荷物が増えがちなロングライド…バックパックが優れている理由を実証

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ドイター・レース EXP Air
ドイター・レース EXP Air 全 17 枚 拡大写真

自転車で出かけるときには、状況に応じ持ち物がある。カメラや地図、ナビゲーション、水、補給食。場合によってはタオル、着替え、更に天候が不安な場合は雨具。そしてロングライドになると気温の変化に対応して重ね着用の衣類、輪行バッグなど。

となると、荷物が増えるのでそれなりのバッグが必要だ。その昔、自転車に乗り始めたころは大きなリュックを背負って走っていたが、肩の負担が大きく、疲れる。その後はキャリアを取り付け、もっぱら自転車への固定バックで過ごした。これはこれなりのメリットがあった。まず第一に身体が楽だ。何も身につけないので当然だ。
ただし、デメリットもある。まずルックスがあまりスッキリしない。次に輪行の場合、自転車そのものが重くなる。そして坂道。やはりヒルクライムではキャリアやスタンド分の重さでエネルギーを消耗するのは否めない。

実は今回、私は自転車も新しくツーリング用としてカーボンバイクを手に入れた。従来のアルミフレーム+カーボンフォーク仕様のスペシャライズド・セコイアはとても気に入っていた。キャリアを取り付けたら重い荷物を載せても平気で、取材の仕事にも、また最大160kmのロングライドにも付き合ってくれて何の問題もなかった。

ただ輪行の際、どうしても軽量バイクを担ぐ仲間からはいつも駅のホームで取り残されていた。やはりバイクそのものの重量が重いのだ。

それで、念願かなってやっとジャイアントのデファイに巡り合った。さすがに軽く、輪行時の担いでの移動がラクだ。折角軽量なこのバイクにキャリアやスタンドを取り付けるのはもったいない。なので荷物はまた自分で背負うことにした。

【次ページ サイクリング用のバックパックを探す】

そこでサイクリング用のバックパックを探した。最近はハイキングをはじめとしてトレッキングなど、沢山のアウトドア用バックパックがあり、とても魅力的なアイテムが沢山ある。私がこれからの夏場のシーズン用として挙げた要件は次の4つだ。

1) 背中が夏でも蒸れないこと
2) デザインが良いこと
3) 軽量なこと
4) 背負って疲れないこと

その中で今回「これだ!」と狙いをつけたのがドイターの「レース EXP Air」だ(税抜き価格1万1000円)。一番のお気に入りは、第一要件だった背中のベンチレーションの良さだ。実は以前、初夏のサイクリングで一緒に行った仲間がバテて止まってしまった。
バックパックを背負う背中を見ると汗でびしょ濡れ。背中の暑さで消耗してしまったのだ。代わりに私のバイクのキャリアに彼のバックパックをくくりつけて走った経験がある。つまり、初夏から夏にかけて背中の熱放出が大きな課題だ。

レース EXP Airはそのベンチレーションを徹底的に追求したバックパックだ。何と背中に接する部分はネット構造で、しかも本体の荷室との間は最大で65mm程度もの空間がある。背中と荷室との間に大きな空間が風の通りを良くして背中の熱気を逃がす仕掛けだ。またショルダーや腰のベルトも全てネット構造。胸や腰の熱気も溜めない工夫がされている。

デザインも良い。これも気に入った。重量は870gと軽量。容量は12リッターだが、嬉しいことにジッパーで周囲を開くとさらに3リッター分の体積が広がり、15リッターの容量になる。その分最初から荷物も詰め込めるが、サイクリング先でお土産を手に入れたときに拡張して使うこともできて心強い。また、両サイドにはボトルホルダーがあり、ここにはボトルも2本挿せるし小物も入れられる。

【次ページ ドイターのレース EXP Airを使ってみた】

実際に使ってみた。背中の蒸れの点をチェックすべく、27度近い夏日に走ってみたが「素晴らしい!」のひと言。まったく蒸れないどころか、風が通りとても心地好い。ショルダーベルトや腰ベルトも今の季節では全く暑さを感じさせない。

