スマートフォンITS協議会、コンソーシアム5月設立に向け第2回セミナーを開催

自動車 テクノロジー ITS
スマートフォンITS協議会 Android車載機の概念
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スマートフォン(スマホ)がカーナビに変わるものになるという考えは、もはや世の主流とも言えるが、車両からの情報をどうスマホへ取り入れるかが今後の大きな課題となっている。

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そこで様々なメーカーの車載LANデータ(CAN)をスマホに取り入れる仕組みを整備し、クラウドシステムを構築して新たなビジネスを創出しようというのが「スマートフォンITS」だ。これを推進するスマートフォンITS協議会による2回目のセミナーが、3月5日に名古屋市中区錦で開催された。

今回のセミナーでは、中部経済産業局情報政策課長杉山益美氏が「サービス創出事業について」、スマートフォンITS検討委員の情報科学芸術大学院大学教授赤松正行氏が「スマートフォンITSがもたらす世界・コンシューマの視点から」、検討委員長である名古屋大学大学院環境学研究科教授の森川高行氏が「スマートフォンITSがもたらす世界・社会インフラの視点から」をテーマとして公演が行われた。

またソフトウエア受託開発のテックファーム営業部長今井晃樹氏とテレマティックスグループ田中大氏から、今春の発売を目指して開発中の車両情報活用アプリのデモと、現在の自動車業界の課題点が発表された。

OBD2コネクタにアクセスして、ECUから取得できる情報を使ったiアプリを開発中のテックファームは、膨大な数の車種それぞれ独自にデータを集取するためマッチングの苦労、メーカーが技術力の漏洩やセキュリティ面から情報公開を懸念していること、といった問題点を指摘。それでも機密以上の収益性があることを主張していくしかないことなど、現在の課題を述べた。

最後に、スマートフォンITSをビジネスとして確立するためのコンソーシアム設立を目指すIICの代表取締役時津直樹氏が講演。できあがりつつあるIIC車載器Type1を見せながら、コンソーシアムに参加してプレーヤーとなってほしいと訴えた。CANとIIC車載器Type1の間に入れるゲートウェイECUであるType2の開発も進んでおり、AndroidをOSとしたクラウド車載機の構想も述べた。

スマートフォンITSでは、車載機やスマホアプリの制作販売ビジネスはもちろん、車両情報認証センターやプローブDBセンター、あるいはアプリを販売・決済するIICストアといったインフラ事業もあり、こうしたビジネスをコンソーシアム参加各社で受け持ち、日本市場はもちろん、海外へも展開しよというものだ。

コンソーシアムでは参加各社へスマートフォンITS共通プラットフォームを提供し、アップルストアのようにアプリの流通管理、データベースの管理を行なって信頼出来る情報流通を目指す。人の命を預かるクルマであるだけに安全かつ保証されたサービスをユーザーに提供しようというものだ。5月の設立を前に20社を超える申し込みがすでに入っており、現在会員プランを作成中という。

トヨタが話題の『86』でCAN情報を取り出してプレイステーションで利用できる仕組みを打ち出しているが、それを汎用で行おうというのがスマートフォンITS。日の丸プラットフォームとなって世界に打って出られるか、期待は高まる。

《水野誠志朗@DAYS》

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