【SUPER GT 第3戦】GT500優勝は本山&柳田 GT-R…本山は通算最多勝タイ

モータースポーツ/エンタメ モータースポーツ
#46 GT-Rは、レース前半の#38 RC Fとの接戦を経ての勝利。
#46 GT-Rは、レース前半の#38 RC Fとの接戦を経ての勝利。 全 10 枚 拡大写真

SUPER GT第3戦の決勝レースが21日、タイの「チャン国際サーキット」で開催され、GT500クラスは日産GT-Rの本山哲&柳田真孝が優勝。本山は通算16勝目で、GT500最多勝争いトップの立川祐路に並んだ。

66周、約300kmの戦いは現地時間15時過ぎにスタートが切られた。やはり猛暑下での戦い、気温は35度オーバー、路温は50~60度での推移となったが、コース上で展開されたレース前半のGT500クラス首位争いは、それ以上に熱いものであった。#38 ZENT CERUMO RC F(立川&石浦宏明/ブリヂストン=BS)と、#46 S Road MOLA GT-R(本山&柳田/ミシュラン=MI)。この両車が熾烈なマッチレースを繰り広げたのである。

通算20回目、自身が持つ通算最多記録更新となるポールポジションからスタートした立川(#38 RC F)と、3番グリッド発進から序盤で2番手へと上がり立川に迫った本山(#46 GT-R)の戦いは、過去に何度も名勝負を披露してきたマッチアップであり、同時にGT500クラスの通算最多勝争い直接対決でもあった。

16勝の立川と15勝の本山(他に松田次生=#1 GT-Rも現在15勝)。ふたりは何度か順位を入れかえる攻防を見せつつ、ルーティンピット時期近くまで激しく戦い続ける。タイの観客も魅了されたこと間違いなしの、迫真の首位攻防は35周終了時、2番手に下がっていた立川が先にピットへ向かった時点で一旦幕を閉じた。そして翌周には本山もピットへ。

両車がコースに戻ると、柳田に代わった#46 GT-Rが実質の先頭キープ、石浦に代わった#38 RC Fは8秒ほどの遅れを取っていた。ピット作業の静止時間そのものの差は4~5秒だったようだが、実際にはそれよりもう少し#46 GT-Rがピットインの前後で総合的なリードを築いていた、ということになる。#38 RC Fの石浦はここから再び差を詰めて、前半のようなバトルに持ち込み直したいところだ。

しかし、#38 RC Fには暗転が待っていた。44周目頃にスピンを喫した#38 RC Fはピットに入ってそのままリタイアとなってしまったのである。ブレーキ系のトラブルが発生したらしく、おそらくスピンもそれが原因だったのだろう。因果関係は不明だが、レース前半の激しいバトルがトラブルの遠因となった可能性もあるかもしれない。いずれにしても、頂上決戦は少々残念なかたちでの幕引きとなってしまった。

ライバル#38 RC Fの戦線離脱により、レース後半は#46 GT-Rの独走となる。そのまま柳田が先頭でゴールを駆け抜け、チームと柳田にとっては12年シーズン以来、そして本山にとってはニスモ在籍時の11年最終戦以来となる通算16勝目、最多勝記録で立川に並ぶ優勝となった。

3年と少々、勝ち星から離れていた間に立川に抜かれていた通算最多勝記録で並び返した本山は、「(13年からMOLAに)移籍して初、個人的にも久々の優勝で、本当に嬉しい。このサーキットでは去年、すごく調子も良くてトップを走っていたのにトラブルで勝ちを逃してしまっていたから、今年こそリベンジを果たそう、そんな思いで週末を迎えました」と、この一戦にかけていた決意を語る。「立川をパスするのに手間取って(柳田にバトンタッチする前に)思ったほどのマージンは稼げなかったけれど、ピットワークも完璧だったし、良いレースになりました」。

柳田は11~12年にこのチーム(MOLA)でR.クインタレッリとともに連覇。13年はニスモで走り、昨年MOLAに復帰してからは初めての優勝となった。「終盤は単独走行でしたが、去年のことが頭をよぎって不安にもなりました。でもチームや(車両を製作する)日産/ニスモのスタッフを信じて、走り切ることができました」。

日産GT-R勢としては、前戦に続く2連勝。しかもGT300クラスとのダブル優勝も2戦連続で達成というかたちになっている(今回のGT300優勝は#3 星野一樹&高星明誠)。

GT500クラスの決勝2位は#6 ENEOS SUSTINA RC F(大嶋和也&国本雄資/BS)。3位には#17 KEIHIN NSX CONCEPT-GT(塚越広大&武藤英紀/BS)が入り、日産、レクサス、ホンダが表彰台を分け合った。

4~5位はGT-R勢で、4位が#12 カルソニック IMPUL GT-R(安田裕信&J-P.デ.オリベイラ/BS)、5位が#1 MOTUL AUTECH GT-R(松田&クインタレッリ/MI)。6位にはポイントリーダーの#37 KeePer TOM’S RC F(A.カルダレッリ&平川亮/BS)が入り、その座を守っている。また、タイヤ無交換作戦に出たと見られる#36 PETRONAS TOM’S RC F(伊藤大輔&J.ロシター/BS)は、ピットアウト直後に#46と#38の実質首位争いの間に割り込むシーンもあったが、最終的には8位だった。

SUPER GTの次開催は8月8~9日の富士スピードウェイ戦。タイ遠征があった影響で、しばらく実戦間隔が空くが、この先の第4~8戦は3カ月強で5戦をこなす強行軍となる。

《遠藤俊幸》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. BEVを2年間所有した、“リアルな”ランニングコストを大公開
  2. ベントレーの超高級住宅、最上階は「55億円」 クルマで61階の自宅まで
  3. メルセデスベンツの万能車『ウニモグ』がキャンピングカーに! 数日間の自給自足が可能
  4. 【ダイハツ ムーヴ 新型】「ポッキー入れ」にイルミネーション、軽自動車でも質感を“あきらめさせない”インテリアとは
  5. 日産の新型セダン『N7』、発売50日で受注2万台を突破
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 茨城県内4エリアでBYDの大型EVバス「K8 2.0」が運行開始
  2. 米国EV市場の課題と消費者意識、充電インフラが最大の懸念…J.D.パワー調査
  3. 三菱が次世代SUVを初公開、『DSTコンセプト』市販版は年内デビューへ
  4. 独自工会、EV減速でPHEVに着目、CNモビリティ実現へ10項目計画発表
  5. BYD、認定中古車にも「10年30万km」バッテリーSoH保証適用
ランキングをもっと見る