若者がクルマの価値を問い直し、新ビジネス提案…Motor Hack Weekend

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12月6日から7日にかけて、クルマをITデバイスとして捉えたビジネスプランを競う「Motor Hack Weekend」が開催
12月6日から7日にかけて、クルマをITデバイスとして捉えたビジネスプランを競う「Motor Hack Weekend」が開催 全 16 枚 拡大写真

12月6日から7日にかけて、クルマをITデバイスとして捉えたビジネス案を競うハッカソン「Motor Hack Weekend」が開催された。

参加者の中心は20代前半の学生や社会人。応募した13チーム各々が考えるプロダクト・Webサービスが提案された。若者の目線でクルマの価値が見直され、新たに発見される機会となったようだ。

◆旅行先の名所より、たどり着くまでの道のりに着目

同コンテストで最優秀賞に輝いたのは、チーム「Clip」の「CARTALK(カートーク)」というサービス。Clipは審査員への質問でプレゼンテーションを切り出す。

「突然ですが、みなさんがふとした瞬間に振り返る思い出とは何でしょうか。僕は車の内での思い出が多いのですよね。友人とドライブしながら、ビッグになるんだとか、将来の夢を語っていたことがすごく胸に残っていて。今思い出すとクサくて青くて、熱い想いを語った場が、クルマなんです。」

“あの時、あの瞬間をもう一度”というコンセプトをもとに、形に残りにくい車内でのふとした思い出を残すサービスがCARTALKだという。

◆位置情報と車内会話、照合すれば価値あるデータに

このCARTALKは、車内の様子を記録できるカメラ・マイクを設置。このカメラで取得した音声や動画をGPSやECUの情報と結びつけて、サーバーに送信する。これを数年後、または数十年後にスマートフォンやタブレットPCなどで振り返ることができるという。

マネタイズに関しては、レンタカー会社やカーシェアリング会社と提携して送客手数料やオプションメディアとしての販売を主要な収入源と想定。事業の伸びによっては実際にユーザーによって編集できるようなサービスも考えているという。

審査員からはCARTALKの活用を深堀するコメントが。「記録されている位置情報と、各地点でどのような会話が交わされるかを照合して分析することでBtoBの方向でも価値のある情報になる。看板広告などにとっても有意義な情報となるはず」と活用例を追加するアドバイスがなされた。

◆若者がアイディアを出し、大人が形にするモノづくり

賞金20万円を手にしたClipのメンバーは、受賞の感想を求められると「自分が田舎に帰った時に、昔ドライブを楽しんだ道を通ると、よくその時の仲間との思い出がなんとなくよみがえることがあって。自分自身こういう思い出を保存してくれるプロダクトが心から欲しいと思っていた」「よくわからなくて震えています」「中間発表で厳しい評価を受けたが、そこからメンターの方のアイディアを得ながら最後まで進めることができた。今後このアイディアを形にしていけたら」とコメント。

さらに審査員長を務めた、トヨタ自動車広報部メディアリレーション室の本多誠之氏は「われわれメーカーでもできないようなことをしてくれたと思っている。会社に戻ってから、今日の皆さんの姿勢をぜひまねして、明日からまたいい車づくりをしたい」と講評した。若者がアイディアを発表し、大人たちがそれを具現化する手助けをする。今回初開催だったMotor Hack Weekendではそんなモノづくりスタイルがひとつ、カタチとなったようだ。

《まとめ・構成 北島友和》

《北原 梨津子》

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