【スバルの先進安全技術】レガシィと共に歩んできたステレオカメラ技術

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3代目レガシィのランカスター6に搭載された第2世代ADAのイメージ
3代目レガシィのランカスター6に搭載された第2世代ADAのイメージ 全 9 枚 拡大写真

「事故を起こさないクルマ」を実現するための大きな一歩が、5月18日から5代目『レガシィ』に搭載される新型『EyeSight(アイサイト)』だ。正式な商品呼称は「アイサイト(Ver.2)」となる。

アイサイトはフロントウインドウに設置した二つのCCDカメラで得た3D画像情報を元に前方の状況を認識し、ドライバーへの警告や車両制御を行うもの。ここではその前身である『ADA(アクティブ・ドライビング・アシスト)』から最新型まで、5世代にわたって進化してきたアイサイトの変遷を紹介する。

◆第1世代:3代目レガシィのランカスターに搭載

第1世代のADAが初めて市販車に搭載されたのは1999年のこと。3代目レガシィ(1998 - 2003年)の「ランカスター ADA」がその第一弾となった。

最新のアイサイト同様、ルームミラー位置に設置された2台のCCDカメラは、前走車との車間距離や車線を認識。前走車に近づきすぎた時や車線を逸脱しそうになった時には警告音でドライバーに知らせるほか、クルーズコントロール時の車間距離制御を行うものだった。

また、合わせて車速やナビシステムの地図データ、VDCから得られる走行情報などからも状況を判断し、コーナーへの進入速度が速すぎる場合や濡れた路面など滑りやすい場合には音声で案内し、4速から3速へ自動シフトダウンする機能も備えていた。ただしこの第1世代と次の第2世代では、油圧ブレーキによる減速制御はまだ備えていない。

◆第2世代:「VDCプレビュー制御」を追加してランカスター6に搭載

第2世代のADAは、2001年5月に行われた3代目レガシィのマイナーチェンジと共に登場。搭載車は3リッター水平対向6気筒エンジンの「ランカスター6 ADA」に変更された。

従来の機能はそのままに、第2世代では各種情報から車両が障害物回避動作に入ると判断した場合、VDCの制御特性を安定性向上モードに変更する「VDCプレビュー制御」が採用された。またクルーズコントロール時の車間距離は3段階に、車間距離および車線逸脱の警報音量は2段階に変更可能となるなど、細かな改良が施されている。

◆第3世代:ミリ波レーダーと併用、ブレーキ制御も導入

第3世代のADAは2003年9月、4代目レガシィ(2003 - 2009年)の「ツーリングワゴン 3.0R」に搭載されて登場した。この第3世代だけに見られる特徴は、従来のステレオカメラに加えて、ミリ波レーダーをフロントバンパー内に搭載し、障害物の検知性能を強化したこと。この世代からブレーキによる車間距離制御も加わり、機能は大幅に強化されているが、ステレオカメラにこだわってきたADAの歴史の中では過渡期にあったシステムとも言える。

またこの第3世代では、従来の機能に加えて、先行車との車間距離を表示し、アラーム音で知らせる「追従モニター」、信号待ちの際に前車が発進したことを教える「前車発進モニター」、路面状況に応じて変化するタイヤのグリップ力を表示する「グリップモニター」、いねむり等による車両のふらつきを検知し、ドライバーに注意を促す「ふらつき警報」が追加された。

なお2006年には、レガシィの特別仕様車に全車速追従(ほぼ0 - 100km/h)や車間距離警報を行う「SIレーダークルーズコントロール」が並行して採用されている。これは高コストのミリ波レーダーではなく、性能と価格のコストパフォーマンスに優れるレーザーレーダーによる運転支援を目的としたものだ。(続く)

《丹羽圭@DAYS》

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