【トライアンフ ストリートトリプルR Low 試乗】ローダウン化で身近になった3気筒スポーツ…佐川健太郎

モーターサイクル 新型車
トライアンフ ストリートトリプルR Low
トライアンフ ストリートトリプルR Low 全 13 枚 拡大写真

『ストリートトリプル』はトライアンフを代表する看板モデルである。2007年に「デイトナ675」ベースの3気筒エンジンを搭載したミドルクラスのスポーツネイキッドとして登場以来、累計5万台をセールスしてきた実績がある。

【画像全13枚】

2017年には排気量が765ccに拡大された完全新設計のニューモデルとなり、標準モデルとしての「S」、スポーツ仕様の「R」、サーキットを想定した「RS」の3バージョンが設定されている。そして今回、ローシート仕様の「R Low」が国内投入されることになり試乗する機会を得た。

「R」と「R Low」で異なるのが足まわりである。前後サスペンションにはショーワ製のビッグピストン倒立フォークと別体式リザーバータンク付きモノショックを組み合わせるのは共通だが、「R Low」では前後サスのスプリング長などを変更してユニット全長を短縮。加えてシートのクッションを10mm下げることでトータル45mmの大幅なローダウンを実現している。

また、従来モデルに比べると最高出力も11%強アップの118psに高められ、1速、2速のギアレシオ変更により加速力を向上。シャーシの剛性バランスの最適化によりハンドリングも磨かれている。電子制御の進化も見逃せない。ライド・バイ・ワイヤによる4種類のライディングモードを搭載し、スロットルレスポンスとABS、トラコンの各レベルを自動的に最適化してくれる仕組みだ。

上級モデルのRSとあらためて見比べてみたが、たしかに全体的に低いシルエットだ。シートを削ったいわゆる「アンコ抜き」やリアショックのリンク変更もしていないため、ライポジも自然でハンドリングにも違和感はない。ローダウンにより結果的にキャスター角やトレール量も若干変更されているため、ハンドリングはむしろ穏やかになっている感じだ。シート高780mmということで、跨ってみるとその差は歴然。平均的な日本人なら問題なく両足が着くだろうし、車重も160kgと軽いため女性ライダーでも安心して取り回しできるはずだ。

エンジンはトライアンフ3気筒独特の鼓動感を伴った滑らかな回転フィールが印象的で、新型では排気量を90ccほど増やしたことでトルクフルな中速域がさらに豊かになった。生憎の雨だったので「レイン」モードで走ってみたがアクセルの反応も穏やかで走りやすく、滑りやすい場面ではトラコンのおかげで安心して加速することができた。

ただ一点、前後サスのストローク長が短いため、路面追従性という部分ではやはりネガがあり、特にウェット路面では不利だったかも。そこを考慮しても、「R Low」はストリートトリプルが持っている個性的な走りの魅力をより身近に味わえるモデルとして、幅広いライダーにおすすめできると思う。
■5つ星評価
パワーソース:★★★★★
ハンドリング:★★★★
扱いやすさ:★★★★
快適性:★★★★
オススメ度:★★★★★

佐川健太郎|モーターサイクルジャーナリスト
早稲田大学教育学部卒業後、出版・販促コンサルタント会社を経て独立。編集者を経て現在はジャーナリストとして2輪専門誌やWEBメディアで活躍する傍ら、「ライディングアカデミー東京」校長を務めるなど、セーフティライディングの普及にも注力。(株)モト・マニアックス代表。バイク動画ジャーナル『MOTOCOM』編集長。日本交通心理学会員。MFJ公認インストラクター。

《佐川健太郎》

佐川健太郎

早稲田大学教育学部卒業後、出版・販促コンサルタント会社を経て独立。編集者を経て現在はジャーナリストとして2輪専門誌やWEBメディアで活躍する傍ら、「ライディングアカデミー東京」校長を務めるなど、セーフティライディングの普及にも注力。メーカーやディーラーのアドバイザーも務める。(株)モト・マニアックス代表。「Yahoo!ニュース個人」オーサー。日本交通心理学会員。MFJ公認インストラクター。

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