【インプレ'05】両角岳彦 三菱『ランサーエボリューションIX』 独得のコーナリングプロセスも普通の味付けに

試乗記 国産車
【インプレ'05】両角岳彦 三菱『ランサーエボリューションIX』 独得のコーナリングプロセスも普通の味付けに
【インプレ'05】両角岳彦 三菱『ランサーエボリューションIX』 独得のコーナリングプロセスも普通の味付けに 全 1 枚 拡大写真

Vあたりから、人工的な旋回能力だけが突出し、操る実感欠如。暴力的なまでの速さばかりが突出して、よほどの熟達者でないと“危ない”クルマの1台だった。その方向を若干修正した印象、ではある。

ひたすら突っ張っていた足が少し動くようになり、直線路を普通に走っていても横っ飛びし、ステアリングを動かすと一気に横に持ってゆかれ…という過敏さは少しおとなしく。

タイヤのグリップ限界域で、もっと曲がるためにはアクセルを踏んで加速する=タイヤの能力を使い切る危険域に導く設定だった後輪左右駆動力制御も、角を丸めて、普通の挙動に近づいた。しかしその結果、骨格の剛性不足、足の資質の低さなど、基本設計そのものが時代にはるか取り残されていることが、よりあらわになってしまった。

ドライビングというスポーツの楽しさは、ここにはない。それはいまや『インプレッサ』STiも同様。「全天候スポーツカー」になりうるのに。

■5つ星評価
パッケージング:★★☆☆☆
インテリア/居住性:★★☆☆☆
パワーソース:★★☆☆☆
フットワーク:★☆☆☆☆
オススメ度:☆☆☆☆☆

両角岳彦| 自動車評論家
1951年長野県松本市生まれ。モノごころついた時からクルマが好き。大学・大学院と自動車工学を修め、自動車専門誌を経て独立。現在は徳大寺自動車文化研究所・主任研究員としてディーゼル排気浄化システムの開発に注力中。

《》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. ベントレーの超高級住宅、最上階は「55億円」 クルマで61階の自宅まで
  2. 日産の新型セダン『N7』、発売50日で受注2万台を突破
  3. 【ダイハツ ムーヴ 新型】「ポッキー入れ」にイルミネーション、軽自動車でも質感を“あきらめさせない”インテリアとは
  4. トヨタ RAV4 新型、PHEVのEV航続は150km
  5. BMW、カーボン素材を天然繊維複合素材に置き換え、量産車に採用へ
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 「やっと日本仕様が見れるのか」新世代ワーゲンバス『ID. Buzz』ついに上陸! 気になるのはサイズ?価格?
  2. 独自工会、EV減速でPHEVに着目、CNモビリティ実現へ10項目計画発表
  3. 茨城県内4エリアでBYDの大型EVバス「K8 2.0」が運行開始
  4. 中国EV「XPENG」、電動SUV2車種を改良…新電池は12分で80%充電可能
  5. コンチネンタル、EVモーター用の新センサー技術開発…精密な温度測定可能に
ランキングをもっと見る