【INDYCAR 第16戦】アレクサンダー・ロッシが今季初優勝、ホンダ勢1-2-3…琢磨は予選4位も決勝でトラブル

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#98 ロッシが今季初優勝を飾る。#26 琢磨も予選~スタートでは上位を力走。
#98 ロッシが今季初優勝を飾る。#26 琢磨も予選~スタートでは上位を力走。 全 8 枚 拡大写真

インディカー・シリーズ第16戦の決勝レースが現地3日、米ニューヨーク州のワトキンスグレンで行なわれ、アレクサンダー・ロッシが今季初優勝を飾り、ホンダ勢が表彰台を独占した。予選4位だった佐藤琢磨は、レース序盤早々にマシントラブルに見舞われて4周遅れの19位。

このレースを含めて残り2戦、2017年のインディカー・シリーズはいよいよ佳境を迎えた。第16戦の舞台は北米きっての名門コースといってもいいワトキンスグレン(常設サーキット)である。

予選では佐藤琢磨(#26 Andretti Autosport/ホンダ)と同じアンドレッティ陣営のアレクサンダー・ロッシ(#98 Andretti Herta Autosport w/Curb-Agajanian/ホンダ)がポールポジションを獲得し、このところ予選で安定的に上位につけている琢磨も4位に。そしてこのふたりの間にチャンピオン争いのトップ2が挟まる格好となった。ポイント2番手のスコット・ディクソン(#9 Chip Ganassi Racing/ホンダ)が予選2位、ポイント首位のジョセフ・ニューガーデン(#2 Team Penske/シボレー)が予選3位。

レインタイヤを履いてスタートし、すぐにドライタイヤに履きかえ、その後も空模様を気にしつつのレースだったが、スタート直後に素晴らしい動きを見せたのは琢磨だった。4番手発進から一時は2番手まで浮上してみせる。

ところが琢磨はオープニングラップ途中で急失速したような状態に陥ってしまった。ターボチャージャーのトラブルが起きたらしく、好スタートから一転、いきなり勝負権を失う格好に。このところの琢磨は、予選で上位につけても決勝でトラブル等によって流れが向かない展開が続いている(今回の最終リザルトは4周遅れの19位)。

佐藤琢磨のコメント
「3戦続けて悔しい戦いになりました。スタートで2番手まで上がり、そのままトップに出られる勢いがあったのですが、なにかトラブルが出てスピードが伸びませんでした。優勝争いができたに違いないレースでトラブルに見舞われたのは非常に悔しいです」

「ただ、昨年はワトキンスグレンでパフォーマンスの良くなかったAndretti Autosport(当時琢磨は移籍前)が、今年は予選でポールポジションと4位、レースで優勝と3位という結果を残せました。ここまでのパフォーマンスの向上を1シーズンで遂げるのは非常に珍しいことです。その進歩に自分も貢献できたのではないか、と誇りに思います」

「最終戦のソノマは好きなコースですが、レースでなかなかうまくいかないことが続いています。今年のマシンはセッティングも高いレベルに仕上がっているので、もっているポテンシャルを披露し、ロードコース(常設サーキット)での勝利を果たせるよう頑張りたいです」

ワトキンスグレンを制したのはポール発進のロッシだった。ピットでの給油の不具合で一時は厳しい展開になるかと思われた彼のレースだったが、フルコースコーションのタイミングを味方につけるなどして挽回、今季初優勝を飾った。ルーキーとして制した昨年のインディ500以来、シリーズ通算2勝目。

決勝2位はディクソン、3位にはライアン・ハンターレイ(#28 Andretti Autosport/ホンダ)が入ってホンダ勢が表彰台を独占した。グレアム・レイホール(#15 Rahal Letterman Lanigan Racing/ホンダ)も5位に入っており、ホンダがトップ5に4台を送り込む結果となっている。シボレー勢最上位は4位のエリオ・カストロネベス(#3 Team Penske/シボレー)。

チャンピオン争いの方は、ポイント首位で31点をリードしていたニューガーデンがピット出口付近でウォールにヒット、他車の追突を招くなどして18位に終わり、一気に混戦と化して最終戦に向かうこととなった。シリーズトップ8は以下の通り。

J.ニューガーデン 560点
S.ディクソン 557点
H.カストロネベス 538点
S.パジェノー 526点
W.パワー 492点
A.ロッシ 476点
G.レイホール 466点
佐藤琢磨 421点

最終戦はダブルポイントであり、最大で104点獲得可能。ただ、インディカーの場合は出走すれば0点ということはなく、最終戦が今回と同じ21台の出走と仮定した場合、ニューガーデンは最低でも18点は獲得できる。そういったことを考慮するとレイホールは実質的に圏外で、ロッシまでの上位6人による争いだ。

その6人のなかでも、5番手パワー、6番手ロッシはかなり厳しいだろう。4番手パジェノーまでが中心の戦いと見られるが、それにしてもかなりの混戦状況となったことは確かである。

なお、琢磨は今回で完全に王座の可能性がなくなった。前戦終了時点でも(各戦21台出走で考えた場合)首位ニューガーデンの欠場前提でしか逆転の可能性は残っていなかったが、インディ500制覇による大量得点も味方にシーズン最終盤まで王座の可能性を残したこと、これも日本人選手初の偉業といっていい。消化不良なここ数戦の悔しさを最終戦で晴らし、ひとつでもふたつでも最終ランクを上げてシーズンを終えてもらいたいところだ。

2017年インディカー・シリーズ最終戦は2週間後、現地17日決勝の日程でカリフォルニア州のソノマ・レースウェイ(常設サーキット)で開催される。

《遠藤俊幸》

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