暴徒化した期待族、戦利品はパトカーのナンバープレート

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暴走族の取り締まりを行った警察官に対し、暴徒と化した期待族の少年らがパトカーに蹴りを入れるなどして損壊した事件について、佐賀県警は4月30日、パトカーのナンバープレートを持ち去っていた17歳と18歳の少年を器物損壊や窃盗の容疑で逮捕した。

2人は容疑を大筋で認めている。

佐賀県警・佐賀署によると、問題の事件は4月24日未明に発生している。

同日の午前1時45分ごろ、佐賀市駅前中央1丁目付近の県道で、同署が暴走族の走行風景をビデオ撮影するなどの取り締まりを実施していたところ、蛇行するように走行していた23歳の暴走族メンバーの男が運転するバイクと、ビデオ撮影を行っていた37歳の警部補が接触した。

男は警部補がビデオ撮影していることを認識し、威嚇目的で故意に接近してきたと判断。警部補は接触によって軽傷を負ったものの、逃走しようとしていた男を取り押さえ、公務執行妨害の現行犯で逮捕した。

ところがこの様子を眺めていた期待族の少年約30人が「警察は横暴だ」などの野次を飛ばしながら暴徒化。逮捕した男を収容したパトカーを取り囲み、車体を蹴飛ばしたり、ドアを開けて奪還を図るなどの実力行使に出た。

同署は警官100人を投入して沈静化しようとしたが、これが逆効果に。大勢の警察官を目にした無関係な野次馬も次々に入り、一時は双方で総勢200人程度がにらみ合うなど緊迫した状況となった。

この間、パトカーからはナンバープレートが何者かによって持ち去られるという被害も出たため、警察では公務執行妨害や器物損壊、窃盗の容疑で調べを進めていた。

捜査の結果、上峰町に住む17歳の少年が現場からパトカーのナンバープレートを持ち出し、一緒にいた同町内在住の18歳少年に預けていたことが判明。29日夜までに2人を窃盗などの容疑で逮捕した。

取り調べに対し、2人は容疑を大筋で認めているが、17歳の少年は「ナンバープレートを自分で剥ぎ取ったわけではなく、他の人から貰った」と供述。これを預かっていたという18歳の少年は「パトカーのナンバープレートだとは聞いていない」などと話しているようだ。

だが、現場ではこのプレートが“戦利品”のごとく扱われていたという情報もあり、警察では2人を厳しく追及するとともに、パトカー破壊に加わった30人前後の期待族については「あらゆる法令を適用し、厳しく取り締まる」とコメント。撮影した映像などから人物特定を急ぐ方針だ。

《石田真一》

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