【スズキ アルト 試乗】CVTよりも4AT…青山尚暉

試乗記 国産車
アルト
アルト 全 5 枚 拡大写真
7代目となる新型『アルト』は先代のファニーすぎたエクステリアデザインの反省からか、オーソドックスなスタイリングに回帰。ファニーなデザインが好みなら『アルトラパン』にすればいいのである。しかし中身は大きく進化。

何しろ基本プラットフォームは定評ある最新の『ワゴンR』のもの。さらに09年9月に一足早く『パレット』に採用された副変速機付きCVTなどの最新技術を惜しみなく投入。ボディの軽量化と合わせ10・15モード燃費はFFのCVT車で24.5km/リットル。ライバルのダイハツ『ミラ』の最高25.5 - 27km/リットルには届かぬものの、FF、4WDを問わず全車75%、50%減税車となっているのは評価に値する。

アルトに乗り込んでまず感じるのはシートの良さだ。体を優しく包み込んでくれるような柔らかなフィット感とゆったりした掛け心地が好ましい。そしてエコ運転、燃費向上に効果絶大な「平均燃費計」が全車に備わっている点も見逃せない(ダイハツは上級グレードのみ装備)。たとえば平均燃費計が 10.9km/リットルを示しているとき、ドライバーの心理としては何とか11km/リットル台に乗せたいと、エコ運転に積極的になれるわけだ。瞬間燃費計ではそうした意識は高まりようもない。

走りはCVTと4AT車では印象が異なる。一般論としてはCVTのほうが燃費良く、よりスムーズな走りを見せてくれるはず。が、アルトの場合は4AT車のほうが鼻先が20kgほど軽いため、より軽快感爽快感ある走りっぷりが強調される。燃費面では僅かに不利だが、CVTが発するノイズもなく、アルトに関しては5万7750円安いのだから4ATでもいいかな…と思わせてくれる(4ATとCVTが選べるのはGグレードのみだけど)。

■5つ星評価
パッケージング:★★
インテリア/居住性:★★★
パワーソース:★★★
フットワーク: ★★★
オススメ度: ★★★


青山尚暉|モータージャーナリスト
東京都出身。自動車専門誌編集者を経てフリーのモータージャーナリストに。自動車専門誌、一般誌、ウェブサイトなどに寄稿。試乗記、購入ガイドなどの執筆のほか、コンパニオンアニマルとしての愛犬と楽しむ快適自動車生活を各方面で提言中。

《青山尚暉》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 日産『エクストレイル』e-POWER が走行不能に!…土曜ニュースランキング
  2. Z32ファン感涙、レトロ感あふれる『フェアレディZ』が話題…9月の新型車記事ベスト5
  3. レクサスの最高峰セダン『LS』36年の歴史に幕、SNSでは「センチュリーが後継モデルに?」との期待も
  4. マツダの新型SUVが約250万円から!?「バグってる」「買わない理由がない」など驚きの声殺到
  5. 日産『エクストレイル』e-POWERの9197台でリコール…発電停止と走行不能のおそれ
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 「AIディファインド」の衝撃、日本の自動車産業は新たな波に飲み込まれるのか…アクセンチュア シニア・マネジャー 藤本雄一郎氏[インタビュー]
  2. EV充電インフラ-停滞する世界と“異常値”を示す日本…富士経済 山田賢司氏[インタビュー]
  3. ステランティスの水素事業撤退、シンビオに深刻な影響…フォルヴィアとミシュランが懸念表明
  4. SUBARUの次世代アイサイト、画像認識技術と最新AI技術融合へ…開発にHPEサーバー導入
  5. 「ハンズオフ」は本当に必要なのか? 高速での手離し運転を実現したホンダ『アコード』を試乗して感じた「意識の変化」
ランキングをもっと見る