【マツダ3 SKYACTIV-X 新型試乗】街中で乗っているだけはもったいない…岩貞るみこ

マツダ3 SKYACTIV-X
マツダ3 SKYACTIV-X全 14 枚

美しい立ち居振る舞いには、努力も必要

欧州の人は大好きな5ドアハッチだけど、日本人の意見は分かれるところだ。やっぱり人がいる空間と荷室を分けたセダンがいいとか、荷物がもっとつめるワゴンでいいじゃんとか。

だけど、5ドアハッチの立体感は独特だ。マツダ3 ファストバックのゆるやかに傾斜したリアウィンドウのラインはきれいだし、全体のフォルムは豊かさを感じさせる美学がある。

マツダ3 SKYACTIV-Xマツダ3 SKYACTIV-X
余裕がない人からは、後席のドアが小さいだの、乗り降りするときに頭ぶつけるだのとこざかしい声が聞こえるものの、だったらスライドドアのミニバンに乗っていればいい話。きれいなクルマへの乗り降り、ひいては美しい立ち居振る舞いには、努力も必要なのである。

そりゃ、たしかに後席は、ひざ元が広々ということはないけれど、天井に頭がぶつかることもない。身長170cmの私でもこれだけきちんと座れれば十分である。

エンジンの音がして当たり前の話

マツダ3 SKYACTIV-Xマツダ3 SKYACTIV-X
今回の目玉は、マツダが満を持して投入したエンジン、SKYACTIV-Xである。ガソリンエンジンのくせにディーゼルエンジンのような独自の(しかも世界初の技術)で、燃費と加速するときのトルク感、つまり力強さを向上させたものだ。

ディーゼルエンジンと同じ? と聞くと、ガラガラ音か! と連想してしまう。ええ、そりゃね、私、意地悪ですから、疑ってかかりましたよ。ええ、たしかに音質は、ふつうのガソリンエンジンとは異なり、ディーゼルエンジンに近いです。でも、音量がまったく違う。

ガラガラ、というより、小さくカリカリという感じ。国道を走っているとこいは、まわりのエンジン音や、自分のロードノイズ(タイヤがアスファルトの路面にぐるぐる回りながら当たるときの音ね)にまざって、注意しないと聞き分けられないくらい。

周囲の音がなくなる住宅地では、もう少し音が耳に届くけれど、でも、もともとエンジン車なんだもの、エンジンの音がして当たり前の話なのである。

ぜひ、遠出を、そしてワインディングを

マツダ3 SKYACTIV-Xマツダ3 SKYACTIV-X
トルク感はさすがで、加速するシーンでは、ぐいぐいっと速度を上げる。力の5割くらいでこなしているような余裕が、なんとも心憎い。サスペンションは硬め。だけど、ギャップの乗りこなしがきゅうっと肉厚でしなやか。突き上げてきた力を車体でしっかり受け止めて、いやな振動はドライバーに伝わってこない。

このクルマ、街中で乗っているだけなのはもったいない。ぜひ、遠出を、そしてワインディングを走りにいってほしい。

■5つ星評価
パッケージング:★★★
インテリア/居住性:★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★★
オススメ度:★★★★

岩貞るみこ|モータージャーナリスト/作家
イタリア在住経験があり、グローバルなユーザー視点から行政に対し積極的に発言を行っている。主にコンパクトカーを中心に取材するほか、ノンフィクション作家として子どもたちに命の尊さを伝える活動を行っている。レスポンスでは、アラフィー女性ユーザー視点でのインプレを執筆。コラム『岩貞るみこの人道車医』を連載中。

《岩貞るみこ》

岩貞るみこ

岩貞るみこ|モータージャーナリスト/作家 イタリア在住経験があり、グローバルなユーザー視点から行政に対し積極的に発言を行っている。レスポンスでは、女性ユーザーの本音で語るインプレを執筆するほか、コラム『岩貞るみこの人道車医』を連載中。著書に「未来のクルマができるまで 世界初、水素で走る燃料電池自動車 MIRAI」「ハチ公物語」「命をつなげ!ドクターヘリ」ほか多数。2024年6月に最新刊「こちら、沖縄美ら海水族館 動物健康管理室。」を上梓(すべて講談社)。

+ 続きを読む

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 「やっと日本仕様が見れるのか」新世代ワーゲンバス『ID. Buzz』ついに上陸! 気になるのはサイズ?価格?
  2. 最後のフォードエンジン搭載ケータハム、「セブン 310アンコール」発表
  3. 高機能ヘルメットスタンド、梅雨・湿気から解放する乾燥ファン搭載でMakuake登場
  4. 船上で水素を製造できる「エナジー・オブザーバー」が9年間の航海へ
  5. 「三菱っぽくないけどカッコいい」ルノーの兄弟車となる『エクリプス クロス』次期型デザインに反響
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 米国EV市場の課題と消費者意識、充電インフラが最大の懸念…J.D.パワー調査
  2. 低速の自動運転遠隔サポートシステム、日本主導で国際規格が世界初制定
  3. 「やっと日本仕様が見れるのか」新世代ワーゲンバス『ID. Buzz』ついに上陸! 気になるのはサイズ?価格?
  4. BYD、認定中古車にも「10年30万km」バッテリーSoH保証適用
  5. 「あれはなんだ?」BYDが“軽EV”を作る気になった会長の一言
ランキングをもっと見る