また軽量なので重さ感がなく、これも快適。約4kgのノートPCを入れて背負ってみたが肩に負担がほとんどない。実は腰のベルトを腹部ではなく、腰骨にキツくしっかりと巻いた。バックパック派の友人の話では「70%近くを腰で支えるので肩にはほとんど負担が掛からない」とのことだったので試してみると本当にその通り。私は今までこの手のベルトは腹に巻いていた。これは大間違いで、腰だったのだ。

さらに嬉しい発見が続々。

●ハイドレーション(水補給)用のパイプホール
パイプホールがトップにあり、キャメルバックをバックパックに入れて、トップからホースを取り出した。しかも走行中ブラブラするホースをショルダーベルトで留められるようにマジックテープでホルダーまである。夏場のライドでハイドレーションは疲労防止に必須なのでとても有難い。
●ヘルメットホルダー
小さなポケットからはヘルメットを留めるネットが引っ張り出せ、輪行時にはヘルメットが邪魔にならず有難い。

●小物ポケット
大切なお金や、小銭が入れられるジッパー付きの小袋を内蔵した小物ポケット。チョコレートや携帯補給食、絆創膏、薬などが入れられ、フックも内臓。とても便利だ。

●レインカバー
下部からはレインカバーが引っ張り出せ、突然の雨でも安心だ。

●リヤリフレクター/テイルランプホルダー
背後にはRace exp airの文字が白い反射素材で印刷されていて、他に白色の反射テープも貼られている。更にこのテープはテールランプのホルダーにもなり、さすが自転車用として開発されたバックパックらしい機能性も沢山秘めている。

●ジッパーロック
また左右どちらからでも開閉できるジッパーは両方でX型に組み合わせてホックでロック出来、うっかり開いてしまうリスクを回避するなど細かな気配りが憎い。
【次ページ 自分なりの工夫、まとめ】

実は、腰ベルトに小さなバッグがあるとさらに良かった。貴重品を入れたり、疲れた時の糖分補給に走りながら補給食取り出したい時、綺麗な景色を発見した時などにカメラをサッと取り出せる。

だが、腰にバッグがあると蒸れやすいかも知れないのと、貴重品が入っていると食事の際に「ちょっとトイレへ…」と言う時にいちいちバックパックを持ち歩くのも不便。なので、この小さなバッグは取り外しが可能な方がよい。

と、言うことで軽量かつベルトホルダーとストラップ付きの山歩き用の小さなポシェットを見つけ(モンベル製)、これを普段は腰ベルトに通すことにして使うととても使いやすくなった。

ただし、漕いでいるとだんだん腰の横から腹の前に滑り出すので、これはマジックテープでずり出ないように工夫した。

●荷室内は湾曲
ひとつ気になるのは背中のベンチレーション効果を高めるために、荷室内がアルミのバーと内臓パネルで大きくえぐられて湾曲している事。つまり荷室内部がU字型をしていて、見た目やや狭い感じがする。だが、逆にこのために上の中身が下にダイレクトに下がりにくいメリットもある様子なので一概に欠点とは言えない。
●まとめ
結論的に言うと大満足。価格は決して安くはないものの、暑い日のロングライドの疲労軽減を考えるとリーズナブルな値段だ。肩が疲れず、背中が快適。狭く感じるものの実際に荷室を最大化して荷物を詰めると、3リッターの大型のハイドレーションバッグ、レインウエアー上下、着替え、輪行バッグ、補給食など問題なく入る。

先日、ペットボトル8本にバナナ7本など計5kgを詰めたがまだゆとりがあり、これを背負ったが肩にはほとんど重さを感じさせず楽々と運べた。これで今年の夏ももっとライドが楽しめそうだ。

【津々見友彦の6輪生活】ドイターのバックパック「レース EXP Air」で快適サイクリング

《津々見友彦@CycleStyle》

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