【東京モーターショー15】内燃機関から自動運転まで、最先端技術を披露…ボッシュ

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自動運転に必要なセンサー類を装備したモックアップ
自動運転に必要なセンサー類を装備したモックアップ 全 13 枚 拡大写真

世界的な自動車部品サプライヤーであるボッシュは今や東京モーターショーへ出展する常連企業となった。今回は東ホールのスバルブース前に場所を構え、日本初公開のディーゼル噴射システムや48Vハイブリッドシステム、さらに自動運転に向けた数々の取り組みを紹介した。

ディーゼル噴射システムは、ディーゼルエンジンの燃料噴射圧を2700barにまで高め、窒素酸化物(NOx)と粒子状物質(PM)の排出量低減を実現するというもの。これは噴射圧が高まることによって、燃料の微細化が進んで空気と燃料がシリンダー内でよく混じり合うようになることを意味し、これは完全燃焼に近い状態を作り出し、クリーンなエンジンをもたらす最新技術だ。今回日本初公開となった。

ボッシュは2020年までのスケジュールにおいて、新車の98%は内燃機関を搭載すると予想している。つまり、そんな状況下にある中で、ボッシュとしても世界中の厳しい排ガス基準をクリアするための技術を今後も磨き続けなければならず、ディーゼル噴射システムはその中核となり得る技術というわけだ。

一方でボッシュは、2020年には世界の電動化された車両が現在の3.2%から12.1%へと拡大し、2025年には全体の15%が電動化を果たすとしている。そのために、電動化への積極的な投資を行い、コストパフォーマンスに優れた48Vハイブリッドシステムから電気自動車まで、電動化を実現する幅広いコンポーネントとシステムを提供していくと説明。今はeモビリティに向けた数々の技術を仕込んでいる最中だという。

自動運転への取り組みにもボッシュは積極的だ。ボッシュによれば、自動運転が実現することで、交通事故は37%低減できる可能性を持つという。すでにドイツや米国に続いて日本でも自動運転の公道試験をスタート。自動運転の実現に向け、グローバル規模で開発に尽力していく方針だ。

この中でボッシュは自動運転に向けた段階的なプロセスを大きく3つ掲げている。1つは「運転支援」で、2015年には道路上の“回避操舵支援”やリモート駐車支援にとどまっていたものが2018年には自動バレーパーキングを実現する。2つめは“部分的な自動化”へのアプローチで現在は渋滞走行支援にとどまっていたものが2017年には「インテグレート クルーズアシスト」、2018年には「ハイウェイアシスト」を実現する。

そして、高度かつ完全な自動運転としては、2016年に交通渋滞下での完全自動化を実現し、2020年には高速道路での、2025年には一般道を含む完全自動化が実現できるとしている。

電動化と自動運転の鍵を握るのはネットワーク化である。ボッシュがそのために追求するアプローチは2つある。1つはドライバーが持つスマートフォンを活用する方法で、そのためのAndroid/iOSのいずれにも対応できる統合型ソリューションが「mySPIN」。多彩なアプリをセンターディスプレイ上で操作可能となるものだ。

もう1つは車内に通信モジュールを搭載するスタイルで、この場合はセルラーモジュール経由で通信が可能となり、常にGPSによる位置情報を含む車両管理が可能になる。地図データも常に最新で、コーナーの先の状況も事前に察知できるようになるのだ。これが自動運転に大きな貢献を果たしていくことになるとボッシュは考えている。

ボッシュでは、現在約4万人の従業員が研究部門で働いており、その3分の1はソフトウェアエンジニアだという。アジア太平洋地域では1万8000人超のエンジニアが開発に従事する。これは2016年には全世界で販売される自動車の半数がこの地域で占めると見ているため。とくに横浜にあるセーフティシステムのための研究拠点はドイツ国外では最大級の規模を構成し、特に二輪車向けを専門とするのは日本がこの分野で世界をリードする立場にあると位置付けているからだ。

《会田肇》

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