オリジナルの『プリウス』に対して車重で140kgほどの増加。これはほとんどがリチウムイオン電池の重さと見てよいだろう。
バッテリーパックはこれまでどおりリヤエンド、リヤラゲッジエリアの下に置かれるのでリヤ荷重が増加したと考えればよい。実は、このことによってしっとりとした落ち着いた乗り心地に感じる。
つまり、オリジナルに比べて前後のバランスが良い。どのようなときに感じるのか、というと、とくにコーナーリング時に前後バランスが良くなった、という当たり前のことだけではなく普通に市街地を流しているときにもリヤの落ち着きがあり、結果乗り心地の向上や高級感を覚えるのだ。アメ車やSUVなど重量のあるクルマの良いところを取ったという表現が適当だろうか。いずれにしても重いということは明らかだが。
モーターなどはプリウスのものをそのまま使っているので、EV走行時の加速感などはそれほど驚くものではない。ただ、音もなく一定のテンションで加速するフィーリングにフラストレーションは覚えない。しかも高速では100km/hまでエンジンは始動しないので、モーターだけで走る100km/hは静かでスムーズ。首都高60km/hレベルからの加速も問題なく、他車に迷惑はかけない力を持っている。
EVのみの可能走行距離23.4kmは少し短い気もするが、トヨタ本社のある水道橋からお台場メガウェブまでは首都高を使って楽々到着できた。
気になるのは、EV走行用の電池を使い切ったあと。ただの重いハイブリットとなるため燃費が心配されたが、バッテリーがより容量の大きいリチウムイオン電池に変更されたため燃費効率が良くなり、現行プリウスハイブリッドと大差がないとのこと。電池容量はオリジナルのプリウスの約4倍にあたる5.2kWhだ。
プラグインハイブリッドの活用には、EVにとっても急務だが、充電インフラの整備を急ぐ必要がある。CO2削減を掲げた政府の対応が注目される。
■5つ星評価
パッケージング:★★★
インテリア/居住性:★★★
パワーソース:★★★
フットワーク:★★★★
オススメ度:★★★★
松田秀士|レーシングドライバー/モータージャーナリスト/僧侶
スローエイジングという独自の健康法で53歳の現役レーシングドライバー!SUPER GTをランボルギーニ『ガヤルド』で戦っている。INDY500など海外レース経験も豊富で、確かな知識と国際感覚でクルマの評価を行う。2009-2010日本カーオブザイヤー選考委員。




