新日鉄と今治造船、衝突時被害の軽減を図れる鋼材を開発

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新日本製鐵と今治造船は、衝突時の安全性が高い船舶を共同開発した。新日鉄は構造用鋼として世界で初めて変形能力の高い鋼材を開発し、今治造船はこの鋼材を同社建造の4万7000tプロダクトタンカーのバルバスバウに採用することを決定した。

鋼材の製造、及び適用に関しては、アメリカン・ビューロー・オブ・シッピングのほか、日本海事協会の承認を得ている。鋼材は新日鉄大分製鉄所で製造する予定。

この鋼材を適用したバルバスバウの特長は、鋼材の「変形しても硬くなりにくい(加工硬化しにくい)、伸びが大きくエネルギー吸収が大きい」という特性を活用した設計により、他の船に衝突した場合の相手船の損傷を小さくできるメリットがある。

相手船の損傷の程度を小さく抑え、沈没などの重大事故の確率や規模を小さくすることが可能となる。独立行政法人海上技術安全研究所の協力を得て実施した衝突シミュレーションでは、従来に比べ相手船への圧迫力は50%程度低下し、破孔も縮小する。

鋼材の降伏応力(船体の設計に使われる強度)は従来鋼と同じであり、この船の強度は従来船と変わらず、船体重量や建造コストも増加しない。

新日鉄は極低炭素、高純度化と最新の圧延技術でこの鋼材を開発した。ABSは特別な鋼材規則を設定し、船体強度を充分満足していることを確認した上で、鋼材の船体構造への使用を承認した。

今治造船、新日鉄は、今後他船級の承認も取得し全船への適用拡大を図るとともに、新たな構造設計を含め更なる安全性の向上と環境負荷の低減に取り組むとしている。

《レスポンス編集部》

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