上質な走りを実現、HKSの新サスペンション「ハイパーMAX G」を試す

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上質な走りを実現するHKSハイパーMAX G走行会レポート
上質な走りを実現するHKSハイパーMAX G走行会レポート 全 13 枚 拡大写真

HKSから、新しいサスペンションKIT、『ハイパーMAX G』が発売された。こう書くと、なんだ、スパルタンなチューニングサスか…と思われるかもしれないが、3年6万kmの保証付きで、乗り味に上質さを求めて開発されている。

◆純正形状の単筒式、そのメリットとは

形も車高調整式(車高調)ではなく純正形状を採用しているのが特徴。つまり市販車のダンパー/スプリングと見かけ上は同じ形をしている。今回HKSが採用した単筒式は、ピストン部の周到抵抗はやや大きいが、レースにも採用しているタイプだけにスパルタンな走り方にも対応する。しかも、HKSでは、倒立式といって、ダンパーの取り付け向きを上下逆、逆立ちした状態で使っているのだ。これよって、ダンパーの曲げ剛性が数倍(ピストンロッドガイドがつくので3倍くらい)になる。HKSではダンパーもスプリングも内製で、かなりこだわって作られたのが判るが、いざ試乗したらどうなのだろう?

今回、栃木県のGKNグランドライブのテストコースで走行会が行われたので、報告してみようと思う。用意された試乗車は、『アルファード』と『86』。それに『プリウス』と『ヴォクシー』。アルファードと86向けは発売中。プリウスとヴォクシーは近日発売予定のプロトタイプだ。

◆オーバルコースでの滑らかな走りに驚き

まずはオーバルコースでアルファードから試乗した。車高はフロント40mm、リヤ35mmダウン。ノーマルと比べ見た目に腰を落としたような安定感がある。
試乗して驚いたのは、乗り心地がいいこと。タイヤはヨコハマのアドバンスポーツで、タイヤの剛性の高さからくる、締まった硬さはあるものの、それが心地よい引き締まり感となっていて、ゴツゴツした不快な硬さにはなっていなかった。むしろクルマの動きから余計な動きが消えていて、すっきりとしたフラットな乗り心地に仕上がっているのに驚かされる。タイヤが滑らかに転がり、スーッと滑るようにクルマが進んでいく感じ。

また感心したのは、ハンドルを切り出した時のフロントサスの動き。スムーズにフロント外側のサスが沈み、滑らかにノーズが向きを変えてくれるのだ。突っ張るような硬さや唐突なノーズの動きがなく、クルマの動きが素晴らしく滑らか。例えばレーンチェンジでは、グラっとくるような動きを見せず、少ないハンドル舵角でスムーズにレーンチェンジができる。しかもサスペンションの動きはよいが、ぐらつくような動きが抑えているためかクルマの重さを意識させず、大柄なアルファードを高級セダン感覚(と言ったらちょっと大げさだが)で走らせることができた。

◆濡れ走路でもしっかりと路面をとらえる足回り

86用は、まさにこの試乗会の直後に発売になったモデル。86はミニコースで試乗することができた。ただし、試乗車はノーマル車に純正サス。ハイパーMAX装着車はHKS製スーパーチャージャー付き。さらにサーキットスペックのスパルタンなハイパーMAX4SPが用意されていた。

驚かされたのは、ハイパーMAX Gの懐の深さだ。ノーマルサスと比べ明らか路面をとらえるグリップ力が優れている。試乗時はあいにく…といか都合よくウエット路面だったので簡単にリヤタイヤが滑りだすような状況だったのだが、ハイパーMAX Gはダンパーの動き出しのフリクションが少ないしなやかさと、しっとりと路面をとらえているような感触があり、ノーマルよりもグリップ性能、接地感ともに優れていた。

しかも、意図的にアクセルを大目に踏み込んでリヤタイヤを滑らせたときも、滑り出しが穏やか、かつ予想がしやすく素晴らしくコントロールしやすかった。また滑らせていても駆動力が横に逃げずクルマを前押し出してくれたのも印象的だった。

◆悪路でも旋回性と追従性を発揮する

雨の降る中、悪条件のダート走路で走行したのがプリウスとヴォクシー。共通して言えるのが、悪走路における安定性の高さで、段差の突き上げを上質にしなやかに吸収して安定感を感じさせる走り。

ヴォクシーではミニバンにありがちな腰高感が無くなり、土台のしっかりとした安定性を感じられる。テスト走路と言う事で多少無理目にコーナーを曲がってみると、ノーマルに比べて圧倒的にロールが少なく走路を捉えて走行できる。

プリウスでは濡れた悪路であってもハンドル操作のままに車体を操作できる感覚で、思い通りに向きを変えて前へ前へとクルマを押し出してくれるのが気持ちよい。純正と比べて堅くなるというよりも、しなやかになるという印象だ。

今回の走行会で色々な条件、多彩な車種を体感したが、ハイパーMAX Gは純正交換タイプでありながら、純正を越える上質さで路面との融合性を備えたサスペンションキットに仕上がっていたと言えるだろう。

《斎藤 聡》

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