新社長が宣言!「筑波最速を奪還する」…HKS PREMIUM DAY in FSW

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HKS 代表取締役社長 水口大輔氏
HKS 代表取締役社長 水口大輔氏 全 26 枚 拡大写真

1月29日、富士スピードウェイで開催された「HKS PREMIUM DAY in FSW」において、長谷川浩之前社長の遺志を引き継いだ水口大輔 新社長が、就任のあいさつをするとともに、新しいチューニングカープロジェクトの発表を行った。

◆目標は筑波で50秒を切る!

それは、市販車ベースの改造車で筑波サーキットの最速ラップタイムを更新するというものだ。「HKS Racing Performer 86 GTS800」と名付けられた筑波スペシャルのマシンは、86をベースに800馬力のエンジンを搭載する。ドライバーは谷口信輝選手で、筑波のサーキットトライアルでの実戦を重ねた上で、最速記録更新のタイムアタックを計画している。

目標はラップタイムで前人未踏の50秒を切ることだという。

プロジェクトの構想は、2015年秋ごろ、長谷川前社長の時代にスタートしていたものだといい、「長谷川イズムを継承した新体制を飾るプロジェクトとして成功させる。」と水口社長は力強く語る。

そもそも、筑波スペシャルのカスタムカーの歴史は、20年前のHKS R33 GT-Rから始まったといってよい。当時の市販車のラップタイムが1分8秒前後だったところに、HKSは「1分を切る」をターゲットにチューニングを施したGT-Rで、58秒7という記録を打ち立てた。この記録はその後7年以上破られることはなかった、そして55秒を初めて切ったのもHKSのランサーエボリューションだ。

◆シェイクダウンの手応えも十分

現在の筑波最速ラップタイムは52秒台だが、GTS800はこれを2秒以上短縮する目標を掲げている。すでにシェイクダウンを終え、これからのチューニングの方向性も見えているそうだ。筑波スペシャルのチューニングは、近年空力に重きが置かれている。GTS800も3トンものダウンフォースを計測しており、次は前後のバランスの調整、次にサスペンション、エンジンの順でチューニングを完成させていく予定だ。

HKSが筑波最速アタックに再び挑戦すると発表した背景には、水口新社長が語るように長谷川イズムの継承があることは間違いないが、もうひとつ「86/BRZ、ロードスター、S660と近年のスポーツカーブームに合わせて、チューニングやカスタムカーに対する注目が再び高まっている。それも、単なる回顧趣味ではなく、若い人にも受け入れられ新しいチューニング文化が生まれ始めている」(水口社長)というように、若い世代に向けたHKSからのメッセージでもある。

◆家族連れでにぎわう富士スピードウェイ

チューニングパーツだけでなく、かつてはF1エンジンや耐久レースのエンジンの開発にも携わり、航空機のエンジンまで扱うHKSは、常に新しい技術、新しい分野に挑戦する企業でもある。GTS800のプロジェクトは進化するチューニングカーの提案でもある。

GTS800が発表された「HKS PREMIUM DAY in FSW」は、全国のチューニングカーファンのために2007年より開催されているイベントだ。10回目をむかえた今年も、多くのファンが富士スピードウェイに集結した。水口社長の言葉を裏付けるように、若者や小さい子どもを連れた家族も多かった。普段はVIPルームなどに使われるピットガレージ棟の2階の部屋に設置されたキッズルームにはたくさんの親子連れが楽しんでいた。

サーキットではユーザー自慢のチューニングカーによる走行会、デモカ―の同乗走行体験、チューニングショップ対抗のタイムアタック、D1マシンによるドリフトマッチなどは、1日でさまざまな車のサーキットランが堪能できる。パドックには多数のパーツショップ、チューニングショップのブースが出展し、展示車両とともに自車のパーツ探しやチューニング相談も可能だ。

◆次の世代に伝わるチューニングカーへの想い

もちろんHKSの歴代パーツや車種ごとのパーツの展示コーナーもあり、近くの駐車場では、HKSパーツで武装したインプレッサ、96、S660、ハイエースなどをパイロンコースで体験試乗ができるコーナーも設置された。

変わったところでは、MCやレーサーが同乗するバスでサーキットを周回する催しもあった。このバスツアーはデモカ―の同乗走行と同時に行われ、バスの左右をドリフトカーが駆け抜けるというめったにない体験が可能だ。

かなり盛りだくさんの内容で、家族連れが1日いても十分に楽しめただろう。大手の自動車メーカーではなく、チューニングメーカーのプライベートイベントで、これだけの規模の開催ができるというのは、熱いファンの存在に支えられている証でもある。HKSの創業者である故長谷川浩之氏の想いは、新しい社長だけでなく確実に若い世代にも伝わっているようだ。

《中尾真二》

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