東京大学の研究チーム、電池を短時間で充電できる「中間状態」を解明

エコカー EV
電池の中間状態のイメージ図
電池の中間状態のイメージ図 全 1 枚 拡大写真

東京大学工学系研究科の山田淳夫教授、西村真一特任研究員らの研究グループは、電池の充電を速くする中間状態を解明したと発表した。

スマートフォンや電気自動車が浸透する中、短時間で電池を充電するニーズが高まっている。電気を貯める物質で、充電状態でも放電状態でもない「中間状態」が存在し、これが反応中に現れることによって充電を早く行うことができるとの学説が発表されている。しかし、中間状態の存在や、存在したとしてもどのような場合に現れるのかなどが明らかになっていなかった。

研究チームでは、中間状態を完全に単離する合成手法を開発し、その存在を示した上で、様々な性質について詳細に調査した。この結果、電子の並びが縞状に規則正しく模様を描き、これを邪魔しないようにイオンが自発的にその位置を柔軟に変えていることを発見した。

この状況下では、通常観測される充電状態や放電状態よりも電子やイオンがはるかに高速に移動することができるため、充電時間を短くすることにつながると見られる。

今後、中間状態の現れやすい材料の開発や充電条件を明らかにすることで、電池の充電時間を格段に短縮できる可能性がある。

今回の研究成果は、ドイツの化学雑誌「Angewandte Chemie International Edition」のオンライン版に掲載された。

《レスポンス編集部》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 「ミニGSX-R」をスズキがサプライズ発表!? 鈴鹿8耐マシン以上に「サステナブルかもしれない」理由とは
  2. メルセデスベンツ車だけに特化!走りを静かにする「調音施工」認定店が埼玉県三郷市にオープン
  3. 車検NGの落とし穴!? シート交換で絶対に知っておくべき新ルール~カスタムHOW TO~
  4. 次期BMW『X5』の車内を激写! メーターパネル廃止、全く新しいパノラミックiDriveディスプレイを搭載
  5. トヨタの大型ピックアップトラックの逆輸入に期待? 新型発表に日本のファンも熱視線
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 「AIディファインド」の衝撃、日本の自動車産業は新たな波に飲み込まれるのか…アクセンチュア シニア・マネジャー 藤本雄一郎氏[インタビュー]
  2. ブレンボが新ブレーキ開発、粒子状物質を削減…寿命も最大2倍に
  3. EV充電インフラ-停滞する世界と“異常値”を示す日本…富士経済 山田賢司氏[インタビュー]
  4. SUBARUの次世代アイサイト、画像認識技術と最新AI技術融合へ…開発にHPEサーバー導入
  5. 栃木ホンダ販売、テラチャージの急速充電器設置…EV充電環境を強化
ランキングをもっと見る