東京都渋谷区内でバイクに乗っていた人を追いまわしてナイフで刺し、5人に軽傷を負わせた30歳の男について、東京地検は27日、傷害と器物損壊の罪で起訴したことを明らかにした。覚せい剤の影響などでいわゆるフラッシュバックを起し、バイクに乗った人=自分を襲いにきた暴走族と誤認したことが犯行の発端とみられている。
これまでの調べによると、男は自分のことを袋叩きにしたことがある暴走族が再び自分を襲いにやってくるという妄想に取りつかれた。いつか仕返しをしてやろうと決意していたが、犯行当日にその妄想が高まり、バイクに乗った男性は全て自分を襲いにきた者だと誤認し、次々に襲い掛かっていったという。
事件の被害者は「刺してきた男は薬物中毒のようだった」と証言しており、男の逮捕当時に覚せい剤が発見されていることからも、男が犯行当時に妄想状態だったこともほぼ間違いないとみられる。
これまでの取り調べで男は「自分の一方的な勘違いでひどいことをした。反省している」と語っているとされる。