【SUPER GT 第6戦】ホンダ NSX 今季初優勝…山本尚貴&伊沢拓也がGT500クラスを制す

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SUGO戦を制した#100 NSX。
SUGO戦を制した#100 NSX。 全 16 枚 拡大写真

SUPER GT 第6戦が20日、宮城県のスポーツランドSUGOで決勝日を迎え、GT500クラスではNSXを駆る山本尚貴&伊沢拓也が今季初優勝を飾った。ホンダ勢としてもGT500クラス今季初勝利。

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決勝日のSUGOの空は、朝は曇りがちなところもあったが、決勝スタート前には晴れて、前日よりも暑くなった。2万8500人の観衆が熱い視線を注ぐなか、午後2時過ぎに81周、300kmの戦いが火蓋を切る。路面温度は前日の予選時より10度前後高いコンディションでの開戦となった(路面ドライ)。

SUGOは1周が約3.7kmと短く、コース幅やランオフエリアも広くはないため、セーフティカー(SC)出動となるようなアクシデントの発生率が高いステージである。「魔物が棲む」などと形容されることも多いが、その魔物が、今回はレースが3分の1を消化しようとする頃合いに出現した。

GT500クラスのレクサス勢同士の争いのなかで、他車に押されるような格好となった#39 DENSO KOBELCO SARD RC F(平手晃平&H.コバライネン/タイヤはブリヂストン=BS)がバックストレートでクラッシュ。ここでSC出動となったのだが、これが実に絶妙かつ微妙なタイミングだった。SUPER GTはドライバーひとりあたりの最大走行距離が3分の2までと決まっているため、3分の1を終わろうとしている段階のSCであれば、大半のマシンは「ここでピットインしてドライバー交代」という判断を下すのが自然だからだ。SC先導走行中、まずはピットレーンが閉じられるが、これが開いたところで、多くのマシンがやはりピットへ。

SUGOはピットロードも狭い。これまたやはりというところで、ほぼ一斉ピットインの際には出口渋滞が発生するなどの混乱もあったが、GT500のトップ2、予選1~2位からそれぞれその順位を守って走ってきた2台は無事に切り抜けたようだ。ただ、首位の#46 S Road MOLA GT-R(本山哲&柳田真孝/ミシュラン=MI)にしてみれば、本山が築いた約7秒のリードがSCでほぼ帳消しにされた面はある。一方、追う#100 RAYBRIG NSX CONCEPT-GT(山本尚貴&伊沢拓也/BS)にとっては好機拡大。山本からバトンを受け継いだ伊沢が、SC退去後に#46との差を詰めていく。

そして36周終了、37周目に入るストレートから1コーナーへの攻防を経て、#100 伊沢は#46 柳田からの奪首に成功。そのままレース後半は差を7秒前後にキープし続ける安定した走りを披露し、ホンダNSX CONCEPT-GTに今季初優勝をもたらした。

ドライバーズポイントランキング7位(29点)でSUGO戦に臨んだ#100 NSXは、今回までポイントの2倍が原則となるウエイトハンデが58kgの扱い。これはGT500独自の規定により、50kg分がエンジンの燃料流量リストリクターによる調整に振りかえられ、実重量のハンデは8kgということになるが、昨年から採用されている現行GT500マシンにおいては、日産、レクサス、ホンダ、いずれも(程度の差こそあれ)“燃リス調整”より“実重量ハンデ”の方が効く面がある。つまり、実重量ハンデが8kgと軽い#100は、“いい状態”でこのレースを迎えていたことになり、山本と伊沢もそれは認めるところであった。

しかしながら、実際にチャンスをものにすることは、ドライバー両名とチーム力、そしてタイヤという要素が完璧に噛み合わない限り不可能。予選では、同じく“いい状態”の#46 GT-Rにポールを奪われ、2位。伊沢は「すごく悔しかった」と語るが、その悔しさを「すべてレースにぶつけようと思いました」。そして結果的には「すべて最高のパフォーマンスで最後まで走れました」という素晴らしい内容で、手強いライバルをコース上で抜き去っての勝利を果たした。

レース前半を担当した山本も、「序盤はあまりペースが上がらず、勝つのは厳しいかな、とも思いましたが、とにかくしっかり伊沢さんにつなごう、と」思いながらの力走で、それが実った格好だ。伊沢も決勝日朝の時点では「厳しいかもしれません」と語っていたのだが、ふたりはしっかりレースを戦い続けることで次第に展開も味方につけ、最高の勝利を飾った。

昨年の登場から苦戦が続いていたホンダNSX CONCEPT-GTにとっては、昨年8月の富士戦以来となる勝利で通算2勝目。当時も優勝クルーだった山本は「よかった、のひとことですね。でも、この1勝で安心することなく、次へのステップにしたい」との旨を語る。また、昨年は欧州のGP2を主戦場としていた伊沢にとっては、13年開幕戦以来のGT500勝利となった。

決勝2位は#46 GT-R。3位も日産勢で、#24 D’station ADVAN GT-R(佐々木大樹&M.クルム/ヨコハマ=YH)が続いた。4~5位はレクサス勢で、#6 ENEOS SUSTINA RC F(大嶋和也&国本雄資/BS)、#19 WedsSport ADVAN RC F(脇阪寿一&関口雄飛/YH)の順でゴール。

SUGOの“魔物”はSC出動時以降もしばしば出現し、重い実重量ハンデ(28~50kg)に苦しむGT500のポイントランク1~4位のマシンたちにペナルティやアクシデントの連鎖を及ぼすなどした。また、#100 NSXや#46 GT-R同様に今回チャンスであったランク5位の#37 KeePer TOM’S RC F(A.カルダレッリ&平川亮/BS)もこの波に巻き込まれるように後退。ランク1~5位だったマシンのなかでは、#1 MOTUL AUTECH GT-R(松田次生&R.クインタレッリ/MI)の決勝6位が最高。その結果、第6戦を終えてのGT500ドライバーズランク上位は以下のような状況に転じている(手元計算)。

51点…#12 日産GT-R/BS 安田裕信&J-P.デ.オリベイラ
49点…#100 ホンダNSX/BS 山本尚貴&伊沢拓也
45点…#46 日産GT-R/MI 本山哲&柳田真孝
45点…#38 レクサスRC F/BS 立川祐路&石浦宏明
44点…#1 日産GT-R/MI 松田次生&R.クインタレッリ
43点…#36 レクサスRC F/BS 伊藤大輔&J.ロシター

残り2戦で8点差に6組の激戦、#100 NSXの山本&伊沢は一気に首位と2点差のランク2位まで駆け上がったが、次の第7戦はウエイトハンデがポイント×1倍に変わるため、“燃リス調整”になるのは首位の#12 GT-Rだけとなる。ランク上位で唯一“軽く”なることが#12には有利に働く可能性があり、49kg直積みとなる#100 NSXには辛い面も予想されるが、伊沢は「降って沸いたような面もあるチャンスなので、誰がどうのこうのはあまり考えていない。自分たちがしっかり戦えば、結果はついてくると思いますし」と語り、山本も「今回のように(ペナルティを受けるなどした他陣営とは違って)ミスのないレースをすれば、僕たちにもまたチャンスは来る」との旨を話す。王座に向けた#100 NSXの戦いぶり、それが注目されるところだ。

第7戦は大分県のオートポリスでの開催。日程は10月31日が公式予選、11月1日が決勝レースとなる。

《遠藤俊幸》

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