【VW シャラン 試乗】1.4リットルでもしっかり走る…松下宏

試乗記 輸入車
シャラン
シャラン 全 6 枚 拡大写真

VWの大型ミニバンである『シャラン』が復活した。全高は1750mmだから国産のラージミニバンに比べるとやや低めだが、全幅は1910mmもあってかなり大きい。両側に電動スライドドアを備えるのは、日本からの要望に対応してもらった部分という。

ヘッドライトの周囲にLEDランプが配置されているのが目新しいが、フロント回りのデザインは最近のVW顔。ひと目でVW車と分かる。インテリアも同様で、面白味には欠けるが、機能を追求したVWデザインとされている。

全幅の広さが貢献して室内にはたっぷりした空間が確保される。背の高い国産ミニバンとは違った広さだが、乗り込んでしまえばムダな高さは必要なくなる。

車両重量が1800kgを超える大型ミニバンながら、搭載エンジンはわずか1.4リットルのTSIエンジンだ。ターボとスーパーチャージャーの両方を装着した仕様ながら、乗って見る前は「おいおい大丈夫かよ」、と思わされた。

でも走り出して見るとそんな不安は一気に解消された。パワーは110kW(150ps)だから大したことはないが、トルクは240N・mとしっかり出ている。2.4リットルエンジン並みの実力があり、ボディの重さを全く感じさせない走りを実現する。ぐいぐいといった感じではないが、しっかり走らせることが可能だ。

スタートストップ機構が装着され、信号待ちなどのときにエンジンが良く止まる。この状態では電動パワステがオフになるため、ステアリングを動かそうとしてもびくともしない。再始動時の振動は特に良いとはいえないが、ヨーロッパではこのレベルで十分なのだろう。

足回りはやや柔らかめで乗り心地の良さを感じさせる。かつての旧型シャランが硬めの足回りを採用していたのとは大違いだ。個人的には旧型の乗り味も良いと思ったが、新型シャランの乗り心地にも満足できた。

価格は輸入車であることの割高さが残るものの、国産の上級ミニバンとの違いはそれほど大きくない。充実した安全装備などを含めて検討することになるだろう。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★
インテリア/居住性:★★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★★
オススメ度:★★★★

松下宏|自動車評論家
1951年群馬県前橋市生まれ。自動車業界誌記者、クルマ雑誌編集者を経てフリーランサーに。税金、保険、諸費用など、クルマとお金に関係する経済的な話に強いことで知られる。ほぼ毎日、ネット上に日記を執筆中。

《松下宏》

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