運輸業者の倒産件数、4年ぶりに増加…2012年帝国データバンク

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運輸業者の倒産推移と軽油価格の関係
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帝国データバンクは、運輸業者の倒産動向を調査して、その結果をまとめた。

2012年度(2012年4月~2013年3月)に倒産(法的整理)した運輸業者は420件だった。昨年末から2月中旬にかけての原油価格高騰や為替の円安進行で、ガソリン・軽油価格は高値で推移しており、運輸業者の経営環境を圧迫、予断を許さない状況にある。

運輸業者の倒産動向調査は2009年12月以来。

今回の調査で対象としているのはトラック運送事業者と運輸付帯サービス業者、道路旅客運送事業者、海運(水運)事業者の4業態で、倉庫・鉄道・航空運輸を除く。

2012年度の運輸業者の倒産件数は420件で、前年度の392件を28件上回った。2001年以降で過去最多となった2008年度の510件から減少傾向が続いていたが、今年度は4年ぶりに増加へ転じた。負債総額は2271億円と、前年度比2.8倍と大幅増加となった。

これは負債1558億円の三光汽船の影響が大きく、これを除くと713億円、前年度比13.3%減と、依然として中・小規模倒産が主体だった。

倒産件数とディーゼル燃料の関係をみると、軽油小売価格は2008年8月に1リットル当たり167.4円の高値をつけ、このとき運輸業者の倒産が急増、高い相関関係を示した。直近2年間の軽油平均価格は128.1円で、倒産件数は月間20~30件台で推移していたが、景況感が一段と冷え込んだ昨秋から年末にかけては一時的に倒産が急増した。現在は、アベノミクスによる景気回復が期待されているが、円安への修正によりエネルギー輸入価格が高騰、軽油価格も2012年12月3日~2013年3月4日まで13週連続上昇するなど、運輸業者の事業環境は厳しい。

運輸業者の倒産を業態別にみると「トラック運送(道路貨物運送)」がもっとも多く、2012年度は282件と、全体の67.1%に達した。これに次ぐのが貨物運送取次、旅行代理店、港湾運送などの「運輸付帯サービス」で、全体の2割前後を占めた。

2012年度の負債規模別は「1000万~5000万円未満」が173件で、全体の41.2%を占めた。これに「5000万~1億円未満」を加えると60.5%、「1億~5億円未満」も含めると90.5%に達する。これまでも負債5億円未満までの中・小規模企業で全体の9割前後を占めており、負債50億円以上の大型倒産は年間数件にとどまる。

2012年度の倒産主因別は「販売不振」が331件で全体の78.8%を占めた。過去の推移をみても7~8割の高率に達している。次いで「企業系列、下請の再編成」の14件、「経営者の病気、死亡」の9件が続くが、これは厳しい事業環境下の中・小規模事業者の体力低下に伴う再編機運の高まり、経営者の高齢化、後継者難の影響があるとみられる。

地域別では、経済規模のもっとも大きい「関東」が145件で、全体の34.5%を占め、これに次ぐ「近畿」が101件、「中部」の53件と続く。

過去の推移と2011年度との比較では、「近畿」が前年度と変わらず、倒産件数が130~140件台に達していた2008~2010年度に比べて明らかに沈静化方向にあるのに対し、「関東」は前年度比15.1%増、倒産件数140件台で高止まりしている。また「中部」は前年度比35.9%増と全体平均を大きく上回り、「北海道」、「東北」も前年度比3割超の増加率となった。

《レスポンス編集部》

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