640馬力で打倒AMG…米キャデラック、「V」に込めたパッションとは

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キャデラック CTS-Vセダン
キャデラック CTS-Vセダン 全 24 枚 拡大写真

先日開催された2015年北米国際自動車ショー(デトロイト・ショー)で、キャデラックは、そのハイパフォーマンスモデルの象徴である「V」の称号を掲げたニューモデル、『CTS-V』を発表した。

すでに日本においても、2007年導入の『STS-V』以来、キャデラックのVシリーズは、ハイパフォーマンスモデルの市場において、十分にその存在感をアピールしてきたが、この新型CTS-V、そしてVシリーズのエントリーモデルとなる『ATS-V』の日本導入が決定しているだけに、これからさらにその注目度が高まることは、間違いのないところだろう。

「Vシリーズは、世界中の多くのライバルが存在するプレミアムカー市場の中で、その個性的なデザインとパフォーマンスで、キャデラック流のパッションを表現するモデルなのだ」と、エグゼクティブ・チーフエンジニアのデイブ・レオン氏は語る。たしかに最新のデザイン言語によって統一された現在のキャデラック車は、力強さや洗練さといった点では、ヨーロッパや日本のモデルにはない魅力がある。新型CTS-Vでは、それにVモデルとしての独自のディテールを与えることで、より刺激的なアピアランスが実現されているのだ。

フロントに搭載されるエンジンは、シボレー『コルベットZ06』に搭載される、スーパーチャージャー付きの6.2リットル版V型8気筒OHV。最高出力&最大トルクは、それぞれ640ps、854Nmと、コルベットZ06のそれと比較すると若干控えめな数字となるが、このレベルにおいては実質的なハンデはゼロに近いと考えてよい。

組み合わせられるミッションは、オーソドックスなトルコン式の8速AT。これもまた、コルベットZ06での印象から想像するに、シフトの速さではデュアルクラッチを採用するライバルをも超越する魅力を備えているはずだ。

最強のライバルとなるのは、おそらくはメルセデスAMGやBMW Mが市場へと投じる、『E63』や『M5』だろう。レオン氏はこれらのライバルと比較して、新型CTS-Vはより趣味性の強い、ドライビング・ファンをさらに明確に追求したモデルと説明する。

640psものパワーを発揮する4ドアサルーンでありながら、4WDの駆動方式を採用しなかったのも、それに伴う重量増やアンダーステア傾向が、加速性能やハンドリングをスポイルする結果になることを嫌ったためであると主張。さらにプレスコンファレンスのステージにおいては、新型CTS-Vが3.7秒の0-60マイル加速と、200マイルの最高速を実現することを宣言してみせたのだ。それに続いた「世界中のライバルのために教えてあげよう。200マイルとは320km/hのことだ」という挑戦的な言葉は、まさに強いアメリカというものを象徴するかのような響きだった。

キャデラックから発表された新型CTS-Vと、シボレー・コルベットZ06。このふたつのモデルだけでも、アメリカ車の世界が、今どれだけその趣味性を強めているのかは明確だろう。ジェネレーションYと呼ばれる世代の所得が増え、それに伴ってより大きく、そして高性能で高級なモデルが望まれる傾向が強くなったアメリカ。我々もそのトレンドを追いたいと、心から感じた。日本市場への導入時期や価格は、後日発表される予定だ。

《山崎 元裕》

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