄えられる。この電力を走行時に利用することで、燃費の向上とCO2排出量の低減を図っている。アイドリングストップ時には、車内の電装品に電力を供給する。

12V ALiSは、コストを抑えたハイブリッドテクノロジーだ。トルクアシスト、アイドリングストップ、クイック再スタート、コースティングストップ(CVTのみ)を採用する。これにより、CO2排出量の4g/km削減が可能に。また、システムの重量は22kg抑えた、としている。

《森脇稔》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

アクセスランキング

  1. 郵便局の集配車が「赤く蘇る」、KeePerが8000台を施工
  2. 「ホンモノのGT」が日常を小冒険に変える…マセラティの新型『グラントゥーリズモ』が誘う世界とはPR
  3. Sズキが電動マッサージ器を「魔改造」、25mドラッグレースに挑戦!!
  4. ノンジャンル220台のマニアック車が集合…第15回自美研ミーティング
  5. メルセデスベンツ『Gクラス』にEV誕生、4モーターで587馬力…北京モーターショー2024
  6. 多胡運輸が破産、首都高のローリー火災事故で損害賠償32億円
  7. 『N-BOXカスタム』用パーツが一挙発売、ブリッツからエアクリーナーシリーズ4種類・5製品が発売
  8. 【トヨタ GRカローラ 新型試乗】「GRヤリス」とはスタンスが明確に違う理由…河村康彦
  9. [音響機材・チョイスの勘どころ]サブウーファー「小型・薄型モデル」の選択のキモは、“サイズ”と“音”と“価格”!
  10. トヨタ『ハリアー』が今夏ビッグマイチェン!? 「ハンマーヘッド」デザイン採用か
ランキングをもっと見る