JAF史上初、公認競技に「EVチャンピオンシップ」誕生

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タイムアタック中のミゼットII EVの2号車
タイムアタック中のミゼットII EVの2号車 全 10 枚 拡大写真

4月18日、富士スピードウェイ・ジムカーナコース。この日、日本のモータースポーツに小さいけれども重要な歴史が誕生した。JMRC神奈川ジムカーナシリーズに、JAF公認競技としては初めてとなる「EVチャンピオンシップ」が誕生し、その開幕戦が行われたのだ。

電気自動車(EV)によるF1やWRC参戦など、モータースポーツの新たな時代を予感させる第一歩が踏み出されたといえる。

JMRC神奈川ジムカーナ部会は、EVで幅広い活動を展開する自動車環境問題NGO「ZEVEX(ゼベックス )」と共同で、2009年シリーズより、これも当時のJAF公認競技では初めての試みだった「EVクラス」をスポットで創設し、これに呼応してZEVEXがマシンと参加者を供給していた。

この「EVクラス」が今シーズンより通年常設クラスとなり、チャンピオンシップが争われることになったというわけだ。

ZEVEX代表の鈴木一史氏は、「我々は2001年にもクローズドクラスでJAF公認競技にEVで参加したことがあります。その後、千葉県のジムカーナに電動レーシングカートが参加したりと、クローズドクラスでのスポット的なEVの参加は他にもあったと聞きますが、今回やっとEVの『チャンピオンシップ』を誕生させることができました。三菱からEVの個人向け市販が始まったこのタイミングで、JAFのモータースポーツの中に、EVで参加できる正式な競技が誕生したことはとても意義のあることだと思いますし、ZEVEXがその一翼を担えたことはとても誇りに感じます」と語った。

また、会場には、第2戦以降の参戦を見込んで、三菱自動車からパリダカ2連覇の増岡浩選手が来場した。昼休みには、観衆からのリクエストで4月から個人向け市販が始まったばかりの『iMiEV』を使ったデモランも行われ、軽自動車のキュートなフォルムからは想像できない走りを見せるメーカー製EVに、観客からは驚きの声があがっていた。

増岡選手は「地球環境の維持・保全に配慮することは、今やあらゆる人があらゆる局面で意識しなければならない課題となっています。もちろん、モータースポーツもその例外ではありません。モータースポーツもエコを意識しなければ、社会的な存在意義を問われる時代なのです。けれども、スピードやタイムを競って走る時の楽しさや高揚感は、自動車の動力源がガソリンエンジンでも電気モーターでも、全く違いはありません。その意味ではモータースポーツの楽しさの核心は不変なのです」

「今回、JAFに初めてのEVチャンピオンシップが成立したことが、一足飛びにパリダカに繋がるとは言えないと思いますが、その第一歩であることは疑いの無い事実です。今回のチャンピオンシップ成立に御尽力頂いた皆様に、モータースポーツに関わる人間として感謝の気持ちをお伝えしたいと思います」と述べた。

この日のEVクラスには「ZEVEXレーシングチーム」よりダイハツ『ミゼットII』をベースに手造りされた2台が参加。それぞれがダブルエントリーで、計4名で順位が争われた。優勝は1号車に乗る大津志伸選手。バッテリー搭載位置の関係で、2号車よりも重心が低く若干コーナーが速いのが勝因だ、と大津選手は語っていた。

第2戦は5月9日、場所は同じく富士スピードウェイ・ジムカーナコースで行われる。

《レスポンス編集部》

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