【BMW S 1000 XR 動画試乗】最も速く、遠くへ快適に到達できる万能スーパーマシン…佐川健太郎

モーターサイクル 新型車
BMW S 1000 XR
BMW S 1000 XR 全 12 枚 拡大写真

BMWが誇るスーパーバイク『S 1000 RR』のエンジンとシャーシをベースに、ロングストークのサスペンションと快適装備が与えられたのが『S 1000 XR』である。高性能ロードスポーツのパワーとハンドリング、アドベンチャーの多目的性、そしてツアラーの快適性を兼ね備えているのが特徴で、今までになかった新たなカテゴリーとしてBMWでは“アドベンチャースポーツ”と位置付けている。

エンジンは水冷4スト並列4気筒DOHC4バルブ999cc。回転数とともにパワーが2次曲線的に立ち上がる高回転型の出力特性はRR譲りで、ピークは160psに抑えられてはいるものの、その加速は強烈。特にミッドレンジのトルクの盛り上がりが印象的で、ワインディングでのスポーティな走りや高速クルーズなどの実用域にターゲットを合わせていることが分かる。サウンドもGSなどのフラットツイン系とは明らかに異なる、甲高い直4サウンドだ。

前後サスは基本的にストローク感があってよく動くが、ライディングモードの選択に合わせてダンパー強度も調整されるため、シチュエーションによって最適なセッティングで走りを楽しむことができる。たとえば今回、サーキット走行に合わせて「スポーツモード」にセットしてみたが、ダンパーの効いたカッチリとした感触となり、コーナー立ち上がりでもフルパワーをしっかりと受け止めて前に進めてくれた。車体は大柄で重心も高めだが、ホイール径が前後17インチということもありハンドリングはロードスポーツ的。連続コーナーの切り返しなどでは見た目以上に俊敏なフットワークを見せる。

電子制御も「RR」譲りで、4種類のライディングモードにダイナミックESA(電子制御サスペンション)、前後連動タイプのコーナリングABSやトラクションコントロール、クイックシフターなど、現在のモーターサイクルにおける最先端技術がすべて注ぎ込まれている。

広いシートとアップライトなライポジ、ハイスクリーンのおかげで高速クルーズも快適。電子制御で安全を担保しつつ、快適に遠くまで速く到達できるスーパーマシンだ。

■5つ星評価
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★
快適度:★★★★★
タンデム:★★★★
オススメ度:★★★★★

佐川健太郎|モーターサイクルジャーナリスト
早稲田大学教育学部卒業後、出版・販促コンサルタント会社を経て独立。編集者を経て現在はジャーナリストとして2輪専門誌やWEBメディアで活躍する傍ら、「ライディングアカデミー東京」校長を務めるなど、セーフティライディングの普及にも注力。(株)モト・マニアックス代表。バイク動画ジャーナル『MOTOCOM』編集長。日本交通心理学会員。MFJ公認インストラクター。

《佐川健太郎》

佐川健太郎

早稲田大学教育学部卒業後、出版・販促コンサルタント会社を経て独立。編集者を経て現在はジャーナリストとして2輪専門誌やWEBメディアで活躍する傍ら、「ライディングアカデミー東京」校長を務めるなど、セーフティライディングの普及にも注力。メーカーやディーラーのアドバイザーも務める。(株)モト・マニアックス代表。「Yahoo!ニュース個人」オーサー。日本交通心理学会員。MFJ公認インストラクター。

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