2023年車載用ディスプレイ世界市場、21.3%増の2億0198万枚に成長 矢野経済調べ

(イメージ)
(イメージ)全 2 枚

矢野経済研究所は、車載用ディスプレイ世界市場の調査を実施。2023年の同市場は2018年比21.3%増の2億0198万枚に成長すると予測した。

2018年の車載用ディスプレイ世界市場(純正品および市販品を含む、メーカー出荷数量ベース)は中国での自動車販売台数の伸び悩みが懸念されたものの、前年比5.2%増の1億6646万枚だった。センターインフォメーションディスプレイ(CID)向け、クラスター向けの車載用ディスプレイ出荷数量がそれほど落ち込まなかったことも要因として挙げられる。2019年上期までの関連各社の出荷量および下期の見込数量を考慮し、2019年の車載用ディスプレイ世界市場は同0.5%増の1億6725万枚と予測。ただし、引き続き2019年も中国自動車産業は低迷しており、市況は楽観視できず、出荷数量の前年割れの可能性も考えられる。

車載用ディスプレイの中でも注目は、高画質と優れた反応速度が特徴のアクティブマトリクス式有機EL(AM-OLED)パネル。2017年第3四半期から韓国のSDC(サムスンディスプレイ)より車載用ディスプレイとしての一部出荷がスタートし、2018年にはある程度の出荷実績が出始めた。また、2019年末よりLGD(LGディスプレイ)からAM-OLEDパネルの出荷がスタートするとみられる。これは、欧州OEMメーカーが一部のモデル向けでLGDのPOLED(プラスチック基板のOLED)を採用するもので、2019年末より出荷が開始される予定であるものの、出荷が本格化していくのは2020年以降とみられる。

その他にも2020年以降、車載用ディスプレイ量産品採用に向けて提案中の案件が複数あり、高級車種を中心に徐々に車載用AM-OLEDパネル採用が拡大していくとみられる。ただ、高価なパネルであるがゆえに、LCD-TFTを上回る採用のメリット提示ができていない現状ではポジティブな成長シナリオは画きにくい。将来的には、ドアやAピラー付近など、曲面などフレキシブルな機能を活かせる用途向けなど、メリットを活かせる新規用途向けで採用され、市場拡大していくとみられる。

2020年以降、車載用ディスプレイ世界出荷数量は年率4%以上のプラス成長を遂げる見込みだ。中国での自動車販売台数など楽観視できない材料も存在するものの、中東など新興国地域向けの車載用ディスプレイの需要増、2021年以降のマルチディスプレイ化が市場を牽引していき、2023年の車載用ディスプレイ世界市場(メーカー出荷数量ベース)は2億198万枚に成長と予測する。

また、新たな需要として期待されるHUD、リアビューミラー、サイドミラー向け車載用ディスプレイは急成長を遂げる見通しだが、高級車種を中心としたオプション品としての搭載が中心となり、これらのディスプレイが搭載可能なのは新型車かつ高級車種に限定される。

《纐纈敏也@DAYS》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. ついに生産終了、スズキ『Vストローム650』がなぜ今も「傑作マシン」と語り継がれるのか
  2. 外装も内装も「どピンク」な超高級SUV、ベントレー特注部門のスゴ技とは
  3. クーペSUVに進化! アルファロメオ『ステルヴィオ』次期型を完全プレビュー
  4. ジープ『チェロキー』新型、新写真からリアデザインが判明
  5. アルファロメオの新型SUV『ジュニア』日本発売に、「420万円はリーズナブル」「マジで美しい」など反響続々
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 茨城県内4エリアでBYDの大型EVバス「K8 2.0」が運行開始
  2. 中国EV「XPENG」、電動SUV2車種を改良…新電池は12分で80%充電可能
  3. 三菱が次世代SUVを初公開、『DSTコンセプト』市販版は年内デビューへ
  4. トヨタや京大、全固体フッ化物イオン電池開発…従来比2倍超の容量達成
  5. BYD、認定中古車にも「10年30万km」バッテリーSoH保証適用
ランキングをもっと見る