本邦初! ミシュランのキャンピングカー専用タイヤ…ジャパンキャンピングカーショー2019

ミシュランのキャンピングカー専用タイヤ「 アジリス キャンピング」
ミシュランのキャンピングカー専用タイヤ「 アジリス キャンピング」全 8 枚

ワゴンやバンをベースとするキャンピングカーだが、改造ポイントはキャンプ用の内外装だけではない。キャンピングカーには専用のタイヤがあるのをご存じだろうか。

【画像全8枚】

会場の一角にこぢんまりと構えたブースは、ミシュランの企業規模にしては地味なデザインで、本当にタイヤしか展示がされていない。にもかかわらず、多くの人が訪れていた。しかも展示されていたタイヤは1種類。「ミシュラン アジリス キャンピング」はキャンピングカー専用のタイヤだ。

アジリスは、ミシュランのバン、ライトトラック用タイヤのブランドだが、その中でEUのキャンピングカー規格(CP規格)をクリアしたものだそうだ。この規格はヨーロッパでは10年以上前から存在しているといい、キャンプのさかんな国ならではの規格だ。CP規格は、簡単にいえば通常のタイヤより高圧、高荷重負荷での常用を想定したもの。通常より重い荷重を高い空気圧で支えることができるタイヤということになる。

キャンピングカーの場合、バン、トラック、ワゴン車、SUVなどにキャンプ用にキャビンを増設したり、さまざまな什器備品を搭載する。予備バッテリーや発電機、エアコン、水タンクなども装着する場合もあり、商用車としてもかなりの重量となる。

この場合、ブレーキや足回り(サスペンション)を強化する必要があり、そのためのパーツも流通している。しかし、このときタイヤまで考慮することは少ないかもしれないが、荷重負荷が高い場合、一般には空気圧を上げたい。重さによるタイヤのたわみを抑えたいからだ。

タイヤには通常、適正空気圧が設定されている。設定より高い空気圧は偏摩耗やグリップの低下などの副作用があるが、同じタイヤで空気圧だけで荷重に耐えようとしても、結果的に空気圧不足によるたわみや変形が起こり、走行中の衝撃で内部構造のカーカスが剥離したり、トレッドに亀裂が入るショックバースと呼ばれる現象が起きる。

これを避けるには、カーカスやスチールベルトの強化、タイヤそのものの強化が必要となる。ミシュラン アジリス キャンピングは、カーカスを2層構造とし、スチールベルトもタイヤサイズによって2枚、3枚と増やしている。

高い空気圧でもトレッドの接地面を均一に保つため、トッププライをナイロン製としサイドウォール近くまで幅広く覆わせている。キャンピングカーは舗装路ばかりを走るわけではない。未舗装路やウェットにも対応するようにコンパウンド、ブロックパターンにも工夫を施している。悪路のグリップや走破性のためブロックを高めにして溝を深くしているが、ブロック剛性が落ちないように2段構造にしていたり、多少の雪も想定してスタッドレスのようなサイプパターンも採用されている。

アジリス キャンピングのサイズは、15インチと16インチで計5種類。215と225の設定で扁平率は65~75までとなっている。どれくらい高荷重に耐えるかというと、これらのタイヤの荷重指数(ロードインデックス)は109から118。単輪の荷重能力は1トン以上だ。15インチや16インチの225クラスの一般的なタイヤのロードインデックスは90~98程度で100を超えることはない。また、設定空気圧も550kPaから600kPaだ。

ブースで話を聞いていると、キャンピングカーにはCP規格以外のタイヤは付けたくなくなってくる。CP規格のタイヤは、他社を含めてこれまで日本では販売されていない。本邦初となるアジリス キャンピングは3月1日より発売される。

《中尾真二》

テクノロジージャーナリスト・ライター  中尾真二

アスキー(現KADOKAWA)、オライリー・ジャパンの技術書籍の企画・編集を経て独立。現在はWebメディアを中心に取材・執筆活動を展開。インターネットは、商用解放される前の学術ネットワークの時代から利用し、ネットワーク、プログラミング、セキュリティについては企業研修講師もこなす。エレクトロニクス、コンピュータのバックグラウンドを活かし、自動車業界についてもテクノロジーを中心に取材活動を行う。

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