【マツダ CX-5 試乗】ディーゼルだけではなかった…2リットルガソリンモデルの卓越した燃費性能

自動車 ニューモデル 新型車
マツダ CX-5
マツダ CX-5 全 12 枚 拡大写真

マツダの新世代エコテクノロジー群「SKYACTIV(スカイアクティブ)」が投入された新型ミドルクラスSUV『CX-5』。発表会翌日の2月18日、東京都心でマスメディア向けの試乗会が行われた。

用意された試乗車はすべて新型ガソリンエンジン「スカイアクティブ-G」搭載モデルで、駆動方式はFWD(前輪駆動)とAWD(四輪駆動)の2種類。マツダはCX-5の事前キャンペーンでもっぱらクリーンディーゼルを宣伝していた。そのこともあって、ガソリンモデルへの注目度は相対的に低かったのだが、試乗してみると、そのガソリンモデルが望外の素晴らしさであった。

試乗車は2WD。試乗コースは東京プリンスホテルからお台場、潮風公園までの10km。車両の撮影を行うということで、ごく短時間の試乗ではあったが、序盤は信号2回待ちのようなきつい渋滞が連続する区間、後半はレインボーブリッジの結構きついアップダウンと、そこそこバリエーション豊かな走行環境だった。

最初に驚かされたのは、序盤の渋滞区間での燃費の良さだった。CX-5は全グレードにアイドルストップ機構「i-stop」が装備されており、停止時の燃料消費はセーブされる。が、この時の信号待ちは相当長く、途中でバッテリーに給電するためにエンジンが再始動してしまうこともあった。全幅1840mmという大柄なボディを考慮すると、アイドルストップ付きとはいえリッター6km台かと思うような状況だった。

にもかかわらず、渋滞区間での燃費は実に11.2km/リットルをマーク。渋滞時の変速機の制御が絶妙で、瞬間燃費計をチラチラ観察すると、時速20km程度でもクルーズ状態に入ると30km/リットルくらいに跳ね上がる。エンジンの回転数の低いところを積極的に活用するようセッティングされていることがうかがえた。また加速時も、思ったより加速しないでスロットルを踏み足したり、逆に予想以上にスピードが乗ってスロットルを緩めたりといったことが少なく、楽にエコドライブができたことも燃費の良さにつながっているものと思われた。

そのドライバビリティの良さはレインボーブリッジの長い登り区間でも生きた。速度のブレなく登り坂を走れるチューニングというのはクルマにとっては意外にハードルが高く、SUVやハイブリッドがとりわけ苦手としている項目なのだが、CX-5は驚くことに、スロットルペダルをじわりと踏み込んで加速し、狙った車速に到達した時点でそれ以上加速しないところまでスロットルを抜いてやると、そのまま一定速度でスイスイと登っていくのだ。

レインボーブリッジから潮風公園までの区間では渋滞がなかったこともあって平均燃費計の値もどんどん伸び、ゴール時には14.1km/リットルに達した。JC08モード走行時で16km/リットルという公称燃費も良好だが、実走燃費のインパクトはそれ以上だ。

ミドルクラスSUVのライバルと比較しても優位性は大きいものと思われる。また省燃費走行をあまり神経を尖らせず、ストレスフリーで気軽に行えるというドライバビリティの高さも出色だった。ディーラーで試乗する際には、こうした特性を積極的に味わってみるのも一興だろう。

《井元康一郎》

井元康一郎

井元康一郎 鹿児島出身。大学卒業後、パイプオルガン奏者、高校教員、娯楽誌記者、経済誌記者などを経て独立。自動車、宇宙航空、電機、化学、映画、音楽、楽器などをフィールドに、取材・執筆活動を行っている。 著書に『プリウスvsインサイト』(小学館)、『レクサス─トヨタは世界的ブランドを打ち出せるのか』(プレジデント社)がある。

+ 続きを読む

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. ベントレーの超高級住宅、最上階は「55億円」 クルマで61階の自宅まで
  2. 【ダイハツ ムーヴ 新型】「ポッキー入れ」にイルミネーション、軽自動車でも質感を“あきらめさせない”インテリアとは
  3. 日産の新型セダン『N7』、発売50日で受注2万台を突破
  4. BMW、カーボン素材を天然繊維複合素材に置き換え、量産車に採用へ
  5. ついにハイブリッド化! 新型トヨタ『ランドクルーザー300』の発表にSNSでは「バク売れの予感」など話題に
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 「やっと日本仕様が見れるのか」新世代ワーゲンバス『ID. Buzz』ついに上陸! 気になるのはサイズ?価格?
  2. 独自工会、EV減速でPHEVに着目、CNモビリティ実現へ10項目計画発表
  3. 茨城県内4エリアでBYDの大型EVバス「K8 2.0」が運行開始
  4. 中国EV「XPENG」、電動SUV2車種を改良…新電池は12分で80%充電可能
  5. コンチネンタル、EVモーター用の新センサー技術開発…精密な温度測定可能に
ランキングをもっと見る